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小売大手ホーチミン市商業合作社(サイゴンコープ=Saigon Co.op)の違法な増資による買収事件をめぐり、元会長で元党委書記のジエップ・ズン容疑者(男・52歳)が公務執行上の職権乱用容疑で逮捕された。ホーチミン市警察が16日に明らかにした。
同容疑者は同市共産党委員会常務部の決定により、これに先立つ7月に職務停止処分を受けていた。同事件では、外部の者がサイゴンコープへの出資権を持つ組合の名義を借りて同社に出資し、合作社法と同社の定款に著しく違反。同社は2020年1月に、この手口により資本金を3兆2000億VND(約145億円)から6兆7970億VND(約310億円)に増資しており、公的資産横領の痕跡も見つかった。
事件の発覚に伴い、この違法増資は同市計画投資局により無効とされ、問題の増資に係る企業登記証明書も回収された。
サイゴンコープは1989年設立のホーチミン市人民委員会傘下の企業。◇スーパーマーケット「コープマート(Co.opmart)」、◇ハイパーマーケット「コープエクストラ(Co.opXtra)」、◇ミニスーパーマーケットの「コープフード(Co.op Food)」、◇「コープスマイル(Co.op Smile)」、◇コンビニエンスストア「チアーズ(Cheers)」など複数の小売りチェーンを展開しており、国内における認知度が極めて高い。
市当局傘下の国営企業の中でパフォーマンスが特に高い企業として知られ、2019年の売上高は前年比+10%増の35兆VND(約1580億円)だった。