ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

アメリカで政治参加目指すフォー店主人

2006/11/26 07:07 JST配信

 フォーの店「グルメ」が米ヴァージニア州マナサスの人々にこれほどまでに知られるようになったのは、決して偶然というわけではない。この店はワシントンポスト誌やタイム誌にも取り上げられたことがある。オーナーはこの地域では知られた存在のチュン・ティンさん。彼はブッシュ大統領の選挙戦に協力し感謝状をもらったこともある。

 昼夜を問わず、特に週末この店は大忙しだ。地域の飲食店のトップ10にランクインしたことの影響はもちろんだが、それだけではないようで、開店して6年たった今も評判は上がり続けている。

 オーナーのチュン・ティンさんは以前、ガソリンスタンドの店長や電化製品の販売員をしていたが、料理好きとベトナム料理を広めたい一心でフォーの店を開くことを決めたという。

 オーナー自らお客さんに接してニーズを聞き取ろうとする店はこの地域でも珍しい。少し前までは人件費を節約するため、ティンさん自身が調理や接客や売り上げの管理まで全てをこなしていた。その経験が広報やマーケティングなど経営にまつわるノウハウを得るのに大変役立ったという。

 店のしつらえはベトナムを充分に意識したものになっている。各テーブルの間には竹でできた仕切りがあり、ベトナムの田舎の風景画や詩が掛けられている。ティンさんはベトナムの友人に頼んで「フォー」という文字とともにベトナムの農村女性が描かれた看板を作ってもらったという。

 政治活動への参加については、2004年の大統領選挙でブッシュ大統領のキャンペーンに積極的に参加。最も苦戦を強いられたヴァージニア州で多大なる貢献をしたため、再選後ブッシュ大統領の親類から感謝の印としてホワイトハウスでのパーティーに招かれた。

 店の経営の他、ティンさんは地域活動や政党活動にも積極的に参加している。エデンで電化製品の店をやっていた時、彼は仲間たちと一緒に、小規模店舗の主人らに団結を呼びかける記事をエデン・ニュースへ掲載したりしていた。彼いわく、ベトナム人の弱点は海外における団結力の低さと資金不足で、こういった点では韓国人や中国人にはかなわないという。

 彼はベトナム料理をアメリカ全土に広めていくために、経験の共有や事業の拡大を目的とする「フォー会」を発足させる予定だという。アメリカ人にベトナムの伝統料理を知ってもらうことによってベトナム人が地域へ溶け込むことを促す活動の傍らで、政治活動への参加にももっと注目すべきだと彼は考えている。第一世代が無理なら次世代以降でもいいから、ベトナム人の政治家が現れることが望みだ。在米ベトナム人コミュニティが和解のプロセスを阻むような活動をやめてもっと将来への投資を増やせば、アメリカ社会への浸透度もより高まるだろう。

[2006年10月21日 Thanh Nien 電子版].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ベトナム人ラッパーがNFTで音楽アルバムを発売、国内初 (5日)

 ベトナム人ラッパーのPjpoは6月3日、NFT(非代替性トークン)マーケットプレイスの「ダゴラ(Dagora)」と協力し、NFT形式で音楽アルバム「131km」をリリースした。  NFTでの音楽アルバム発売はベトナムで初め...

ダナン:ヘリコプター遊覧ツアーを3年ぶり再開 (5日)

 南中部地方ダナン市で2日、ヘリコプター遊覧ツアーが正式に再開された。  国防省ベトナムヘリコプター総公社(VNH)傘下の北部ヘリコプター(VNH North)が運航するもので、景観鑑賞と最新の航空技術体験を融合...

北部最大のテーマパーク「ビンワンダーズ・ブーイエン」が開業 (5日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)は1日、北部紅河デルタ地方ハイフォン市ブーイエン島(dao Vu Yen)に北部最大規模となるテーマパーク「ビンワンダーズ

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【後編】 (6/29)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

小型EVタクシー「レッツゴー」、開業1年で500万人輸送 (4日)

 小型電気自動車(EV)タクシーに特化した「レッツゴー・タクシー(Let’s Go Taxi)」は、2024年5月にサービスを開始してから1年間で約500万人を輸送し、走行距離は1500万kmに達した。  レッツゴー・タク...

テトラパック、ホーチミンで食品用紙容器工場の第2期を落成 (4日)

 食品用紙容器の開発・製造を手掛けるスウェーデンのテトラパック(Tetra Pak)は3日、ホーチミン市ビンタン街区(phuong Vinh Tan)の第2ベトナム・シンガポールA工業団地(VSIP2-A)工業団地にある食品用・飲料用紙...

サングループ、ホーチミンで社会・都市交通インフラ整備を提案 (4日)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)はこのほど、ホーチミン市人民委員会に対して、社会インフラおよび都市交通インフラに関する複数の大型プロジェクトの投資を提案した。これらの案件は官民パー...

地場NCS、AI活用のサイバーセキュリティエコシステムを発表 (4日)

 ベトナム国家サイバーセキュリティテクノロジー(Vietnam National Cyber Security Technology Corporation=NCS)は2日、企業や組織のセキュリティ対策を強化するための人工知能(AI)を活用したサイバーセキュリ...

クアンニン省:年末まで毎週末に打ち上げ花火を実施 (4日)

 東北部地方クアンニン省人民委員会は、同省文化スポーツ観光局の提案を受け、2025年7月4日から2026年1月1日までの毎週末(金・土)に、打ち上げ花火を実施することを決定した。地元住民や観光客向けのイベントと...

FPT、AIエージェント教育プログラムを導入 インド企業と提携 (4日)

 ベトナムを代表するIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は1日、インドの情報技術(IT)教育組織ジェットキング(Jetking)との間で、人工知能(AI)エージェント教育プログラムの

AI関連の地場スタートアップ「AI Hay」、1000万USD調達 (4日)

 人工知能(AI)を活用した検索プラットフォームを開発する地場スタートアップのAIハイ(AI Hay)はこのほど、東南アジアを中心にテクノロジー分野のスタートアップ企業に投資するアルゴー・キャピタル(Argor Capita...

6月のベトジョー記事アクセス数ランキング (4日)

 VIETJOベトナムニュースが6月に配信した記事のアクセス数ランキングをご紹介します。 1位:個人事業主への電子請求書義務化、店舗が敬遠で現金決済に逆戻り

6月のベトジョー記事10選:省・市再編の決議採択、国会閉幕など (4日)

 6月は、第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議が閉幕しました。今国会では、34本の法律を可決し、14本の決議を採択しました。  国会では、全国63省・市の行政区を大幅に削減して34省・市とする行政区再...

クアンガイ省:ズンクアット経済区で新都市区開発、投資方針承認 (4日)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、南中部地方クアンガイ省ズンクアット経済区内でのズンクアット東南新都市区北側・南側の2件の開発案件の投資方針を承認する決定に署名した。  ズンクアット東南新都市...

ベトナム航空、ダナン~大阪線を約5年ぶり運航再開 (4日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は3日、2020年以来約5年ぶりにダナン~大阪線(VN336/VN337)の運航を再開した。同路線は週4便の運航となる。  ベトナム航空は同

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved