ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

テトは故郷に帰らず「他人の看病」、大きな収入に

2024/02/11 10:18 JST配信
(C) VnExpress
(C) VnExpress 写真の拡大

 カインさんはこれまで約1年間にわたり複数の病人の世話をしてきたが、患者と一緒にテトを迎えるのはこれが初めてだ。皆が故郷に帰っていく様子を見て、少しは悲しかったというが、子供もまだ小さいため、頑張ってお金を稼がなければ、と思い直した。

 「テトに帰ってもだいたい飲んでいるだけですがね」とカインさんは言う。よく妻に電話をかけて、子供たちのテトの世話をしっかりするよう伝えている。

 カインさんと同じく、初めて患者と一緒にテトを迎えるというトゥーさん(女性・30歳)は、ホーチミン市のグエンチャイ病院に寝泊まりして、80歳の女性の看病をしている。

 この女性は糖尿病の合併症により10日前に四肢の切断手術を受けたばかりで、寝たきりだ。医師によれば、女性の病状は落ち着いており、テトの前には退院できるということで、女性の家族はトゥーさんに自宅で世話を続けてほしいと依頼した。

 「私の両親が北部からホーチミン市に来て、3歳になる子供の面倒を見てくれています。来年には幼稚園に入ります。テトも家族がホーチミン市にいてくれるので、安心して仕事ができます」とトゥーさん。

 以前、トゥーさんは飲食店でウェイトレスとして働いていた。当時の収入は月に数百万VND(100万VND=約6000円)。がんを患って入退院を繰り返した義父が亡くなるまで、7か月間看病したトゥーさんは、他人の看病をするという仕事を知り、業務も規則的で収入も安定していることから、転職することにした。

 仕事を始める前に、トゥーさんは必要なスキルの訓練を受けた。闘病中の義父は、いらいらして子供や孫にきつくあたることが多かった。そうした経験からトゥーさんは、「気難しい患者さんのことも理解できますし、患者さんを身内のように思い、最善のお世話ができます」と話す。

 旧暦の年末になると、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも看病人を探しているという投稿が増える。患者の病状や住所などの情報が投稿されると、仕事を受けたいという人たちからたくさんのコメントが寄せられる。こうした看病人の多くは、積極的に自己紹介をしたり、連絡先を記載したりもする。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:03 07/02/2024, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
12月19日、全国で234案件を一斉に着工・竣工 総額20兆円 (6:33)

 12月19日、全国各地で計234件のプロジェクトに関する着工・竣工・開通の記念式典が開催される。2016年1月に開幕する第14回共産党全国大会を祝う行事の一環として行われ、投資総額は約3400兆VND(約20兆円)に上る...

「イオンモール・ダナン・タインケー」、26年夏オープン (6:25)

 イオンモール株式会社(千葉県千葉市)は、南中部地方ダナン市で開発中の「イオンモール・ダナン・タインケー(AEON MALL Da Nang Thanh Khe)」について、2026年夏のオープンを目指して準備を進めている。  同...

ベトナム映画、アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート逃す (5:44)

 アカデミー賞を主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は米国現地時間16日、第98回アカデミー賞「国際長編映画賞」のノミネート候補作品のショートリストに選出した15作品を発表した。  ベトナム代表とし...

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

ベトナム航空、ホーチミン~コペンハーゲン線を就航 初の北欧線 (5:19)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は15日、ホーチミン市とデンマークの首都コペンハーゲンを結ぶ直行便を就航した。ベトナムと北欧を結ぶ直行便はこれが初めて。

25年1~11月期の訪日ベトナム人63.5万人、24年通年超え (4:44)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2025年11月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+3.2%増の5万1800人で、11月として過去最高を記録するとともに、8か月連続で単月の過去最高を更新した。  1~11...

ホーチミン:外国人の滞在状況を抜き打ち検査、新政令施行で (4:16)

 家庭内暴力の防止や社会秩序の維持に関する行政罰を定めた政令第282号/2025/ND-CPが15日に施行されたことを機に、ホーチミン市タンディン街区(旧1区の一部)警察は15日夜から16日未明にかけて、賃貸住宅やホテル...

山洋電気、フンイエン省に子会社を設立へ 新工場を法人化 (3:47)

 クーリングシステム製品やパワーシステム製品、サーボシステム製品を手掛ける山洋電気株式会社(東京都豊島区)は、北部紅河デルタ地方フンイエン省に同社100%出資の連結子会社を設立する。  子会社「山洋電...

25年11月の対日貿易収支、1349億円の黒字 +15.5%増 (2:13)

 日本の財務省が発表した2025年11月の貿易統計(速報)によると、ベトナムの対日貿易収支は前年同月比+15.5%増の1348億5800万円の黒字だった。  日本からベトナムへの輸入額は前年同月比+14.0%増の2499億780...

ビンEVタクシー、フィリピンのダバオでサービス開始 (17日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM(X

改正民間航空法、低空域の航空輸送を初めて制度化 無人機活用へ (17日)

 国会でこのほど可決された改正民間航空法(2026年7月1日施行)では、「低空域の航空輸送」という概念が法制度に初めて導入された。  これは、無人航空機(UAV)や新世代の飛行体を活用した次世代航空輸送モデル...

韓国アリエックス、地場投資大手VIGなどと合弁会社設立 (17日)

 ベトナムを中心に国際決済・データインフラ事業を展開する韓国系アリエックス・ベトナム(Alliex Vietnam)は、グローバルデジタル金融グループのゴータイム(GoTyme)および地場ベトナム・インベストメンツ・グル...

改正投資法、条件付き事業を削減 電子たばこの製造販売も禁止 (17日)

 国会でこのほど可決された改正投資法では、行政手続きの簡素化や条件付き事業分野の削減など、投資環境の改善を目的とする多くの改革が盛り込まれている。  同法は7章52条と4つの付録から構成される。2026...

越系米国人のスタートアップ、「AIグラス」で660万USD調達 (17日)

 米国ハーバード大学の卒業生で、ベトナム系米国人のアインフー・グエン(AnhPhu Nguyen)氏と友人のケイン・アルデイフィオ(Caine Ardayfio)氏が設立したスタートアップ企業「ミラ(Mira)」は、新型人工知能(AI)グ...

オートリブ、クアンニン省にエアバッグクッション生産工場を開設 (17日)

 自動車安全システムを提供するスウェーデンのオートリブ(Autoliv)はこのほど、東北部地方クアンニン省のアマタシティ・ハロン工業団地の新事業所でオープニングセレモニーを開催した。  式典には、在ベトナ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved