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- 「ザ・コーヒー・ハウス」の一部店舗
- 「電源をよく使う客に影響」と懸念
- 「1杯で居座る客は悩みの種」との指摘も
人気カフェチェーン「ザ・コーヒー・ハウス(The Coffee House)」のホーチミン市内の一部店舗で、利用客に開放されていたコンセントが塞がれたり、USBやライトニング(Lightning)ポートに変更されたりしていることが、カフェで仕事や勉強をする顧客層を中心に話題になっている。
「カフェで働く」という仕事スタイルが一般化した昨今、1日に8~10時間もカフェに居座る人も少なくない。特に同チェーンは、静かで快適な学習・作業空間を提供するように設計されており、カフェを仕事や勉強の場として利用する層に受けていた。
ハノイ市でフリーランスとして働くミンさんは、同チェーンの店舗でよく仕事をしている。広くて静かな空間に加え、多くのコンセントが設置されているため、ノートパソコンやスマートフォンを充電しつつ何時間も快適に仕事ができる理想的な場所だという。
「いつも4~6時間ほど仕事をしています。『ザ・コーヒー・ハウス』は仕事や勉強を目的に来る人が多く、静かな空間が保たれている点が特徴です」とミンさんは語る。
ミンさんは、ホーチミン市の一部店舗でコンセントが塞がれたという情報に懸念を示し、「他の店舗にも広がれば、私のように電源をよく使う客に影響があります」と話した。
同様にハノイ市在住のゴックさんは、「コンセントを塞ぐという行為は、長時間滞在する客をやんわりと追い出しているようなもの」と指摘する。「私は1日中カフェで仕事をすることもあり、充電できなければ仕事になりません。カフェは飲み物だけでなく空間や設備の提供も含まれているはず」と語った。
一方で事業者側の観点からは、同チェーンの対応には理解を示すべきで、「飲み物1杯で5~6時間も居座る客は、店にとっては悩みの種だ」と指摘する人もいる。
様々な意見が飛び交う中、同チェーンは25日、公式に声明を発表し、一部店舗で空間デザインを微調整しており、コンセントはエリアごとに設置し、顧客が自分のニーズに合ったスペースを選べるようにしていると説明した。
学習や仕事のためにコンセントを必要とする顧客には、より静かなスペースを提供し、会話やリラックスを目的とする顧客には別のエリアを用意するとしている。
同チェーンは2014年にグエン・ハイ・ニン氏が設立し、同氏のリーダーシップの下で急成長を遂げたが、同氏の退任以降、同チェーンの輝きは徐々に薄れつつある。最高経営責任者(CEO)も相次いで交代し、2021年に全国に約180あった店舗も現在は92店舗にまで減っている。
今年初めには地場外食チェーン最大手のゴールデンゲート(Golden Gate)が同チェーンを買収したことで、多くの人が持ち直しを期待したが、目に見える変化はまだ見られない。