ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

実父を毒殺して自宅を放火した21歳の娘に終身刑、検察は死刑求刑

2022/12/16 13:33 JST配信
(C)vnexpress
(C)vnexpress 写真の拡大.

 東南部地方バリア・ブンタウ省人民裁判所は15日、実の父親を毒殺したうえ、遺体を遺棄し、強盗殺人に見せかけて自宅を放火した娘に対し、終身刑を言い渡した。検察側は死刑を求刑していたが、裁判所は重大な犯罪であると認めたうえで、司法の人道性と寛大性を考慮した量刑を下した。

 終身刑となったのは、殺人や毒物の違法購入、財産を破壊した罪などに問われていたトン・ティ・トゥン・リン被告(21歳、同省在住)。裁判官らは6日間の審理を経て、検察側の求刑(死刑)より軽い終身刑の判決を言い渡した。

 また、リン被告にシアン化物を違法に売り渡したチャン・ティ・ゴック・トゥ被告(女・31歳、南中部高原地方ダクラク省出身)には、禁固2年の判決が下された。民事責任については、被害者側の代表から損害賠償の請求がなかったため、裁判所も責任を問わなかった。

 起訴状によると、日頃から叱られていたことで恨みを募らせたリン被告は、父親のトン・ホン・ディエップさん(54歳)殺害を計画。2021年9月、粉末状に砕いた睡眠薬をペットボトルの水に溶かして父親に飲ませたが、健康に影響はなかった。

 睡眠薬での殺害に失敗したリン被告は、インターネットで致死性のある毒物であるシアン化物について調べた。被告はシアン化物を入手するため、2022年1月18日に、化学薬品などを取り扱い「死神市場」とも呼ばれるホーチミン市5区のキムビエン(Kim Bien)市場を訪れ、店主のトゥ被告に「学校での実験で使う」と噓をついてシアン化物を購入。

 シアン化物を手に入れたリン被告は、ブンタウ市に戻ると、シアン化物を溶かした水を3本のボトルに詰め、飲料水に見せかけて冷蔵庫に入れた。約5分後、父親がペットボトルを取り出して中身のお茶を飲んだが、妙な匂いがしたので吐き出した。

 父親はトイレに駆け込み、ドアの鍵をかけて嘔吐。しばらくしてリン被告がドアをノックしたが、応答がなく、物音もしなくなったことで父親が死んだと判断すると、そのまま就寝した。翌19日朝、容疑者はトイレの鍵を壊して父親の遺体を庭に運び、レンガとセメントで覆い隠した。

 同日夜、さらに自宅にガソリンをまいて放火し、強盗現場に見せかけた。放火後しばらくしてから近隣住民に助けを求めた。警察の事情聴取では、「強盗犯の男に頭部を殴られて気を失っていた」と虚偽の供述をした。消火後、警察は現場に多くの不審な点が残されていることを発見し、すぐに父親の遺体も発見した。

 裁判中、リン被告は何度も泣き崩れて、自身の犯行が野蛮で残忍だったと認め、謝罪の言葉を口にした。被告と姉、母親は殺害された父親について、「善良な人物で一家の稼ぎ頭、子供たちを学ばせるために働いたが、日常的に妻子を叱りつけたり、手を上げたりすることがあった」と話しており、抑圧的な生活を送っていたと見られている。

 一方、父親側の親族らは、「被害者はよく酒を飲んだが、酔ったら寝るだけで、喧嘩するようなことはなかった。妻子に暴力を振るったという話も聞いたことがない」と話した。ただし、リン被告に対する量刑については、軽くすることを求めていた。

[VnExpress 15:57 15/12/2022,U].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
この記事に関連するおすすめの記事
新着ニュース一覧
越韓合作映画、興行収入1500億VND突破 海外でも公開へ (16日)

 8月1日に公開されたベトナム・韓国合作映画「Mang Me Di Bo(英題:Leaving Mom)」が14日、公開2週間で興行収入1500億VND(約8億4000万円)を突破した。  8月は祝日もなく、映画館の観客も少ないことから映画...

世界とアジアのベストアクティビティ、ベトナムから多数選出 (16日)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、トラベラーズチョイスアワードの「ベスト・オブ・ザ・ベスト・アクティビティ」2025年版を発表した。  部門別ランキングのベトナ...

ラム書記長、カンボジア人民党フン・セン議長と電話会談 (15日)

 カンボジア側の要請により、ベトナム共産党のトー・ラム書記長が14日、カンボジア人民党(CPP)のフン・セン党首 兼 上院議長と電話会談を行った。  両党首は電話会談で、両党と両国の情勢について報告し、こ...

父親から受け継いでこの道40年、「時」を修理する男性 (10日)

 ホーチミン市在住のグエン・クオック・フンさん(男性)は、40年以上にわたって時計の修理を生業にし、家族を養い、3人の息子を大学に通わせ、立派に育て上げた。  フンさんの店の名前が「グエン」(※名字のグ...

フンイエン省:自由経済区を設立へ、既存の経済区を基盤 (15日)

 北部紅河デルタ地方フンイエン省はこのほど、政府作業部会との会合で、フンイエン省の地理的・経済的利点を最大限に活用して北部紅河デルタ地方の新たな成長エンジンとすべく、自由経済区の設立計画を提案した...

ホーチミン:4つの自由貿易区の開発を計画、政策面の課題も (15日)

 ホーチミン市は、経済成長の起爆剤として4つの自由貿易区(FTZ)の開発を計画している。しかし、税制や投資優遇、土地利用などに関する独自の制度が整備されていない、もしくは現状に適合していないため、政策面...

「ハッカン」飼育販売で農民に有罪判決、判決破棄し再捜査へ (15日)

 キジ目キジ科に分類される鳥類の一種である「ハッカン(学名:Lophura nycthemera)」に関する保護規定違反で、禁固6年の有罪判決を受けたタイ・カック・タイン被告(男・45歳、北中部地方ゲアン省在住)について、...

ベカメックスIDC、釜山港湾公社と提携 港湾インフラ開発などで (15日)

 釜山港湾公社(BPA)は13日、工業団地開発大手ベカメックスIDC[BCM](Becamex IDC)との間で、戦略的パートナーシップ関係の構築に向けた覚書(MOU)を締結した。  MOUに

ホーチミン:メトロ1号線で女性が痴漢被害、35歳男の身柄を確保 (15日)

 ホーチミン市ベンタイン街区警察は現在、同市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)の車内で痴漢行為を働いた疑いがある男(35歳)の身柄を確保し、調査を進めている。  痴漢被害を訴えている...

鶏卵価格が急騰、生産農家は歓迎 供給過剰の恐れも (15日)

 ベトナムでは、鶏卵の価格がこの1か月で2倍に急騰している。価格低迷で苦しんでいた生産農家は利益が出ると歓迎しているが、鶏の補充が行き過ぎれば、供給過剰で価格が再び下落する恐れがあるとの声も出ている...

BIDV、韓国ハナ銀行とデジタル金融強化 越境QRコード決済提供へ (15日)

 韓国のハナ金融グループ(Hana Financial Group)のハナ銀行(Hana Bank)はこのほど、ベトナム投資開発銀行[BID](BIDV)との間で、韓国とベトナムの間で推進するデジタル金融事業におけ

ベトナムのモバイルゲーム、世界でダウンロード数好調 (15日)

 モバイルアプリ向けのマーケットインテリジェンスを手掛けるアップマジック(AppMagic)の統計によると、2025年1~6月期におけるベトナムのモバイルゲームの西欧でのダウンロード数は4200万件を超え、パズルジャ...

ベトナム建国80周年で祝賀ムード、愛国グッズが人気 (15日)

 8月革命記念日80周年(1945年8月19日~2025年8月19日)および建国記念日80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)の祝賀ムードが各地で広がりを見せている。国旗がプリントされたお馴染みの赤シャツや各種アクセサリー...

駐韓国ベトナム総領事館を釜山に開設、地方間の協力強化に期待 (15日)

 韓国の釜山(プサン)市で13日、駐韓国ベトナム総領事館の開設式典が行われた。式典には、同国を公式訪問していたトー・ラム書記長が出席した。  駐釜山ベトナム総領事のドアン・フオン・ラン氏は、同総領事...

「日IN越アート展示文化祭」、ハノイで10月開催 作品募集中 (15日)

 ベトナム在住日本人がアート作品やステージパフォーマンスを披露するイベント「日IN越アート展示文化祭」が、10月18日(土)から24日(金)まで、ハノイ市のベトナム女性博物館(Bao tang Phu nu Viet Nam、36 Ly Th...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved