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ハロン湾の観光船事故、少年の命を救った隊員が救出劇の瞬間を語る

2025/07/25 16:26 JST配信
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  • 37人死亡、2人行方不明の海難事故
  • 船内から10歳男児を奇跡的に救出
  • 男児救出の隊員は台風ヤギでも人命救助

東北部地方クアンニン省のハロン湾で19日午後に観光船「ビンサイン58号(Vinh Xanh 58)」が転覆した事故で、転覆した船内から10歳の男児を救出した同省警察傘下の消防救難救助隊の隊員2人が地元メディアの取材に応じて、救出の瞬間を振り返った。

 観光船には、観光客46人と乗組員3人の計49人が乗船していた。事故では10人が生存したが、これまでに37人の死亡が確認され、残る2人は依然として行方不明となっている。

 転覆した観光船から男児を救出したのは、ドー・ニャン・トゥアン上尉とグエン・バン・ニャット中尉。両名はビンサイン58号が転覆後、最初に船体に接近して救出活動に当たった部隊の隊員たちだ。到着時点で船は転覆しており、ニャット中尉は船底をハンマーで叩き、要救助者に救助隊の到着を知らせた。

 その後、中尉は腰に命綱を着けた状態で船体の窓に近づき、ハンマーでガラスを割って船内に入った。船内は真っ暗で、ほとんど浸水していた。中尉は懐中電灯の灯りを頼りに、水面に浮かんだテーブルや椅子を掻き分けながら生存者を探した。

 その時、「助けて!僕はまだ生きています!」という男児の助けを呼ぶ声が船内に響き渡り、中尉は声のする方へと急いだ。中尉は男児の発見時を振り返り、「男児はパニック状態でした。体は水浸しで、顔はエンジンオイルで汚れていました。懐中電灯の灯りに気付いた男児が私のところまで泳いできたので、すぐに安全な場所まで避難させました」と語った。

 中尉が生存者を救出したのを確認した上尉は、浮き輪を使って男児をボートに引き上げた。ボートに乗った後も男児は寒さと恐怖で震えが収まらず、か細い声で「助けて、助けて」と言い続けた。上尉は男児をなだめながら、「他に船内に取り残されている人はいるかい?」と訊き、男児は「誰もいません」と答えた。その後、上尉は男児を救助艇まで運び、体を温めるために服を着替えさせた。

 男児の救出後も救助隊は夜通し捜索を続け、船内から多くの遺体を回収した。なお、今回、男児を救出した隊員2人は、2024年にベトナム北部を襲った台風3号(アジア名:ヤギ)でも漁船から漁師3人を救出しており、その功績が評価されて公安相から表彰されたことがある。

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