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「あのころ、私が外に出ていたのは、仕事のためだけではなく、他のベトナム人の同胞たちを助けるためでもあったんです。多くの同胞が退避しましたが、それでも私に電話がかかってきて、彼らの店の在庫の配達や、注文済みの仕入れの受け取り、それから店が無事かどうかの確認なんかを頼まれていたんです。彼らの店を確認しに行って、市場ごと燃えてしまっていたこともあります。いったいどれだけの財産が失われたことか」。
そして4月ごろから、トゥアンさんは定期的に店を開くようになった。ただし、取引はたまにしかなく、お客さんの数も多くなかった。ときどき、遠方から注文を受け、直接手渡すか、梱包して郵便局から郵送した。
商売は途切れ、収入もわずかになってしまったが、トゥアンさんは家の貯金を使って慈善活動に積極的に参加した。ウクライナに留まったトゥアンさんと何人かのベトナム人は、ポーランド在住ベトナム人のコミュニティとつながっていた。
ポーランド在住ベトナム人のコミュニティは、戦争が勃発して以来、ウクライナ在住者にたくさんの物資を寄付していた。トゥアンさんたちのグループは、物資を受け取って仕分けし、ビニール袋に詰めて、都市部や郊外にいる人々や兵士たちに配って回った。毎回、配る数は500~600個に上った。
物資を配送するトラックのレンタル代やガソリン代は、すべてトゥアンさんが負担した。トゥアンさんはこれを、戦争の中でウクライナの人々に寄りそうためのささやかな方法だと考えていた。その後、知人たちが費用を少しずつ寄付したり、車を手配したりと助けてくれるようになった。
慈善活動に出かける道は依然として危険だった。ウクライナ軍の兵士もより安全なルートを教えてくれるものの、彼らにもいつロシアから攻撃されるかなど知るすべもなかった。グループのメンバーは、慈善活動に参加すると決めても一度行けば戻ってこられるかわからないと躊躇した。
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