ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「ベトナムに日本式幼稚園を浸透させたい」大島多希也さん/幼稚園運営

2016/03/14 09:00 JST配信

ベトナムについて、どういったイメージを持っていますか? ベトナムで働いている自分の姿を想像できますか?

ベトナムで人材紹介を行う JellyfishHR がお届けするこのコラムでは、現地で実際に生活をしている日本人に、ベトナムでの生活、ベトナム人との仕事、日本との違いなどをインタビューしていきます。

みなさんのタイムリーな悩みを解決するヒントになるかもしれません。

第2回となる今回は、笑顔の素敵なベトナムのキラースマイル!こと、 大島多希也(おおしま たきや)さん の登場です。

大島さんは、23歳という若さでベトナムへやって来て、幼稚園の経営に携わっています。インタビューでは、大島さんがベトナムで働こうと決意したきっかけや、これからの意気込みについて聞かせていただきました。

海外就職を決意した理由

− 最初に自己紹介からよろしくお願いします。

大島: 大島多希也、埼玉県出身の23歳です。 現在、ベトナム人向け日本式幼稚園の スマイル幼稚園 で働いています。

プライベートではフットサルとサッカーが好きで、ベトナムでも定期的に運動しています。また、ヘム(裏路地)の散歩も好きで、そこでおいしそうなお店を見つけることも休日の楽しみの一つです。

−私もベトナム人と日本人がサッカーをしているところを見に行ったことがあります。お仕事が終わった後の運動はとても気持ち良さそうですね! 大学時代は何をされていたのですか?

大島: 高校の時から学習塾でチューターとして生徒を指導したり、学生団体で幸せなキャリアを考える活動をしたりしていました。また、英語を話せるようになりたくて、英語のミュージカルにも参加していました。

−英語のミュージカルは意外です!

 大島さんは現在幼稚園の経営をされているそうですが、 もともと日本の教育に携わっていたことが今のお仕事に影響しているのでしょうか?

大島: そうですね。私が生徒をマネジメントする立場として教育に関わっていた際、 自分の働きかけ次第で生徒の行動、結果が変わる場面に何度も関わる機会があり、教育に興味を持つようになりました。

−たしかに自分が教えた生徒の成績やモチベーションが上がった時は、自分自身も嬉しいですよね。

 では今のお仕事はどのような経緯で決定したのですか?

大島: 最初に現在働いている幼稚園の概要を説明しますね。

ホーチミン市初のベトナム人向け日本式幼稚園 として、私の上司が2014年に「スマイル幼稚園」を立ち上げました。様々な取り組みの結果、現在園児数は40人まで増加しています。オープンから半年後に参画した私は、 現在幼稚園の運営全般に携わっています。 具体的には日本語の授業、ベトナム人保育士の研修準備、採用面接、経理、イベント企画及び実施などで、役割は多岐に渡ります。

ベトナム人向けの幼稚園ですので、園児は全てベトナム人。日本人から入園のお問い合わせはありますが、現在は受け入れができない状況です。

このような特殊な幼稚園で教育に関わりたい!と前々から思っていたわけではなく、つい一年前までは自分自身が何がしたいのかよくわかっていませんでした。

−その若さで明確にこれから何をしたいのか見つけることは難しいですよね。 大島さんは、何をやりたいのか具体的に分からない状況からどのようにして今のお仕事を見つけたのですか?

大島さんと園児たち

大島: 偶然ある機会がやってきたんです!  大学卒業後は1年間アルバイトをして貯金し、世界旅行に行こうと思っていました。その間に何かきっかけが見つかるのではないかと期待もしていました。

そんな中、学生向けの人材紹介をされている方とお話する機会があり、 自分が海外と教育に興味あると気づいたのです。 さらに、その方の友人がベトナムで幼稚園を立ち上げているので、一度会ってみたらと提案してくださいました。正直幼稚園での仕事が自分のやりたいことなのか分かりませんでしたが、 インターンとして1週間ベトナムで働いた結果、自分に向いていると感じ、スマイルで働ことを決めました!

働いていくうちに、ベビーブームによる市場の成長を実感しました。また、ベトナムの幼児教育の課題解決策として、日本式の教育は需要があると確信しました。

日本式の教育がなぜベトナムで求められるのか

思わぬところで人生のターニングポイントがあったのですね。今のお仕事で感じる魅力、苦しい経験を教えてください。

大島: やはり子供たちの成長や笑顔を見ることができる点がこの仕事の魅力ですね! また、 子供の成長や笑顔をみたご両親が喜ぶ姿を見た時も嬉しいです。 ベトナムへ来て9か月の間に、人見知りだった子が挨拶ができるようになるなど、多くの子供たちの成長を見ることができました。

反対に苦しかった経験は、 スタッフたちに自分の考えが伝わらないもどかしさを感じた時 です。例えば、同世代のスタッフにマーケティングの仕事を任せていたのですが、ミスが多かったため、全行程を私と共にチェックするということを提案しました。

最初は、「私がやりたい」というプライドから反発され、私も忙しさにかまけて理由を伝えずにその提案をしたため、衝突してしまいました。その後、時間を置き、場所を変え、スタッフの主張は理解していることを説明したうえで改めて理由と共に再提案しました。最終的にお互いの非を認め、私の提案を承諾してもらうことができました。

ですから 文化、世代、言葉のとらえ方も含めた自分の気持ちの伝え方を追求することに日々奮闘しています。

− 子供の成長や笑顔を実感できることはとても素敵ですね。 そもそもなぜベトナムでは日本式の教育が求められるのですか?

大島: ベトナム人の教育への関心はもともと高いのですが、その背景には 日本ブランドに対する信仰があるから だと考えます。日本製品の質の高さや、勤勉で時間に正確で、責任感のある日本人の働きぶりが影響していると思いますね。また、ベトナムの幼児教育にはいくつかの課題があります。

例えば、子どもの安全が確保されていないこと、マナーがしつけられていないこと、自立が促進されないことなどです。こうした課題の解決手段として、 日本式の教育が注目されています。 私たちの提供する教育の特徴は、笑顔、自立、安全、しつけであり、これらがニーズにフィットしていると考えています。

− 日本、日本人への信頼があることが影響して、教育にも日本式が求められているのですね。根本的な考えが異なれば伝えることも大変ですよね。今後も先生方と良い関係が築けるよう頑張ってください!

海外就職に悩む若い人へ「自分次第だ!」

それでは最後にこれからの意気込みをよろしくお願いします。

大島: 日本式の教育をベトナムに浸透させるため、園児を増やし、スマイル幼稚園も各地に開設できたらいいなと思っています。 それらを実現するために、ベトナム人教師の育成やサービスの充実等を心がけています。

海外就職について、私と同世代のみなさんにお伝えしたい事があります。自分には難しいのではないか、関係ない世界ではないか、と考える人もいると思います。ただ、私の経験上、 自分次第でどうにかできるものだと実感しています。 働く場所が日本でないというだけで、働くことに違いは無いですよ。 言葉の違い、文化の違いはありますが、それを楽しさの一部と捉え、一歩踏み出して、海外就職することは「あり」だと思います!

普段会えないような方々と仕事ができることも海外就職の魅力の一つだと思いますよ!

− 力強いメッセージをありがとうございます! 大島さんの夢が実現できるよう応援しています。

***

ジェットスターラジオ でも大島さんのインタビューを聞くことができます。

>> 「内定辞退、新卒切符を捨て海外就職を選んだ理由」海外ラジオ 大島多希也(23) ベトナムホーチミン 日本式幼稚園運営

>> 「日本では会えない人に会える」海外ラジオ 大島多希也(23)ベトナムホーチミン日本式幼稚園運営

>> 「裁量権がある方を選ぼうと思った」海外ラジオ 大島多希也(23)ベトナムホーチミン 日本式幼稚園運営

***

著者紹介
JellyfishHR Co.,Ltd
2013年8月から日系人材紹介会社としてベトナムに進出。現在「ハノイ」「ハイフォン」「ホーチミン」の3拠点にて、日系、非日系問わず人材紹介サービスを提供しており、常に100件を超える日本人向けのベトナム勤務の求人・仕事を保有している。
◆ホームページURL : https://jellyfishhr.jp
ベトナム求人・転職・就職をお考えの方はこちら
Voice ~ベトナム最前線で働く人の声~
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
世界とアジアのベストホテル、ベトナムから多数選出 (10:42)

 世界最大の旅行プラットフォーム「トリップアドバイザー(Tripadvisor)」は、トラベラーズチョイスアワードの「ベスト・オブ・ザ・ベスト・ホテルズ」2025年版を発表した。  これは、2024年1月1日から12月31...

世界のステーキ店ベスト101、ハノイのヒバナ・バイ・光輝が選出 (9:17)

 ステーキレストランの世界ランキングを発表している「WORLD’S 101 BEST STEAK RESTAURANT」の2025年版で、ハノイ市の「ヒバナ・バイ・光輝(Hibana by Koki)」が54位に選出された。ベトナム

第13回越米国防政策対話、外交関係樹立30周年 (9日)

 ホアン・スアン・チエン国防次官と米国防総省インド太平洋安全保障担当のジョン・ノー国防次官補は8日、ベトナムと米国の13回目の国防政策対話を行った。両国は2025年で外交関係樹立30周年を迎える。  チエ...

世界のベトナム人街を訪ねて【ロンドン編】 (4日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。)  ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角カフェでベトナムコーヒーを1杯  国外に住むベトナム人、いわゆる越僑は、2024年末時点で世界130

ベトナムとアゼルバイジャン、戦略的パートナーシップに関係格上げ (9日)

 アゼルバイジャンを公式訪問したトー・ラム書記長は、同国の首都バクーで現地時間7日午後にイルハム・アリエフ大統領と会談した。1992年の外交関係樹立以来、ベトナム共産党書記長がアゼルバイジャンを訪問した...

ペトロリメックス社長、政府資本代表者の職務を一時停止 (9日)

 財政省は、石油・ガソリン小売最大手ペトロリメックス[PLX](Petrolimex)のダオ・ナム・ハイ社長について、政府資本代表者の職務を一時停止することを決定した。  

THACO、クアンナム省の自動車機械工業団地を拡張へ (9日)

 南中部沿岸地方クアンナム省人民委員会はこのほど、同省のチューライ・チュオンハイ拡張自動車機械工業団地のインフラ整備案件に関する投資方針を承認した。  投資主は、地場系コングロマリット(複合企業)...

タンソンニャット国際空港、開業間もない新ターミナルで雨漏り (9日)

 ホーチミン市タンソンニャット国際空港の第3旅客ターミナル(T3)で7日、雨漏りが発生した。投資総額11兆VND(約610億円)をかけて建設され、開業から1か月も経っていない新ターミナルでの出来事だった。  7日...

マングデン空港とバンフォン空港を全国空港開発計画に追加へ (9日)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、南中部高原地方コントゥム省で建設が計画されているマングデン空港と、南中部沿岸地方カインホア省のバンフォン経済区で建設が計画されているバンフォン空港を、「2050年...

ベトナム航空、アディエンと決済パートナーシップを拡大 (9日)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、オランダに本社を置き、決済プラットフォームを提供するアディエン(Adyen)との決済パートナーシップを拡大した。

ジエン商工相が主要企業と会合、米国との購買合意実施を加速へ (9日)

 相互関税への対応の一環として、米国側との交渉を担当するベトナム政府交渉団の団長を務めるグエン・ホン・ジエン商工相は7日、企業と会合を行い、米国との合意の実施促進について協議した。  会合に招へい...

ベトナム航空、インド・パキスタン衝突で欧州路線の飛行ルート変更 (9日)

 インドとパキスタンの衝突を受け、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)は、ベトナムと欧州を結ぶフライトの運行計画と飛行ルートの変更を発表した。  7日には、以

ホイアン:海岸で発見の古い木造船、数百年前に建造か (9日)

 南中部沿岸地方クアンナム省ホイアン市の海岸で2023年12月に発見された古い木造船は、数百年前に建造された古代船とみられている。同省文化スポーツ観光局は7日、木造船発見現場の監視と保護を関係機関に要請し...

地場企業、レイヤー1ブロックチェーンネットワークを開発へ (9日)

 地場ワンマトリックス(1Matrix)は6日、ベトナム人が設計・運営する国産のレイヤー1ブロックチェーンネットワークを開発・運営する計画を発表した。  同社は、企業や官民向けに包括的なブロックチェーンソリ...

村田製作所の生産子会社、ドンナイ省で新生産棟を着工 (9日)

 株式会社村田製作所(京都府長岡京市)の生産子会社であるムラタ・マニュファクチャリング・ベトナム・ホーチミンプラント(Murata Manufacturing Vietnam Co., Ltd. Ho Chi Minh Plant)は、新生産棟の建設を開始...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved