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高騰する土地、足りない墓地

2005/01/15 13:37 JST配信

 現在ホーチミン市の土地は高騰しており普通の庶民とって持ち家を持つのはおろか、この先将来土地を購入することさえも困難な状況にある。こうした中、地価の上昇に伴い墓地の値段も急上昇し、持ち家はもう諦めたが自分の入るお墓だけは大丈夫だろうという期待も徐々に遠のいている。

 ホーチミン市には2つの大きな墓地があり、Binh Chanh県にあるBinh Hung Hoa墓地が市内最大の墓地である。しかしここでも土地バブルならぬ“墓地バブル”による投機で墓地の買い占めが行われ、買えるのはすでに買い占められた区画の転売物件を探すという道しか残っていない。

 同墓地に赴くとあちらこちらから仲介人の声がかかる。“お墓を探してるんだね?”、ここで試しに値段を聞いてみるとその仲介人は間髪入れず“1区画800万ドン(約5万3300円)だよ”と言ってのけた。数年前にはここは市内でも最も手軽に区画が購入できる墓地で1区画60万ドン(約4000円)だったが、その値段もいまや10倍以上になっている。

 Thu Duc区にあるGo Dua墓地でも用地価格が急騰しており、以前350万~600万ドン(約2万3000~4万円)だったのが現在では700万~1500万ドン(約4万7000~10万円)にもなっている。このほか公営の墓地だけでは足りず郊外には次々に私営墓地が出現しており、これら私営墓地の場合は墓地内のあまり場所のよくない区画でも土地代だけで600万~700万ドン(約4万~4万7000円)、墓地建設費用込みだと900万~1200万ドン(約6万~8万円)となり、さらに場所のよい区画だと価格は1400~1500万ドン(9万3000~10万円)となり、2年前から約200~400万ドン(約1万3000~2万7000円)高くなっている。

 ホーチミン市環境社によるとBinh Hung Hoa墓地とGo Dua墓地はともに人気があり、特にGo Dua墓地(Thu Duc区)は高台にあり交通の便もよいため現在、多くの人々が亡くなる数年前やある人は数十年前から自分用の墓地用地を確保しており既に完売しているという。

 一方、先ごろBinh Chanh県に完成した総面積7.5ヘクタール5878区画の墓地用地を擁するDa Phuoc墓地は、墓地の“青田刈り”現象を防ぐための購入制限や墓地内通路に木々を配置するなど工夫を凝らし多くの人々の関心を集めている。

 同墓地では他の墓地がこれまで自由に販売してきた墓地用地を埋葬許可書所持者に限り販売することや、墓地建設のサンプルを展示し価格も公開するなどオープンかつ厳格なルールを持って経営を行っている。このような規定があるためここでは他の墓地のように“墓地に入れば仲介人にあたる”といったこともない。

 しかし、だからといって値段が安いかというとそういうわけでもない。この墓地の価格表によると、子供用墓地用地(1.2mx0.8m)が315万ドン(約2万1000円)となっているほか、それぞれ標準墓地用地(2.2mx1.2m)=930万ドン(約6万2000円)、大型墓地用地(2mx3m)=2510万ドン(約16万7000円)となっている。このほか墓地建設費用も3種類あり、一番手軽なもので(漆喰・塗装、一部タイル張)=460~850万ドン(約3万1000~5万8000円)、標準(総タイル張)=1000~1300万ドン(約6万7000~8万7000円)、高級(御影石)=2000万~3450万ドン(約13万3000~23万円)となっている。

 これ見ると、土地高騰の影響で一般庶民は持ち家はおろか、墓地用地もこつこつ貯金しやっと自分の入る場所を確保できるといったなんともわびしい状況となっている。

ホーチミン市内墓地用地の現状

 現在ホーチミン市には1200ヘクタールの墓地用地があり、うち100ヘクタールが公営、残りの1100ヘクタールが市内各地に点在する地元の墓地または私営墓地である。市建築計画局によると、2020年までにはホーチミン市の人口は1000万人を越し、年間4万人が亡くなると予想しており、さらにそのうち8000人は故郷で埋葬されるが残り80%の3万2000人は同市で埋葬されると予想している。

 現在1基あたりの墓地用地面積が15平米ということから計算すると毎年30ヘクタールの用地が新たに必要となり、50年後までには合わせて1440ヘクタールの用地を確保する必要があるという。

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