ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚

2024/04/21 10:12 JST配信
(C) dantri
(C) dantri 写真の拡大
(C) dantri
(C) dantri 写真の拡大

 児童婚の割合が高い理由として、子供たちが早くから家族のもとを離れて学校に通うということが挙げられる。中学1年生(日本の小学6年生に相当)から全寮制の学校に通い、両親の目が行き届かないのだ。こうした中で、インターネットなどを通じて様々な情報が入るようになり、思春期を迎えるとそういった情報の影響を受けて、異性への興味が芽生える。

 もう1つは、地域の人々、特にモン族の人々の考え方に、古くからの慣習が深く根付いているということがある。彼らは、子孫を残すために、多くの子供に囲まれて幸せになるために、労働力を得るために、早く結婚すべきという固定観念がある。

 児童婚の年齢は主に13歳、14歳が多いという。夏休みやテトに遊びに出かけ、そこで相手と出会って恋に落ちるパターンが多いためだ。また、家族に反対されて、有毒な葉っぱを食べたり、殺虫剤や除草剤を飲んだりして自殺未遂を起こすケースも毎年後を絶たない。自殺未遂に終わらず、実際に命を落とした少年少女もいる。

 多くの両親は子供が死んでしまうことを恐れ、子供の望みをしぶしぶ受け入れざるを得ず、好きにさせるしかないというのが現状だ。

 2023年にムオンラット郡では412組が結婚手続きを行い、このうち12%にあたる50組が児童婚だった。50組のうち、21組は夫と妻の年齢差がなくどちらも若い。しかしながら、ムオンラット郡における実際の児童婚の割合は統計のデータよりもずっと高い。なぜなら、児童婚のケースのほとんどが、結婚式を行わず、結婚手続きも行わないからだ。

 以前は当局が児童婚を阻止する宣伝や運動を行っていたが、近年は児童婚をさせた家庭に行政処分を科しているため、児童婚の割合は減少しつつある。

 しかしながら、依然として多くの家庭では世代をこえて児童婚が連鎖している。2人、3人と子供がいても結婚手続きを行わないカップルもいる。そして、そのまま30代になり、子供も若くして結婚し、孫ができるのだ。

 児童婚、貧困、文盲はもはや、タインホア省のへき地に暮らすモン族の人々の生活の大部分をひっ迫させる、「悪循環」のようなものとなっている。

前へ   1   2   3   次へ
[Dan Tri 06:59 19/03/2024, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
1~6月期GDP成長率+7.52%、直近15年で最高水準(推定値) (7日)

 統計総局(GSO)の発表によると、2025年1~6月期の国内総生産(GDP)成長率(推定値)は前年同期比+7.52%で、上半期として直近15年間で最高となった。  同期の工業・建設業の伸び率は+8.33%となり、うち工業が+...

1~6月期の外国人訪問者数、前年同期比+20.7%増(推定値) (7日)

 財政省傘下統計局(NSO)の発表によると、2025年6月の外国人訪問者数(推定値)は前月比▲4.3%減の146万2867人で、前年同月比+17.1%増となった。  これにより、1~6月期の外国人訪問者数は1066万4608人となり...

6月の鉱工業生産指数(推定値)、前年同月比+10.8%増 (7日)

 財政省傘下統計局(NSO)の発表によると、2025年6月の鉱工業生産指数(IIP)の伸び率は前月比で+4.1%増、前年同月比では+10.8%増加した。  1~6月期の鉱工業生産指数は前年同期比+9.2%増となっている。 ...

世界のベトナム人街を訪ねて【ベルリン編・前編】 (6日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

ベトナム、国家ブロックチェーン基盤「NDAChain」導入 (7日)

 ベトナム国家データ協会(NDA)と公安省は、国家ブロックチェーン基盤「NDAChain」を国家の基幹プラットフォームとして導入する方針を承認した。「NDAChain」は、同省傘下の国家データセンターが主導し、同協会の...

ベトナム航空、サウディア航空と業務提携 中東路線を拡大へ (7日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、サウジアラビアのサウディア航空(Saudia Airlines)と共同運航(コードシェア)協定を締結した。同協定を通して、ベトナムと中東の接続強化お

阪急阪神不動産とシーアールイー、ハイフォンで新物流倉庫を着工 (7日)

 阪急阪神不動産株式会社(大阪府大阪市)と株式会社シーアールイー(東京都港区)は、シンガポール政府系企業セムコープ・デベロップメント(Sembcorp Development)と共同でセムコープ・インフラ・サービシズ(Sembco...

ラオス国境の麻薬密輸事件、元警察官を含む11人に死刑判決 (7日)

 ハノイ市人民裁判所は2日、大規模な麻薬密輸・密売事件に関与した被告12人に有罪判決を言い渡した。このうち、元警察官2人を含む11人が死刑判決となり、残る1人は幼い子どもがいるため、終身刑となった。  ...

小売ブランドOH!SOME、ベトナム初のフラッグシップ店をオープン (7日)

 小売ブランド「OH!SOME」は3日、ホーチミン市の商業施設「ビンコム・センター・ドンコイ(Vincom Center Dong Khoi)」内に、ベトナム初となるフラッグシップ店(旗艦店)をグランドオープンした。  ベトナム7...

みらいコンサルティング、エスハイと包括連携協定を締結 (7日)

 中堅中小企業の経営サポートを手掛けるみらいコンサルティンググループ(東京都中央区)は、人材教育・送り出し機関であるエスハイ(Esuhai、ホーチミン市)との間で、包括連携協定を締結した。  これにより、...

25年1~6月期の対外投資、前年比3.5倍 対ラオスが1位 (7日)

 財政省傘下の海外投資局によると、2025年1~6月期に認可を受けたベトナムの対外投資額(新規および追加投資)は前年比3.5倍の4億8710万USD(約710億円)だった。このうち新規が86件、追加投資が18件となっている。 ...

クアンニン省:バンドン経済区のカジノ案件、首相が正式承認 (7日)

 東北部地方クアンニン省バンドン経済区で計画されている高級複合観光サービス地区プロジェクトが首相によって承認され、チャン・ホン・ハー副首相が首相決定第1395号/QD-TTgに代行署名した。  同プロジェク...

1~6月期のFDI認可額、前年同期比+32.6%増(推定値) (7日)

 計画投資省海外投資局(FIA)が発表した海外直接投資(FDI)に関するデータによると、2025年1~6月期のFDI認可額(推定値)は前年同期比+32.6%増の215億1000万USD(約3兆1000億円)だった。  新規認可案件数は同+2...

NBA史上初のベトナム系選手ジェイリン、3年35億円で契約更新 (7日)

 ベトナム系米国人のジェイリン・ウィリアムズ(Jaylin Williams)は23歳の誕生日を迎えた6月29日、NBAのオクラホマシティ・サンダーと3年契約を更新した。総額2400万USD(約35億円)の大型契約となっており、若手バ...

車両の新規登録手数料、一部地域で引き上げ 行政区画再編で (7日)

 財政省はこのほど、自動車およびバイクの新規登録手数料を定める通達第71号/2025/TT-BTCを発出した。同通達は2025年7月1日に発効した。  これにより、一部地域における9人乗り以下の自動車の新規登録手数料...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved