ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ハノイ:伝統の「シクロ」が頭痛の種に

2023/05/31 14:05 JST配信
(C) danviet
(C) danviet 写真の拡大.

 ハノイ市旧市街の細い道々をゆっくりと走るシクロが、交通に影響を与える様々な問題の種となっている。

 旧市街を歩くと、客待ちをするシクロの集団をよく目にする。シクロ運転手の大半は地方出身の、この仕事を長年している高齢者だ。だがそんな伝統のシクロは近年、ほとんど使う人のいない「忘れられた」乗り物と化している。

 長年この仕事をしてきたカーさん(男性・63歳)は、大きな変化を目の当たりにしている。「この仕事をして30年あまり経つが、2000年代と比べて、お客さんの数は10分の1。1日に数万VND(1万VND=約60円)しか稼げない日もある。昔は多くの道を走れたが、いまは観光地のホアンキエム区しか走れない」。

 ハノイ市内では現在、旅行会社の管理するものとして260台あまりのシクロの活動が許可されている。乗客は主に外国人観光客であるものの、観光客でさえ、速度の遅いシクロは敬遠しがちだ。

 コロナ禍を経て、観光客は安定的に戻り始めているものの、シクロ運転手が暇を持て余す状況には変化なく、客を求めてシクロ運転手は旧市街を駆けまわる。敬遠されているシクロではあるが、ホアンキエム区に限って見ると台数はかなり多く、この状況が、街の交通の頭痛の種になっている。

 ホアンキエム湖沿いのディンティエンホアン(Dinh Tien Hoang)通りでは、多くのシクロが路上で客待ちしており、ハンバック(Hang Bac)通り、ハンマー(Hang Ma)通り、ハンチェウ(Hang Chieu)通りなどでも同様だ。

 シクロは遅く、数珠つなぎで走るため交差点では渋滞が生じ、他の車両に道を譲ろうともしない。「小さな通りに外国人観光客を乗せた十数台のシクロが並んで走ったら、渋滞しないほうがおかしい。個人的にはシクロを維持すべきだと思うが、週末など往来が少ない日に限った方がよいと思う」と旧市街に住む女性は話す。

 シクロが交通に及ぼす影響を解決するため、2019年にハノイ市はシクロに対するナンバープレート発行の中止を決定し、シクロの活動も禁止することを検討していたが、現在もなお禁止には至っていない。

[Dan Viet 07:39 25/05/2023, F].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホーチミン:郊外のブドウ園カフェがSNSで話題に (10:40)

 ホーチミン市トイアン街区(旧12区)にオープンしたブドウ園カフェがソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上で人気を集めている。都会の喧騒を離れ、頭上を生い茂るブドウの房を眺めながら、冷たいコーヒ...

ハノイ:「オペラハウスの115年」特別プログラムを開催 (9:28)

 ハノイ市の市民劇場(オペラハウス)はこのほど、劇場落成115周年を記念した特別プログラム「光とテクノロジーで語るオペラハウスの115年(115 nam Nha hat ke chuyen - di san cat loi bang anh sang va cong ngh...

26年のGDP成長率目標+10%以上、国会決議 (14日)

 国会は13日、2026年の経済社会発展計画に関する決議を採択した。決議では、15の主要目標と、11の重要任務および対策を規定している。  主な経済指標の目標は、◇国内総生産(GDP)成長率:+10%以上、◇国民1人...

ホーチミンの市場とともに生きる:ニティエンドゥオン市場 (9日)

 ホーチミン市の伝統的な市場は、少しずつ過去のものになりつつある。市場では、年を取った商人たちが屋台のそばに座り、にぎやかで慌ただしい現代の中で、記憶の炎を静かに守り続けている。  タンディン市...

ホーチミン:野菜価格が高騰、長引く雨で供給途絶 (14日)

 ホーチミン市では現在、長引く雨の影響により野菜の供給量が大幅に減少し、価格が急上昇している。この値上がりは家計を直撃し、飲食業や小売業者も苦境に立たされている。  市内のホックモン卸売市場とト...

ビンバス、国内初の電動スクールバスサービスを開始 (14日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製EV・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・モビリティ(GSM

米モトローラ、ベトナム市場に再参入 スマホ5機種投入 (14日)

 米モトローラ(Motorola)が、ベトナムのスマートフォン市場に復帰した。同社は5機種の新型スマートフォンを投入し、本格的に再参入を図る。  投入されたのは、「Motorola Razr 60」、「Motorola Edge 60 Fus...

国産ブロックチェーンプラットフォーム「オナスチェーン」登場 (14日)

 オナスチェーン・ブロックチェーン・テクノロジー(OnusChain)は11日、南中部地方ダナン市で国産ブロックチェーンプラットフォーム「オナスチェーン」を発表した。  同プラットフォームは、教育機関、企業、...

地場ミンタックグループ、韓国電力技術と提携 洋上風力発電事業で (14日)

 韓国電力公社(KEPCO)の子会社で、発電所の設計や建設などを手掛ける韓国電力技術(KEPCO Engineering & Construction Company)は10日、再生可能エネルギー事業の開発や投資を行うベトナムのミンタックグループ(M...

チュングエン・レジェンド、ホーチミン中心部に新店舗をオープン (14日)

 地場大手コーヒーメーカーのチュングエングループ(Trung Nguyen Group)傘下のチュングエン・レジェンド(Trung Nguyen Legend)は11日、ホーチミン市サイゴン街区パスツール(Pasteur)通り164番地に新店舗「チュン...

プルマンホテルでの違法賭博事件、官僚ら被告141人に有罪判決 (14日)

 ハノイ市人民裁判所は12日、2024年6月にハノイ市のホテル「プルマン・ハノイ(Pullman Hanoi)」内のクラブ「キングクラブ(King Club)」で摘発された賭博事件の被告141人に有罪判決を下した。  キングクラブ...

クオン国家主席、初訪越のヨルダン国王と会談 (14日)

 ルオン・クオン国家主席は12日、ベトナムを公式訪問したヨルダンのアブドッラー2世国王陛下と会談した。国王のベトナム公式訪問は、両国が外交関係樹立45周年(1980年~2025年)を迎える中で行われたもの。  ...

ロシア製抗がん剤、保健省がベトナムでの流通許可 (14日)

 保健省医薬品管理局はこのほど、ロシア製抗がん剤「ペンブロリア(Pembroria)」に対して、ベトナムでの流通登録証明書を発行した。  主成分はペンブロリズマブ(Pembrolizumab)で、肺がんや黒色腫、大腸がん...

ラオカイ省人民委主席がニンビン省人民委主席に転任 (14日)

 西北部地方ラオカイ省人民委員会主席を務めていたチャン・フイ・トゥアン氏は12日午前、書記局の決定により、北部紅河デルタ地方ニンビン省共産党委員会副書記(2025~2030年任期)に就任した。  また、同日...

FPTとヤマト運輸、ベトナム人大型トラックドライバー育成で協業 (14日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)とヤマトホールディングス株式会社(東京都中央区)傘下のヤ

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved