ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

炊飯器ブランドの社長になったレモン売りの少女

2017/07/16 05:51 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 「でも、順調なことばかりではありませんでした。特にこの分野は競争が激しかったのです。市場の多くがラベルのない中国製品で溢れる中、私は自分の商品にしっかりとラベルを貼り、保証パッケージをつけて販売しました。それでも競合他社から偽造品だという噂を流され、ブランドは多大な影響を被りました。商品を市場に出してからわずか2か月後に市場管理当局が会社と販売店に抜き打ち調査に訪れたのですが、彼らはひどかった。全てにおいて横暴で、スタッフは監禁されました。私が有効な証明書類を提示してようやく彼らは謝罪し、事前報告が間違いだったと認めたのです」とミンさんは教えてくれた。

 市場に好意的に受け入れられ、2004年から今日までにミンさんはホーチミン市クチ郡に1兆VND(約50億円)の価値になる2つの工場を建設した。炊飯器の製造から始まり、現在では換気扇やコンロなど140種類にわたる様々なキッチン用品を展開している。

 「この分野への投資額は大きいですが、利益率は5~10%とそれほど高くありません。時にはわずか3%の時もあります。でも、成長率は+20~25%と高いので、楽観的に考えています。私の考えでは、利益は少しで良いのです。重要なことは、多くの雇用を生み出すことです」。

 ミンさんは事業を始めた当初から平均的な人々に照準を合わせていたのだという。商品価格は平均して20万VND(約1000円)余りと安く、一番高い商品でも100万VND(約5000円)を超えない。そのため、ミンさんの炊飯器は国内市場で高いシェアを占めている。

 「我が社の製品は主に農村部でのシェアが高いです。利益回収が見込めないので、都市部の家電量販店には商品を置いていません。通常、家電量販店では債務額が大きく、資金循環がとても遅いので、売買の機会損失が起きやすく、私たちのような小さな会社では耐えることができません」とミンさん。

 さらに、会社を設立してから今まで、ミンさんは経営からマーケティングまで行ってきたが、未だに顧客は自分自身で探しているため、機械部門はとても小規模で数人しかいないのだと教えてくれた。

 ミンさんには、多くの人が知らない習慣がある。毎朝5時に起床して市場に行き、料理をし、300人近い会社の従業員と一緒に朝食を食べている 。ミンさんは他にも従業員のために無料のアパートを建設している。

 「私が小さい頃、父は夜中の12時に起きて 、山で木こりをするきょうだいたちのためにご飯を作っていました。子供たちは木材を市場で売ってお米を買うお金を稼いでいたのです。忘れることができない思い出です。そのため、私も自分の手で自分のスタッフたちの面倒を見てあげたいのです」とミンさん。

 ミンさんは、自分の2人の子供たちにいつも話していることがある。「従業員は私の一番大きな財産。彼らが共に戦ってくれたおかげで今日の成果があるのよ。もし私がいなくなっても、あなたたちは変わらず従業員第一で事業を行いなさい。同じ仕事をする同志として誠実に愛すること。そして主と召使という区別をしないこと」。

 ミンさんはもうすぐ60歳になるが、会社の売上高は年間8500億VND(約42億5000万円)を計上し、未だに 成長を続けている。 現在、ミンさんは教育を受けたオペレーション班を組織し、雇用を増やせるよう、いくつかの工場を新たに増設する計画を立てている。

前へ   1   2   3   次へ
[Song Thuong, VnExpress, 6/3/2017 | 05:00 GMT+7, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ホー・チ・ミン初代国家主席の専用機、国慶節80周年展で展示 (15:03)

 ベトナム航空局(CAAV)は14日夜、初代国家主席の故ホー・チ・ミン主席の専用機として使用されたIL-14型機「VN-C482」をハノイ市の航空博物館からベトナム展示センターへ移送した。  VN-C482は、同センターで...

老舗のカフェ大手フックロン、ブランドイメージ刷新で若年層開拓へ (14:27)

 カフェチェーン大手のフックロン(Phuc Long)は14日、ホーチミン市ホアフン街区(旧10区)カックマンタンタム(Cach Mang Thang Tam)通り285番地に、新たなフラッグシップ店(旗艦店)「フックロン・フェニックス(Phu...

カナダ輸出開発公社とビナキャピタル、ビジネス・貿易拡大で覚書 (13:48)

 カナダの輸出信用機関であるカナダ輸出開発公社(Export Development Canada=EDC)と投資ファンドのビナキャピタル(VinaCapital)は、カナダとベトナムの貿易と投資の促進に向けた覚書(MOU)に署名した。  こ...

「音」で熟度を見極める、ドリアン収穫のプロ (17日)

 南部メコンデルタ地方ドンタップ省(旧ティエンザン省)在住のグエン・チョン・タンさん(男性・26歳)は、ドリアンを収穫する職人チームの主力の「ドリアンカッター」を務めている。タンさんの的確な判断力のおか...

ホーチミン市警、外国人の電子身分証明アカウントを出張発行 (6:09)

 ホーチミン市警察出入国管理部は、在留外国人向けのレベル2の電子身分証明アカウント「VNeID」の発行について、従来の窓口発行に加え、勤務先や居住地での出張発行業務を行っている。  市内の窓口発行拠点...

グラブ、古都フエでシクロ観光サービス開始 全国初 (6:06)

 シンガポール系グラブ(Grab)の現地法人グラブベトナム(Grab Vietnam)は15日、北中部地方フエ市で全国初となるシクロタクシーサービス「グラブシクロ(Grab Xich lo)」の試験運行を開始した。  同サービスで...

世界の乳業ブランド価値トップ10、ビナミルクが世界7位を維持 (5:48)

 英ブランドコンサルティング会社のブランド・ファイナンス社(Brand Finance)が発表した世界の食品・飲料事業者のブランド力ランキング2025年版によると、ベトナムの国民的乳業メーカーである

ハノイ:一部の通りで交通規制、建国80周年行事で (5:03)

 ハノイ市警察は、8月革命記念日80周年(1945年8月19日~2025年8月19日)および建国記念日80周年(1945年9月2日~2025年9月2日)を祝う記念行事の実施に伴い、市内の一部の通りを車両通行止めとする。式典関係車両と...

ベトナム人の若者2人、沖に流された日本人の子ども2人を救出 (4:56)

 8月11日午後、三重県の御殿場海岸で日本人の子ども2人が強風と大波で沖合に流される事故が発生し、現場に偶然居合わせたベトナム人男性2人が子ども2人を救出するという出来事があった。ソーシャル・ネットワー...

ベトナムZ世代、日本のファーストフードでは麺類・ご飯ものが人気 (3:50)

 株式会社Koeeru(神奈川県鎌倉市)はこのほど、ベトナムのZ世代である20代(20~29歳)の男女101名を対象に、日本のファーストフードに関する認知・思考・利用実態についてオンライン調査を実施した。  調査の...

「ベトナムセミナー」、三重県で8月22日開催 大使館と共催 (2:58)

 三重県は、駐日ベトナム大使館と共催で、8月22日(金)の日本時間14時00分から15時30分まで、2025年度「ベトナムセミナー」を開催する。  セミナーでは、ファム・クアン・ヒエウ駐日ベトナム大使が、ベトナム...

越韓合作映画、興行収入1500億VND突破 海外でも公開へ (16日)

 8月1日に公開されたベトナム・韓国合作映画「Mang Me Di Bo(英題:Leaving Mom)」が14日、公開2週間で興行収入1500億VND(約8億4000万円)を突破した。  8月は祝日もなく、映画館の観客も少ないことから映画...

世界とアジアのベストアクティビティ、ベトナムから多数選出 (16日)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、トラベラーズチョイスアワードの「ベスト・オブ・ザ・ベスト・アクティビティ」2025年版を発表した。  部門別ランキングのベトナ...

ラム書記長、カンボジア人民党フン・セン議長と電話会談 (15日)

 カンボジア側の要請により、ベトナム共産党のトー・ラム書記長が14日、カンボジア人民党(CPP)のフン・セン党首 兼 上院議長と電話会談を行った。  両党首は電話会談で、両党と両国の情勢について報告し、こ...

フンイエン省:自由経済区を設立へ、既存の経済区を基盤 (15日)

 北部紅河デルタ地方フンイエン省はこのほど、政府作業部会との会合で、フンイエン省の地理的・経済的利点を最大限に活用して北部紅河デルタ地方の新たな成長エンジンとすべく、自由経済区の設立計画を提案した...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved