ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

テトは故郷に帰らず「他人の看病」、大きな収入に

2024/02/11 10:18 JST配信
(C) VnExpress
(C) VnExpress 写真の拡大

 ホーチミン市10区在住のトゥアン・フンさん(男性)は、3年前に父親が脳卒中を患い、生活のほとんどすべてを家族に頼らざるを得ない状況だ。フンさんは、毎年テトには子供たちも一緒に妻の実家に帰省するため、その間は看病のサービスを利用している。「このサービスがなかったら、家族でどこかに出かけなければならなくてもなかなか対応できないでしょう」とフンさんは語る。

 現在のところ、テト期間中に自宅や病院で病人の世話をする人がどのくらいいるのかという統計はないが、ホーチミン市のいくつかの病院によれば、こういった「他人の看病」のサービスはここ数年で増加しつつあるという。

 医療分野の看病人サービスを手掛ける会社の社長であるグエン・ミン・タム氏によると、スタッフの約60%がテト期間中も仕事を受ける。収入は普段の2倍だ。同社のサービス料金は、患者の病状にもよるがだいたい50万~60万VND(約3000~3600円)、もしくは90万VND(約5400円)ほどとなっている。

 したがって、旧暦12月25日から1月5日にかけてのテト期間中に患者の自宅で世話をするスタッフの収入は、1日あたり100万~200万VND(約6000~1万2000円)になる。普段から患者の自宅で世話をしている多くのスタッフは、テト期間中も故郷に帰らずに看病をするという内容で患者の家族と契約している。

 病院に入院している患者の世話が必要な場合も、会社がスタッフを手配する。タム氏はこう語る。「テトにはほとんどの患者が退院して帰宅しますが、蘇生部門と救急部門では、テト期間中も看病の需要があるんです」。さらに会社では、テトが終わった後に遅れて帰省を希望するスタッフのために、代休と帰省の交通費を支給するという。

 先のカインさんは、テトが明けたら会社に代わりの人を手配してもらい、家族に会いに数日間帰省するつもりだという。

 こうした看病の仕事というのは、かつては主に女性が選ぶ仕事だったが、カインさんはこの仕事に様々な意義を見出し、多くの患者の回復にも貢献できていることから、この仕事を長く続けていくつもりだと話す。「少子化のこの時代、親の世話をする時間もそうありませんからね」。

 カインさんと90歳の男性のテトも、お互いに家族のように思っている2人だからこそ、きっとあたたかいものになるだろう。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:03 07/02/2024, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ハイフォン港、年間貨物取扱量が200万TEUを初突破 (16日)

 北部紅河デルタ地方ハイフォン市で港湾群を運営する港湾大手ハイフォン港[PHP](Hai Phong Port)は14日、2025年年初からの貨物取扱量が200万TEUを突破したと発表した。

日本政府、ベトナム中部の洪水被害に150万USDの緊急無償資金協力 (16日)

 日本政府は12日、ベトナム中部における甚大な洪水被害に対する支援として、150万USD(約2億3300万円)の緊急無償資金協力を実施することを決定した。  今回の緊急無償資金協力により、国際移住機関(IOM)を通...

交通事故被害者の救急搬送、個人救助者に最大3万円の支援金 (16日)

 道路交通事故の被害軽減基金に関する政令第279号/2025/ND-CP(12月15日施行)では、交通事故被害者および救助者への支援制度が新たに導入された。  支給される支援金は、身体損傷率に基づいて規定されている...

湖の上の「越僑集落」、カンボジアから帰国した人々の暮らし (14日)

 東南部地方ドンナイ省ディンクアン村のスオイコー地区に面するチアン湖では、カンボジアから帰国した越僑(在外ベトナム人)150世帯以上が、電気も上水道もない水上家屋で暮らし、網漁で日々の生計を立てている。...

ホーチミン~カントー~カマウ鉄道、建設省がCTグループの提案審査 (16日)

 ファム・ミン・チン首相はこのほど、CTグループ(CT Group)が提案しているホーチミン市~カントー市(南部メコンデルタ地方)~カマウ省(同)間鉄道プロジェクトを審査するよう建設省に指導した。    CTグルー...

信頼性の高い輸送企業、ジェマディプトがロジスティクス部門1位 (16日)

 ベトナム評価レポート社(ベトナムレポート=Vietnam Report)は11日、2025年の信頼性の高いロジスティクス・輸送企業トップ10を発表した。ロジスティクス部門では、ジェマディプト港湾海

ベトナムと中国、国境ゲートでの貨物双方向輸送の試行開始 (16日)

 ベトナムと中国の両国当局は10日、国境ゲートを通じた貨物の双方向輸送方式の試行を開始した。期間は2026年12月9日までの1年間となっている。試行は、以下の3つの国境ゲートの専用道路および通関レーンで実施す...

年間外国人観光客2000万人を初達成、フーコック空港でセレモニー (16日)

 ベトナム国家観光局によると、フーコック国際空港(南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック島)で12月中旬に、年間外国人観光客2000万人達成を祝した記念式典が催される。  2025年はベトナム観光業の65年...

韓国コーロン、ホーチミンにエアバッグ素材工場を設立へ (16日)

 韓国化学素材大手のコーロンインダストリー(Kolon Industries)はこのほど、自動車安全システムを提供するスウェーデンのオートリブ(Autoliv)との間で、エアバッグ用素材供給に向けた契約を締結した。  両社...

ドンナイ省:国内初のLNG火力発電所が落成、投資総額14億USD (16日)

 ペトロベトナムグループ(Petrovietnam=PVN)と子会社のPVパワー[POW](PV Power)は14日、東南部地方ドンナイ省で第3ニョンチャック液化天然ガス(LNG)火力発電所および第4ニョンチャ

ハノイ:大気汚染深刻化で空気清浄機の需要増、日本製中古品も人気 (16日)

 ハノイ市で大気汚染が深刻化している中、多くの家庭が健康を守るため空気清浄機を買い求める動きが強まっている。市内の家電量販店では需要が急増しており、特に子どもや呼吸器疾患の患者を抱える家庭からの需...

ハノイ:13.5万人収容の巨大スタジアム建設へ、世界2番目の規模 (16日)

 ハノイ市トゥオンティン村人民委員会は現在、地場系コングロマリットのビングループ[VIC](Vingroup)が提案したオリンピックスポーツ都市区エリアBの詳細計画(縮尺500分の1)について

日本映画祭2025、ベトナム4都市で開催 日本映画10作品を上映 (16日)

 国際交流基金ベトナム日本文化交流センターは、ハノイ市、北部紅河デルタ地方ハイフォン市、ホーチミン市、南中部地方ダナン市のベトナム4都市で、12月12日(金)から2026年1月25日(日)にかけて「日本映画祭(Japa...

ハノイ:交差点にAIカメラ1800台を設置、交通違反を自動検出 (16日)

 ハノイ市交通管制センターは13日に運用が開始され、人工知能(AI)を搭載した監視カメラシステムによる交通違反の自動検出の本格導入がスタートした。  同市警察は交通管制センターについて、法令を遵守して...

日本の製造業の有望事業展開先、ベトナムは3位に後退 (16日)

 国際協力銀行(JBIC、東京都千代田区)が発表した日本の製造業企業の海外事業展開の動向に関するアンケート調査結果によると、今後3年程度の中期的な有望事業展開先国・地域のランキングで、ベトナムは3位となっ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved