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海外治療:増えるベトナム人利用者と医療サービス拡充の必要性

2005/09/05 08:07 JST配信

 近年、タイやシンガポールで健康診断、診察、手術などの医療サービスを受けるベトナム人の数が急増している。これは富裕層が増加したことや、それにともなう食生活の変化などが原因として挙げられる。

 バンコク病院(タイ)は2000年、ホーチミン市に代表事務所を設立した。ベトナム人の海外治療利用者は2003年に195人、2004年には210人、そして今年は7ヶ月間だけで既に135人と、利用者が増え続けている。「相談に訪れる人の数はこの2,3倍はあり、需要の潜在性を伺わせる」と代表事務所職員のブ・フウ・ドンさん。

 このほか同じくホーチミン市内に代表事務所を設けている、ブンルングラッド国際病院(タイ)も2003年から04年で利用者数は3.6倍になったという。このほかホーチミン市にある仏越病院でも、9月14日からSingapore National Heart Centerと提携し、医療サービスを行なう。患者の病状はすべて事前に相手先に伝えられており、シンガポールに到着したらすぐに治療や手術が開始されるようになっている。また、ベトナム帰国後のアフターケアーも仏越病院で受けられる。

 海外治療の利用者は主に次の方法で現地に到着する:1つ目は自費で航空券を購入し、直接現地の病院に行くパターンと、2つ目は重病または、歩行困難などが理由でチャーター機で行く場合だ。

 しかし、2つ目のチーャター機と行っても、ベトナムにはまだ医療用ジェット機はない。今のところこのサービスを利用するにはタイやシンガポールから呼び寄せるしかないという。ベトナム国内3ヶ所(ハノイ、ホーチミン、ブンタウ)で医療サービスを展開するOSCAT/ATAベトナム社の場合も同様だ、緊急の海外治療が必要な時にはシンガポールまたはバンコクで待機しているSOSインターナショナル所有のジェット機を呼び寄せている。

 こんな中、外国企業が医療用ジェットサービスに参入予定だ。この会社はオーストラリアのグローバル・エア・サービス社(GAS)で、現在海外搬送ジェットサービスを計画中だ。同社では1機あたり250万米ドルする専用小型ジェット機を導入する予定で、将来的には3機体制で業務を行なうという。

 外国人がベトナムの大都市で生活する場合、ある程度のものは揃うようになった。しかし医療サービスはというと、まだまだ近隣諸国とは差がある。GASのサービスが導入されれば緊急時の搬送体制は整うが、病気や怪我というのはいつ突然襲ってくるかわからない。自国民も海外に出て治療を受けている現実から容易に推し量れるように、充実した国内医療施設の整備が今ベトナムには求められている。

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