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77歳女性の終活、「どれだけ生きるかよりどう生きるか」

2024/04/07 10:06 JST配信
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67歳になると、自分の運転でピアノを習いに行くようになった。これは、若かりしころの夢でもあったが、当時は仕事に手一杯で時間がなく、叶えることができなかったものだ。ピアノを習い始めて1年後、誕生日に自分へのプレゼントとしてピアノを購入した。

 フオンさんにピアノを教えているグエン・ゴック・トゥアンさんによれば、ピアノ講師歴12年でフオンさんのような高齢の生徒に教えるのは初めてだという。

 「年齢もあってフオンさんの指の関節は硬く、最初は私もフオンさんもとても苦労しました。でも、フオンさんは忍耐強く、音楽への情熱もあり、きちんと教室に通って与えられた課題も完璧にこなしています」とトゥアンさんは語る。フオンさんの学びの精神とその若々しさから、トゥアンさんもときどきフオンさんの実年齢を忘れてしまうほどだという。

 数か月前には、持久力と身体の柔軟性を高めるために水泳を始めた。自分で自動車を運転して、1人でハノイ市からホアビン省キムボイ郡まで行き、14日間滞在して水泳の練習をしたのだ。

 フオンさんは、自尊心と周りの人たちへの配慮を示すためには、どんなときでも健康で美しくいなければならないと考えている。

 フオンさんの部屋には大きなクローゼットが2つあり、何百着ものドレスやアオザイがきちんと並べられている。フオンさんは毎晩、女性らしいドレスを着て、軽く化粧をし、ピアノを弾いて動画を撮影する。

 「若いころは自分が幸せでいるために着飾っていましたが、今きれいな服を着ているのは、いつなんどき病床に伏せてしまっても、この世の最期の日まできちんとしていたいからなんです」。

 フオンさんの義理の娘であるファム・フエンさんによれば、フオンさんの「終活」について子供たちが知ったのは、フオンさんが「終活」を始めてだいぶ経ってからだったが、誰も驚きはしなかったのだという。

 フエンさんはこう語る。「義母はずっと、現代的な考え方を持った若々しい人でした。義母と義父は別居していて、我々子供たちの私生活には干渉しませんが、家族が何か困ったときには、いつも助けてくれるんです」。

 フオンさんいわく、今のフオンさんのように子供や孫に頼ることなく老後を自分自身のために生きるには、若いときから一生懸命に働き、こつこつと貯金をし、投資もしなければならないという。

 そしてフオンさんは、「幸せであろうと苦しみであろうと、今ここにある結果というのは、自分自身の過去の努力次第ですから」と語った。

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