ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

元夫に火をつけられた女性が見つけた新たな幸せ

2022/07/10 10:22 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

ミンさんはその後、時々バイクタクシーでガンさんの店まで遊びに行くようになり、ガンさんが旅行に行く時にはガンさんの子供たちの世話を手伝うようになった。

 ある時、同じように火傷を負った友人に手術を受けさせるため、2人で友人を病院に連れて行った。用が済むとガンさんは他の人としばらく会話をしていたが、その間、ミンさんはガンさんの隣にずっと座っていた。そしてふと、「え、もう用も済んだのに、どうして帰らないの?」とガンさんが驚いて尋ねた。

 ミンさんはそれを聞いてただ笑うしかなく、何も言わずにガンさんの隣に2時間座っていた。「その時、僕はガンさんのことが好きだと気づいていましたが、火傷のせいで自分1人では生活できない状態だったので、あえて自分の気持ちは伝えませんでした」とミンさん。

 一方、ガンさんにとってミンさんは良き弟のような存在だったため、ミンさんに別の女性を紹介したこともあった。ガンさんはミンさんが悲しい気持ちで閉じこもる日々を過ごす代わりに、前向きに生活が送れるよう、関節を動かすための運動をするよういつも励ましていた。

 2021年の半ば、ホーチミン市で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染が拡大した時期に、ガンさんと2人の息子は感染を避けるため故郷のフーイエン省に戻った。田舎でミンさんとビデオ通話で会話したときに、ミンさんがハンモックの上で横になっているのを見たガンさんは「またそこにいるの!」と叫び、ミンさんは慌てて起き上がった。

 ガンさんの子供たちがそのビデオ通話の様子を見ながら「ミンおじさんはお母さんのことが本当に好きなんだと思う。お母さんが言うことは何でも聞いているもん」とガンさんに伝えた。ガンさんはすかさず、「お母さんは今、あなたたちのことだけでも大変なのに、ミンおじさんのことまで気にかけられないわよ。おじさんはバイクの運転もできないでしょ。お母さんはどこに行くにも3人の男性をバイクに乗せないといけなくなるのよ」と返した。ミンさんはただ笑って、ガンさんに「早くホーチミン市に戻っておいで」と言った。

 新型コロナの感染状況が一旦落ち着いた2022年のテトの頃に、ガンさんと2人の息子はホーチミン市に戻ることにした。同様に市外からたくさんの人が戻り始めると予想したガンさんは、混雑を避けるためにテト前にホーチミン市に戻った。

 さらに半年以上クローズしている自身の仕立て屋も気がかりだった。「その時にホーチミン市に戻ったのはミンさんのためでは全くありませんでしたが、彼が私に好意を持っていることには気づいていました」とガンさん。

 ガンさんが到着するとすぐにミンさんが現れ、ガンさんと子どもたちと一緒に店の床掃除や修繕を手伝った。市場に行こうとガンさんがバイクに乗ると、ミンさんが「乗せて行ってあげるよ」とやってきた。「あんた、どこに行くか知っていて乗せて行ってあげるなんて言っているの?」とガンさんが驚いて尋ねると、ミンさんは「もちろん」と答え、自らバイクを運転してガンさんを市場に連れて行った。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:00 12/06/2022, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ニントゥアン省の原発計画、ロシアや日本との協議促進 (17:55)

 南中部沿岸地方ニントゥアン省で計画されている原子力発電所プロジェクトの進捗状況について、政府はロシア側との交渉や日本側との協議を進める考えを示した。ブイ・タイン・ソン副首相が24日に開かれた原発プ...

ベトナム、国連海洋法条約締約国会議の議長国に初選出 (17:46)

 ベトナムは23日、国連海洋法条約(UNCLOS)締約国の100%の同意を得て、第35回UNCLOS締約国会議(SPLOS 35)の議長国に選出された。ベトナムはアジア太平洋グループから唯一の推薦を受けた国で、各国も全会一致でこ...

国会、改正国家予算法など4本の法律を可決 (16:20)

 国会は25日、◇改正国家予算法、◇改正監査法、◇改正行政処分法、◇8法改正法を賛成多数で可決した。 ◇改正予算法:政府の権限を拡大  改正予算法では、予算案の立案・調整における政府の権限を拡大する。...

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【前編】 (22日)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

ポーランド:アジア太平洋博物館にベトナム庭園がオープン (13:32)

 ポーランドの首都ワルシャワにあるアジア太平洋博物館の文化展示スペースの一角に、ベトナム庭園が完成した。開所式にはベトナムからホー・アン・フォン文化スポーツ観光次官らが出席した。  1973年に設立...

EVN、ドイツ復興金融公庫と融資契約 チアン水力発電所拡張で (13:28)

 ベトナム電力グループ(EVN)は、南部最大規模の水力発電所である東南部地方ドンナイ省のチアン水力発電所の拡張プロジェクトに向けて、ドイツ復興金融公庫(KfW)との間で6500万EUR(約110億円)の融資契約を締結し...

エドテックのギャラクシー・エデュケーション、1000万USD調達 (13:28)

 映画館の運営や映画の配給・製作、オンライン教育などを手掛ける地場ギャラクシー・エンターテインメント・アンド・エデュケーション(Galaxy Entertainment & Education=Galaxy EE)グループで、エドテック(EdT...

資産横領罪・収賄罪など8つの罪で死刑廃止、国会が法律可決 (6:31)

 国会は25日、刑事法の一部を改正・補足する法律を賛成多数で可決した。同法は7月1日に施行される。  これにより、以下の8種類の罪について死刑が廃止される。 ◇反政府活動の罪 ◇国家の物理的・技術的イ...

訪中のチン首相、李強首相と会談 鉄道建設などで協力 (6:13)

 世界経済フォーラム(WEF)主催の夏季ダボス会議に出席するため中国の天津を訪問しているファム・ミン・チン首相は24日、中国の李強(リー・チャン)国務院総理(首相)と会談した。  チン首相はこの席で、ベトナ...

外国人の労働許可証、7月1日から地方自治体に完全移管 (5:47)

 内務分野の国家管理における分権を規定する政令第128号/2025/ND-CP(7月1日施行)によると、施行日以降は省・市レベルの人民委員会主席が、外国人労働者に対する労働許可証(ワークパーミット)の新規発行や再発行...

FPTのAIファクトリー2件、「TOP500」にランク入り (5:32)

 世界のスーパーコンピュータ性能ランキング「トップ500(TOP500)」の2025年6月版に、国内IT最大手のFPT

富裕層の移動、ベトナムは25年に300人が国外へ流出 (4:44)

 コンサルタント会社ヘンリー&パートナーズ(Henley & Partners)は、世界的なウェルスインテリジェンス会社ニュー・ワールド・ウェルス(New World Wealth)とともに、富裕層の移動に関するレポート「Henley Priva...

ペリカン石鹸、ベトナム市場で固形石鹸のミニサイズ販売開始 (3:18)

 石鹸などの製造販売を手掛ける株式会社ペリカン石鹸(東京都港区)は7月、ベトナムの現地販売代理店であるホアフック・サービス・トレーディング(Hoa Phuc Service Trading、ホーチミン市)を通じて、日本国内でも...

H2Corporation、ハノイに新開発拠点を開設 (2:05)

 建設ソフトウェアおよび人工知能(AI)の設計・開発を手掛ける株式会社H2Corporation(東京都港区)は6月、建設業界における世界最先端のAIソリューション「AI積算」のグローバル開発体制を強化するため、ハノイ市...

チン首相、中国鉄道大手3社の幹部に協力要請 (25日)

 ファム・ミン・チン首相は世界経済フォーラム(WEF)主催の夏季ダボス会議に出席するため訪れた中国の天津で24日、中国の鉄道・交通インフラ分野の大手企業3社の幹部らと会見し、ベトナムと中国を結ぶ3本の鉄道路...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved