ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

おしゃれに生まれ変わったタイヤサンダル、今に残る職人の技

2021/08/15 10:56 JST配信
(C) tuoitre
(C) tuoitre 写真の拡大
(C) tuoitre
(C) tuoitre 写真の拡大

 10年前、クオンさんがタイヤサンダルの仕事を継ぎたいと申し出たとき、義父のスアンさんは突き返した。クオンさんは当時、テクノロジー分野の会社の副社長で、収入も高かったためだ。一方、スアンさんは優秀な職人だったが、タイヤサンダルの仕事では生活が厳しく、とても質素な生活を送っていた。クオンさんは手足を使う作業が得意でなく、輪ゴムを結ぶことさえ満足にできず、スアンさんに叱られていたという。

 「義父はとてもこだわる人で、義父の作るサンダルはとても精巧です。ゴム紐をどの順番で引っ張るかに始まり、ソールに開ける穴はまっすぐではなく角度をつけて開け、穴の大きさもストラップを固定するため小さくしなければなりません」とクオンさん。

 その後、クオンさんはタイヤサンダルを販売するウェブサイト<Depcaosu.com>を開設し、スアンさんが作ったタイヤサンダルの写真を掲載した。「思いがけずたくさんの人に関心を持ってもらえました。サンダルを買うために、当時カムティエン市場の通りの奥にあった義父の家をわざわざ訪ねて来るお客さんもいました」とクオンさんは語る。

 それからというもの、クオンさんは義父のタイヤサンダルの販売を手伝い、またタイヤサンダル作りの技術も必死で学んだ。その時スアンさんはすでに72歳と高齢だったため、たくさんのサンダルを作ることはできなくなっていた。

 サンダルの購入希望者は1か月以上前から予約しなければならず、受け取り時には身分証明書が必要だった。さらに、1年間に1人1足までしか買うことができず、どうしてもと懇願されても、料金を上乗せされても、クオンさんは応じなかった。また販売時間も18時から21時までの間のみで、1分でも過ぎると店を閉めていたという。

 「傲慢だったのではなく、対応できなかったんです。タイヤサンダルは義父が1人で作っていましたが、高齢で休む時間も必要だったので、たくさん作ることができなかったんです。義父はとても神経質で、納得できる品質のサンダルができなければ顧客に売りませんでした」とクオンさんは当時を回想した。

 その後、クオンさんはIT企業の副社長の仕事を辞め、タイヤサンダルが製作できる職人たちを探すため、北部紅河デルタ地方タイビン省、同ナムディン省、さらに北中部地方タインホア省まであらゆる場所に足を運んだ。職人を見つけると、スアンさんの工場で技術を学びながら働いてほしいと彼らを説得した。

 また研究センターを立ち上げ、製作したサンプルをスアンさんにチェックしてもらいながら改良していった。そして職人たちには自社ブランドのサンダルをプレゼントし、実際に履いてもらいながら、良いサンダルとはどういったものかを体感してもらった。こうして20人の職人たちが手作業で作った数百ものサンダルは、機械で作ったかのようにそっくりで精巧だ。

 ブアゼップロップの若い職人たちもとても優秀で、ナイフやノミの捌き、切断面やステッチの仕上がりはどれも巧みで芸術的だとクオンさんは誇らしげに語った。

 クオンさんは、新型コロナウイルス感染症が収束したら、観光客向けにタイヤサンダル製作の「ショー」を開催したいと考えている。

前へ   1   2   3   次へ
[Tuoi Tre 12:00 02/07/2021, A].  © Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ドンナイ省、イオンモール開発事業向けに用地10ha超を賃貸 (6:14)

 東南部地方ドンナイ省人民委員会はこのほど、イオンモール株式会社(千葉県千葉市)のベトナム法人イオンモールベトナム(AEONMALL Vietnam)に対し、同省チャンビエン街区でのショッピングモール開発事業に向けた...

半導体チップ試作支援国家センターを設立、科学技術省 (6:03)

 科学技術省はこのほど、同省情報技術産業局傘下の公立事業体として、半導体チップ試作支援国家センター(VNMPW/CC)を設立した。本部をハノイ市に置く。  同センターは、半導体チップ設計用のツールやソフト...

ハノイ市民向け生活お役立ちアプリ、交通違反の行政処分機能を搭載 (5:15)

 ハノイ市警察は7日、道路交通の秩序および安全に関する行政処分の機能を市民向け生活お役立ちアプリ「アイ・ハノイ(iHanoi)」に搭載したと明らかにした。これにより、交通警察は同アプリを通じて、オンライン上...

世界のベトナム人街を訪ねて【ヤンゴン編・後編】 (11日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

運送ドライバーの運転時間、1日・週あたり上限規定を撤廃 (5:13)

 第15期(2021年~2026年任期)国会第10回会議で2025年12月10日、治安・秩序に関連する法律10本の一部条項を改正・補足する法律第118号/2025/QH15が可決された。  これにより、2026年7月1日から、運送業務に携...

ホーチミン:26階建ての新行政センター建設を計画、27年開業へ (4:18)

 ホーチミン市人民委員会は7日、トゥーティエム新都市区(旧ホーチミン市傘下トゥードゥック市)に、新たな行政センターを建設する計画を発表した。  党および行政機関を同新都市区に集約することで、分散化と...

ホーチミン:自転車専用レーン運用開始、1週間で違反100件摘発 (4:11)

 ホーチミン市アンカイン街区のマイチート(Mai Chi Tho)通りで、12月31日に同市初となる自転車専用レーンの運用が開始された。運用開始から1週間が過ぎたが、依然として、多くのバイクが自転車専用レーンを走っ...

ホンダ、固定式バッテリー搭載の電動二輪車をタイとベトナムで発売 (3:15)

 本田技研工業株式会社(Honda、東京都港区)は9日、固定式バッテリーを搭載した排気量110cc相当の電動二輪パーソナルコミューター「Honda UC3」をタイおよびベトナムで今春から順次発売すると発表した。  UC3...

ソルテック工業、コベルコE&Mベトナムを子会社化へ (2:30)

 各種プラント設備製作・据付・配管工事などを手掛ける株式会社ソルテック工業(大阪府大阪市)は、株式会社コベルコE&M(兵庫県神戸市)の海外子会社であるコベルコE&Mベトナム(Kobelco E&M Vietnam=KEV、東南部地...

まるで映画、「イケメンライダーと大型バイクで撮影」がトレンドに (10日)

 ホーチミン市で、大型バイクを運転する「イケメン」レンタルが注目を集めている。これは、中国のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)発のトレンドで、多くの若者が「映え動画」を撮ろうと数百万VND(10...

劇場版1作目「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼」、ベトナムで初の劇場公開 (10日)

 青山剛昌原作の推理漫画「名探偵コナン」の劇場版シリーズ1作目「名探偵コナン 時計じかけの摩天楼(越題:Tham Tu Lung Danh Conan: Qua Bom Choc Troi)」が、1月23日にベトナムの劇場で公開される。  同作...

アジアの旅行需要の成長率が高い都市、サパが1位 アゴダ (10日)

 デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ(Agoda)」を運営するアゴダ・カンパニー(Agoda Company、シンガポール)は、アジアにおける国際旅行需要の成長率が高い都市を選出した「ニューホライズンズ(New Horizons)...

ホーチミン:早朝の気温17度、過去10年で最も低い気温を観測 (9日)

 9日早朝、ホーチミン市内各地で気温が急激に低下し、一部エリアでは17度まで下がり、通勤・通学した多くの市民らが異常な寒さを感じたと語った。北部からの強い寒気が南部に流れ込んだことで、ホーチミン市では...

米マーフィー、ベトナム沖で評価井を掘削 6000バレル試験生産 (9日)

 米国の石油開発会社マーフィー・オイル(Murphy Oil)はこのほど、同社の子会社がベトナム沖のクーロン盆地でハイスーバン(Hai Su Vang)-2X評価井の掘削に成功し、商業性の高い大規模油田であることを確認したと...

「病畜の肉」販売ルート摘発、老舗缶詰メーカーの倉庫で120t発見 (9日)

 北部紅河デルタ地方ハイフォン市警察は、張り込み捜査を経て、2025年9月に「病畜の肉」の販売ルートの摘発に踏み切り、アフリカ豚熱(ASF)に感染した豚肉130t超を収集・流通させた疑いで9人の容疑者を逮捕した。...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved