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人里離れた村に暮らすアルビノの双子、ライブ配信が収入源

2020/06/28 05:23 JST配信
(C) zingnews
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 北中部地方ハティン省フオンケー郡ハーリン村(xa Ha Linh, huyen Huong Khe)に暮らす2000年生まれのチャウ・スアン・フイ(Chau Xuan Huy)さんとチャウ・スアン・フン(Chau Xuan Hung)さんは、アルビノ(先天性白皮症)の双子だ。

 アルビノはメラニンの生合成に関わる遺伝情報の欠損により、先天的にメラニンが欠乏するという遺伝子疾患に起因するもので、皮膚や髪の毛、眉毛、まつ毛などの体毛は白く、視力も弱い。

 フイさんとフンさんは、広大な土地の真ん中を通る未舗装の道の先にある、面積40m2ほどのドアもない家屋に両親と兄、6歳の姪と暮らしている。2人とも身長約170cmの痩せ型で、見分けがつかないほど似ている。

 「フイは眼鏡をかけているほう、僕はかけていないほう。目は僕のほうが青色っぽくて、フイのほうがピンク色です」とフンさんは笑って言う。2人とも視力が弱く、スマートフォンを使うときは目を近づけなければ見えない。直射日光にも弱いため、晴れた日に外出することもほとんどない。

 フイさんは小学1年生になったばかりのころを振り返り、双子が登校すると皆にじろじろ見られ、指をさされて笑われていた、と話す。しかし、2人はまだ幼かったため、何が起きているのか理解できずにうろたえるしかなかった。授業中は黒板がぼやけてよく見えなかったが、2人は自分たちが友人たちと「違う」ということに気づいていなかった。

 小学3年生のとき、鏡を見るたびに自分たちは肌と髪の毛が真っ白で、友人たちは肌が黄色く髪の毛が黒いということに気づいたが、どうしてなのかはわからなかった。このころ、「お前たち2人が違うだけで、学校では他の皆が同じだよ」という友人の何気ない言葉に自己憐憫に陥った。

 中学3年生(日本の中学2年生に相当)のとき、インターネットで「アルビノの双子」と検索すると、写真家のドー・マイン・クオン(Do Manh Cuong)氏が撮影した自分たちの写真が出てきた。この写真は2013年に大きな話題となったものだ。

 フンさんは、当時の2人が何とかしてアルビノの治療法を見つけようとしていたことを思い返して、無知だったと笑う。2人は中学3年生を終えると学校を辞めた。視力が弱く、勉強で友人たちに追いつけなくなったこと、そして「文字の読み書きができて、計算ができるようになったのだから充分だ」と思ったことが理由だ。

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