ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

11歳で一家の大黒柱になった少年、幼い弟妹と助け合い生きる

2022/12/25 10:10 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress

 現在、第1フオイコン地区には68世帯が暮らしており、いずれも貧困だが、中でもミンくんの家が最も貧しい。地区長のバン・アー・チョーさん(男性・32歳)によると、ミンくんの父親が亡くなった時、一家には葬祭費用もなかったため、近隣住民が少しずつお金を出し合って葬儀を行ったのだという。

 一家の財産は政府から与えられた2頭の水牛だけだったが、うち1頭は病気で死んでしまった。もう1頭は丘の田んぼで働いており、おかげできょうだいは米を食べることができている。

 「両親がまだ生きていた頃は、生活は苦しくても食べるものはありました。でも今、彼らは塩を買うお金もなく、米がある時は小川の水でスープを作っておかずにし、米すらもない時には何も食べずに飢えを我慢しているんです。そんな彼らの姿を見ると涙が出てきます」とチョーさんは語る。

 ミンくんはまだ13歳と若いながらもすべての家事をこなし、大人の男性のように弟妹を世話しているため、学校の先生たちからよく「若いおじいさん」と呼ばれている。

 ミンくんによると、母親が出て行った日、ミンくんはただ黙りこくって、それから大声で泣くことしかできなかったという。帰りたい場所だった家は寒々しくなり、食事を作ってくれる人もいなければ台所に米もなく、地面で焚いた火の上に心もとなく置かれた鍋があるだけだった。あの日、ミンくんは幼い2人の弟妹に食べさせる米を近所から少し分けてもらい、それから歩いて学校に行った。

 「母が出て行った時、母は僕たちが食べる物も置いていかず、僕たちは1日中飢えている日もあったので、本当に母のことが嫌になりました。でも今は、母が恋しいですし、帰ってきてほしいと思っています」と、ミンくんは溢れる涙を手で拭いながら打ち明けた。

 両親がいなくなって2年の間、夜になると幾度となく妹が泣きながら「どうしてお母さんは帰ってこないの?」と聞いた。ミンくんはどう答えればいいのかわからず、黙っていた。妹が泣けば泣くほど、ミンくんはただ「寝なさい」としか言えなくなり、自分もじっと横になって涙を流した。

前へ   1   2   3   4   次へ
[VnExpress 06:00 07/11/2022, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
フォーブス誌企業番付に越から8社選出、2社がトップ1000入り (14:45)

 米経済誌フォーブス(Forbes)がこのほど発表した世界の公開会社上位2000社のランキング「フォーブス・グローバル2000(Forbes Global 2000)」に、ベトナムから8社が選ばれた。  この中で、

ラムドン省:バオロック~リエンクオン間高速道路を着工 (13:40)

 南中部高原地方ラムドン省ドゥックチョン郡(huyen Duc Trong)で6月29日、官民パートナーシップ(PPP)方式によるバオロック~リエンクオン間高速道路建設案件の着工式が開催された。  同プロジェクトは、南部...

ホーチミン:クリーン燃料バスを年内に300台投入 (13:05)

 ホーチミン市交通公共事業局傘下の公共交通管理センターは、2025年中に運行開始予定の新たなバス路線37路線の入札を完了した。バス計600台を投入する計画で、このうち約300台が電気バスおよび圧縮天然ガス(CNG)...

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【後編】 (6/29)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

省・市合併の国会決議公表、書記長「効率性の高い行政体制目指す」 (6:42)

 ベトナムは、7月1日から34省・市の新体制を導入する。  省・市合併やそれに伴う人事再編に関する国会決議が6月30日に公表された。トー・ラム書記長は、ホーチミン市で開催された公表式典に出席し、スピーチ...

ダナン国際花火大会、ベトナムチームが初の決勝進出 (6:02)

 南中部沿岸地方ダナン市で5月31日から開催されている「ダナン国際花火大会2025(DIFF 2025)」で、ベトナムチームが初の決勝進出を果たした。  決勝に進出したのは、国防省国防産業総局傘下の花火メーカーで...

ベトナム航空、韓国農水産食品流通公社と提携 韓国食品の機内食も (5:31)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、韓国農水産食品流通公社(Korea Agro-Fisheries & Food Trade Corporation=aT)との間で、韓国食品の東南アジアにおける輸出拡大に

PVパワー、第4ニョンチャックLNG火力発電所を試運転 (5:02)

 ペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil and Gas Group=PVN)傘下の発電会社大手PVパワー[POW](PV Power)は26日、第4ニョンチャック液化天然ガス(LNG)火力発電所を国家電力網

ビンズオン上下水道環境、廃棄物発電所の建設に着手 (4:20)

 東南部地方ビンズオン省に拠点を置く大手給水会社ビンズオン上下水道環境[BWE](Biwase)は6月26日、東南部地方ビンズオン省の廃棄物処理施設で廃棄物発電所の建設に着手した。

ベトジェット、タインホア省発着の3路線を運航 ビン空港の閉鎖中 (4:12)

 北中部地方ゲアン省のビン国際空港が滑走路・誘導路改修工事に伴い7月1日から12月31日まで一時閉鎖することを受け、格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は

森永乳業、ベトナムの幼稚園に給食調理施設を寄贈 第3期始動へ (3:21)

 森永乳業株式会社(東京都港区)と国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、2023年5月に開始した西北部地方ディエンビエン省トゥアンザオ郡での幼稚園給食支援プログラム「Smiles & Health for Children」の...

工務店の素朴屋、ホーチミンにショールームを開業 (2:54)

 日本国内外の住宅および店舗などの新築・増改築、古民家再生、物販・飲食事業を手掛ける素朴屋株式会社(山梨県北杜市)と、農林水産物(木材・竹・籐を除く)および家畜の卸売などを行うオリエント・ファイブ・ベ...

ノイバイ空港で旅客機同士が接触、パイロット4人の業務停止 (6/30)

 ハノイ市ノイバイ国際空港で27日午後、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)の離陸待ちの旅客機2機が接触事故を起こし、4人のパイロットが一時的に飛行業務から外された。

第15期第9回会議が閉幕、法律34本可決・決議14本採択 (6/30)

 5月5日に開幕した第15期(2021年~2026年任期)国会の第9回会議が27日に閉幕した。今国会では34本の法律を可決し、14本の決議を採択した。  ブー・ミン・トゥアン国会官房副長官は27日、第9回会議の結果を発...

ビンファスト、ハティン省で国内2か所目のEV工場を竣工 (6/30)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は29日、北中部地方ハティン省で国内2か所目、世界では5か

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved