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ホーチミン市で絵画の個展を無許可で開催したとして、同市人民委員会が画家に罰金を科すと共に全作品を処分することを決定し、大きな波紋を呼んでいる。市当局の対応は堅苦し過ぎるとして非難する意見が相次いでいる。
画家のブイ・クアン・ビエン氏(男性・43歳)は、当局から許可を得ることなく、フーニュアン区にあるアートギャラリー「アルファ・アート・ステーション(Alpha Art Station)」で抽象画の一連の作品を展示する個展「Improvisation(即興)」を開催した。開催期間は7月15日から30日までで、29作品を展示していた。
市の調査団は7月22日、個展の立ち入り検査を実施したが、展示作品には反体制的なものなどセンシティブな描写はなかったことが確認されている。
一方、同市人民委員会は、文化・広告分野の違反に対する行政処分について定める政令第38号/2021/ND-CP(2021年6月1日施行)第19条4項の「無許可の展示会開催」の項目に照らし合わせ、ビエン氏に2500万VND(約14万4000円)の罰金を科し、さらに全作品を処分するよう求めた。
同市文化スポーツ観光局は8月17日に記者会見を開き、「原則として、無許可の展示会での展示物は没収し、管轄機関の庁舎で証人の立会いのもと処分することになっているが、今回の件では市は作品を没収せず、ビエン氏に自ら処分するよう求めた」と明らかにした。
同局の提案のもと、同市人民委員会はこれに先立つ8月15日、同政令を策定した文化スポーツ観光省宛てに公文書を送付し、この中で無許可の展示会における展示作品の処分に関する規定を見直すよう要請した。
ビエン氏は今回の騒動について、「個展を開催するのに許可を取得する必要があるとは知らなかった。作品は自分の子供のようなもので、公序良俗などにも反していない。処分の決定に断固として抗議する」とコメントした。