ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナム人創作折り紙作家ズイ・グエン

2007/12/23 08:27 JST配信

 ネットサーフィンをしていたら、ベトナム人創作折り紙作家ズイ・グエン(Duy Nguyen)の新刊「折り紙デラックスブック&ギフトセット」(スターリング社、2007年11月出版)を偶然見つけることができた。ズイ・グエンはベトナム系アメリカ人で、現在ワシントン州エベレット在住、今回の本は彼の18番目の作品集だ。

 彼の折り紙本は、ジャングルに住む動物、水生動物、鳥類、恐竜といったようにテーマごとに分かれていて、その範囲は広く空想上の動物にまで及んでいる。以前に出版した「ドル札を使った折り紙」と「ドル札を使った紙飛行機」という2冊の本では、お札を使うという斬新な方法を打ち出したが、今回はのりやはさみを使った創作折り紙を紹介している。

 「シアトルタイムズ」紙のインタビューによると、彼は10歳のころ折り紙に熱中しすぎて、先生に怒られたのだという。先生は折っていたものを取り上げて、「こんなことは時間の無駄です。これでは食べていけないでしょう」とクラス全員の前でしかった。その後長い間、彼は折り紙に触れることを自らに禁じていた。1977年にアリゾナへ引っ越してからのある日、彼は宇宙戦争がテーマの映画を見にいった。「それを見ていたら急に折り紙熱が目を覚ましました。映画の登場人物を折ってみたくてたまらなくなったのです」

 それでも、先生に言われた言葉が気になって仕方がなかった。彼は堅実な仕事に就くため、専門学校と大学で設計学と建築学を学ぶことにした。その後アリゾナの会社に就職し、何本もの橋の設計に関わるが、その際折り紙で試作して完成時の見栄えを確かめるようになった。やがて彼は終業後にパソコンを使って折り紙の折り方を紹介する本を書き始め、カラーで仕上げたその原稿をニューヨークの出版社スターリング社に送る。こうして2001年12月、彼にとって初めての創作折り紙本「ファンタジー・オリガミ」が出版された。それ以降、これまでに18冊もの折り紙本が刊行されている。

 彼は会社を退職し、家族と共に現在の住まいであるエベレットに転居、折り紙本の執筆や展覧会開催などで忙しい日々を送っているという。最後にズイ・グエンはこう語った。「今でも子どものようなものです。母にはいつも『大人になりなさい』と言われていましたが、今ならこう答えるでしょう。『折り紙はお金を稼ぐためだけのものじゃないんだ。社会に貢献するものなんだよ。きっと10年後にも僕の本はすたれていないはずだよ』とね」

[Thanh Nien online, 16:00:00, 24/11/2007].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
越米の第3回相互関税交渉が終了、建設的な進展を確認 (17:54)

 ベトナム商工省は、ベトナムと米国が米ワシントンD.C.で9日から12日まで実施していた相互関税の二国間協定に関する第3回交渉を終了したと発表した。  今回の交渉は、全体として建設的かつ前向きに進展し、...

広告法の一部改正・補足など法律3本可決、広告の取り締まり強化 (17:32)

 国会は16日、◇広告法の一部を改正・補足する法律、◇改正雇用法、◇教師法の3本の法律を賛成多数で可決した。いずれも2026年1月1日に施行される。 <広告法の一部を改正・補足する法律>  広告法の一部を...

国防省、全国のドローン飛行禁止・制限エリアを公表 (17:28)

 国防省は15日、全国の空域におけるドローンなどの無人航空機およびその他の無人機の飛行禁止エリアと飛行制限エリアを公表した。  飛行禁止・制限エリアの詳細は、専用ウェブサイト<https://ca

世界のベトナム人街を訪ねて【プラハ編・後編】 (15日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

国会、改正法人税法を可決 10月1日施行 (14:17)

 国会は14日、改正法人税法を賛成多数で可決した。同法は2025年10月1日に施行される。  今回の改正では、企業が複数の異なる優遇措置の対象となる場合、「最も有利な優遇措置」を適用することを原則とする規...

ECショッピー、7月から全国で商品送料無料プログラムを開始 (13:48)

 シンガポール系電子商取引(eコマース=EC)プラットフォーム「ショッピー・ベトナム(Shopee Vietnam)」は、7月1日から全国で商品送料無料プログラムを開始する。  対象は15kg未満の商品で、都市部・地方を問...

韓国IT素材メーカー、ハイフォンに負極材向け材料工場を設立 (13:20)

 韓国のIT素材メーカーであるイノックス(INNOX)の子会社で、車載用二次電池関連製品を製造するイノックスエコエム(INNOX Ecom)は、北部紅河デルタ地方ハイフォン市で負極材用一酸化ケイ素(SiO)工場を竣工した。 ...

ベトナム、BRICSのパートナー国に正式承認 10か国目 (6:19)

 ベトナム外務省は14日、ベトナムが新興経済国グループ「BRICS」のパートナー国に正式承認されたことを明らかにした。発展途上国の声や役割を高め、国際協力と包摂的な多国間主義を推進することを目的としている...

ベトナムとスウェーデン、科学技術などで戦略的パートナーシップ (6:03)

 スウェーデンを公式訪問したファム・ミン・チン首相は現地時間13日、同国のウルフ・クリステション首相と会談し、両国関係を科学技術・イノベーション分野における戦略的パートナーシップへと格上げすることで...

第8回ベトナム語検定、過去最多の917人が受験 1級も初実施 (5:50)

 特定非営利活動法人日本東南アジア言語普及交流協会(J-TAG)は15日、日本外国語専門学校で第8回「実用ベトナム語技能検定試験(ViLT)」を実施した。今回の受験者数は917人で、過去最多を更新した。  同試験は...

ベトナム航空、ロンタイン空港で航空サービス関連施設2案件を着工 (5:28)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、傘下の2社とともに、東南部地方ドンナイ省で建設中のロンタイン国際空港の航空サービス関連インフラ案件2件の着工式を開催した。投資

ベトナムの「低炭素米」、日本に次いでオーストラリアにも輸出へ (4:13)

 南部メコンデルタ地方カントー市のチュンアンハイテク農業[TAR](Trung An Hi-Tech Farming)は、5月に日本市場に「低炭素米(low carbon rice)」500tを輸出した。これに続いて10月ま

東ソー、ベトナム子会社を設立 27年春に稼働予定 (3:51)

 総合化学メーカーの東ソー株式会社(東京都中央区)は13日、同社100%出資のベトナム子会社「トーソー・ベトナム・ポリウレタン」を2024年4月4日付けで東南部地方バリア・ブンタウ省第3フーミー特別工業団地に設...

第4回日越海洋協議を開催、海洋秩序の維持で緊密に連携へ (2:49)

 13日、第4回日越海洋協議が東京で開催された。今回から局長級に格上げされ、日本側から柏原裕外務省南部アジア部参事官、ベトナム側からチャン・バン・トゥイ外務省国家国境委員会副委員長などの関係者が出席し...

デジタル技術産業法を可決、デジタル資産とAIの法的根拠を制度化 (16日)

 国会は14日、デジタル技術産業法を賛成多数で可決した。同法は2026年1月1日に施行される。これにより、デジタル資産と人工知能(AI)に関する法的根拠が初めて制度化された。  同法の対象となるデジタル資産...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved