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ホーチミン:市バス路線拡充の裏で

2004/09/24 11:32 JST配信

 ホーチミン市では近年市内の交通渋滞緩和を目的とした積極的な市バスの導入を行っており、現在市バスの路線数は80路線までになっている。しかし一方渋滞緩和のためのバスが渋滞を引き起こしているという笑えない話もある。

 数年前までのホーチミン市の市バスと言えば路線数は少なく、発車間隔もまちまちで乗客はいつも少なく、なんとなく存在する日のあたらない存在だった。しかし安価な中国製バイクの発売により一家に一台だったバイクが一人一台になり、市内にはあっというまにこれまでの何倍ものバイクがなだれ込み渋滞の洪水と化した。

 その時市交通当局が真っ先に目をつけたのがこれまで日陰に追いやられていたであった市バスだった。それ以降市バス路線の充実を短期間で強化し、大通りから近所の小さな通りにまで市バスの活動範囲は広がり今や道を走れば市バスにあたるほどである。

 確かにバスは着実に市民の足となり、特に雨期には重宝されているのは事実だが、交通渋滞緩和という当初の当局の目標を達成したかというとこれはまた別問題なのである。

 バス路線の拡充を第一に掲げバスが大通りから小さな通りにまで入り込んでくると、一度に多くの乗客を運べる便利なバスも目の前に立ちはばかる大きな鉄の塊になり、バスが乗客を乗降りさせるためにバス停に止まるたびにその鉄の塊の後ろでは何十台ものバイクが行く手を阻まれ渋滞が起きている。また急な右寄せをしあやうくバスと歩道との間に挟まれてしまいそうになるケースもあとをたたない。

 市内の道は狭く、また近年の地価高騰により立ち退き補償金がかさみなかなか道路の拡張ができないでいる状況の中、路線数を充実するだけでは直接渋滞緩和に結びつかないばかりか逆効果だという場合もあるだろう。さらに新路線開設のニュースはあるが路線閉鎖のニュースにはあまりお目にかかったことはない。当局はぜひ路線ごとに調査を行い、適切なバスルート開設に力を入れてもらいたい。

 市交通当局はこれより市バス路線を100路線まで拡充する方針を既に固めており、もはやすべてのバスルートの把握さえ難しいほど路線数は増えている。一方、大量輸送で渋滞緩和が目的のため新車のバスはすべて大型バスばかり。狭い市内の道、適材適所で中型、小型バス導入もあってもいいのではないだろうか。

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