ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

第8回【新型コロナウイルスは人の心を試す】ベトナムにおける新型コロナウイルスの影響

2020/04/14 11:40 JST配信

みなさん、こんにちは!ホーチミン在住のベトナム人 ICONIC のHanです。コラム 「【日本人が知らない】ディープなベトナム案内」 では、ベトナムでの旅行やグルメ・文化・ショッピング・その他おもしろ情報を発信していきます。

さて、年末から現在までの間に、新型コロナウイルス感染(COVID-19)が世界中の国々で広まっています。今日までに213以上の国・地域で感染者が出ていて、その数は177万人以上(*)とされています。各地の人々は感染予防をしながら生活を送っていますが、ベトナムでもそうした対策が積極的に行われています。現在、ベトナムでは感染拡大の防止に成功しているとされていますが、それでも経済活動、店舗の営業、日常生活などの面で多くの影響を受けています。今回はこの危機に対して、いかに協力して立ち向かうかという内容をまとめてみました。皆さんぜひ参考にしてみてください。

* 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)WHO公式情報特設ページ より(2020年4月14日時点)

引用: VinID

「困難な時にこそ、真の人情が分かるものだ」とよく言いますが、ベトナムでは「新型コロナウイルスは人の心を試す」という言葉を目にします。実際に大企業から個人の様々な言動が報道をされています。

1 経済面、産業面に向けた救済措置

ベトナムでは既に多くの分野で直接的・間接的に深刻な影響を受けています。特に産業分野では、機械設備の部品材料を中国からの輸入に依存しており、他企業へ製品提供を行うメーカーがたくさんあります。つまり、どちらかの企業が営業を停止すれば、その生産ラインも止まってしまい、最終的には国全体の経済活動に影響を与えることになります。

こうしたこともあり、多くの企業やビジネスマンがベトナムの経済を支援するために様々な援助案を政府に提出しました。その提案書の中では、適切な資材を柔軟に貯蔵し、サプライチェーンを立て直すことが、国内の企業を助けるために一番必要な戦略であるとしています。一方、政府は経済を再構築し、国力を回復させ、国外の変動に耐えられる自主独立の経済政策を推し進めています。

2 観光産業への影響

今回の経済危機の中で、観光産業は最も大きな影響を受けた産業だと言えるでしょう。通常時、中国からベトナムへの観光客は全体の30%を占めています。さらに外国人観光客だけでなく、国内観光客もまた観光産業を支えていますが、これらの多くが減少しています。これは大勢の人々が集まるイベントが制限されているのも間接的な理由として考えられるでしょう。ツアー客による予約のキャンセルは、ホテル産業、飲食サービス業、小売り業などの分野に大きな影響を与えています。

3 銀行業界での支援策について

現在のような混乱する情勢の中では、自身の健康を守るのが最も大切なことです。十分な体力があれば、病気に打ち克ち、困難な経済状況にも耐えることができます。銀行業界でもサポートパッケージをはじめとした、企業・人を支援するサービスが出ています。具体的には、VietcombankVietinBankVP Bank などの大手銀行は新型コロナウイルスの影響下で損害を受けた企業や個人に対してローン利息の軽減や、返済猶予などの柔軟な対応策を表明しています。また、 HD Bank は国内で医薬品、医療設備を提供する企業の返済金を50%減らすとしています。この他にも、特別な優待サービスを提供している銀行があります。全てはこの困難の中、企業活動を支援するという目的のためです。

4 農業への支援策

ベトナム農業の主な輸出市場は中国ですが、新型コロナウイルス感染の広がりにより、中国との貿易拠点が長時間封鎖された結果、輸出をすることができず、果物などの大量の農作物が国内に溢れてしまいました。けれども、この事態を受け、全国の果物を活用し農家を助けようという活動が広まりました。例えば多くの個人、組織、企業がスイカ、ドラゴンフルーツ、ドリアン、ジャックフルーツなどを高値で購入し、それを平常時と同じ値段で販売しました。また、そうした流れの一環として、各フルーツを使った ドラゴンフルーツパン 、ドラゴンフルーツピザ、スイカブンなどの新しい食べ物が誕生しています。私も ダクラク省 産のスイカを買い、独特な味のドラゴンフルーツパンを味わうという小さな貢献をしました。

5 愛情、生活必需品をシェアする

支援策にとどまらず、お互いの思いやり・愛情をシェアし、生活必需品を分け合うことが重要です。皆さんもご存知の通り、新型コロナウイルス感染を防ぐためにマスクと消毒液は一番大切で、常に身に付けなければならない物です。どの国でもマスクと消毒液を買い占めるという大変な状況が起こっています。ベトナムではそうした必需品を企業や個人に向けて無料で配り、感染予防の意識を向上させています。

6 メディアの利用

最後に、保健省が人気曲「Ghen」を基に作成した「Ghen Cô Vy」という歌を紹介します。これはCOVID-19の感染予防を応援歌となっており、SNSを通して世界中の人々の関心を集めています。

それから、ベトナムの若者によって「Vu dieu rua tay (手洗いダンス)」も生み出されました。この動画は日本のテレビ番組「サンデージャポン」でも放映されました。皆さん、ご覧になりましたか?

今日まで、ベトナムでも新型コロナウイルス感染者が増えていて、世界的にも状況が深刻化しています。多くの国々で貿易や航空便の発着が止まり、飲食店やイベントスペースを閉鎖、さらには都市封鎖を実施している国もあります。刻一刻と状況が変わっていますが、私たちは感染を予防するためにマスクを身に着け、手を消毒し、混んでいる所に行かないという、簡単にできる有効な対策を心がけましょう。ベトナムも日本も国際社会も、政府や個人の協力の下、この感染症に対する一日も早い収束を望んでいます。

著者紹介
ICONICベトナム
ベトナムで転職実績No.1を誇るICONICです。ベトナムでの転職支援・求人紹介を行っています。ベトナムの生活情報をお届けするブログも運営しており、ベトナム旅行、ベトナム料理、文化、ショッピング、その他おもしろ情報を発信中!生活に役立つ情報を現地からお届けします。

>> ベトナムでの転職・求人ならiconicJob

>> 海外転職・アジア生活ブログ
【日本人が知らない】ディープなベトナム案内
その他の記事はこちら>
© Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
100万VND未満の少額輸入品、8月1日からVAT自動徴収 (5:13)

 税関当局は8月1日から、少額輸入品に対する付加価値税(VAT)の自動徴収を開始する。対象となるのは、宅配便サービスを通じて輸入される100万VND(約5600円)未満の少額商品。  ベトナムには毎日、約400万~500...

ベトジェットエア、ダナン~クアラルンプール線を10月26日就航 (4:51)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は10月26日、南中部地方ダナン市とマレーシアのクアラルンプールを結ぶ直行便を就航する。  同路線は週

ベトナム航空、創立30年で3.5億人目の乗客を迎え入れ (4:10)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、北中部地方フエ市のフーバイ国際空港で、1995年の創立から30年間で3億5000万人目となる乗客を迎え入れた。  3億5

世界のベトナム人街を訪ねて【ベルリン編・後編】 (13日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) 【ロンドン編】はこちら 【パリ編】は

トーアミ、積算事業を100%出資会社に分離・移管 開所式を開催 (3:45)

 土木建築用資材の製造販売と土木建築工事を手掛ける株式会社トーアミ(大阪府四條畷市)はホーチミン市で11日、積算事業を担う100%出資会社「トーアミ・ベトナム(TOAMI VIETNAM)」の開所式を開催した。  ト...

ホーチミン:ベトナム最大の美容・化粧品展示会、7月24日から (2:36)

 ホーチミン市旧7区のサイゴンエキシビション&コンベンションセンター(SECC:799 Nguyen Van Linh, phuong Tan My, TP. Ho Chi Minh)で、7月24日(木)から26日(土)まで、ベトナム最大の美容・化粧品展示会「ベト...

フォンニャ・ケバン国立公園、国内初の「国境を越える世界遺産」に (15日)

 フランスの首都パリで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第47回世界遺産委員会で13日、北中部地方クアンチ省(旧クアンビン省)の世界自然遺産「フォンニャ・ケバン国立公園」の境界線を変更し、ラオ...

北部のイエントゥー遺跡・景観群、世界遺産に登録 国内9件目 (15日)

 フランスの首都パリで開かれている国連教育科学文化機関(ユネスコ)の第47回世界遺産委員会で12日、ベトナムのイエントゥー遺跡・景観群が、世界文化遺産に登録された。  今回登録された「イエントゥー=ビ...

ベトナム初の工業団地、設立62年で全インフラサービス停止へ (15日)

 東南部地方ドンナイ省の第1ビエンホア工業団地を運営する工業団地開発総公社[SNZ](Sonadezi)は、8月1日より同工業団地の入居企業に対する電気・水道・排水処理などのインフラサービ

ビンファスト、年内にインドでショールーム32店舗を展開 (15日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)はこのほど、インド市場への進出を加速させるべく、同国の

ベトナム人行方不明者の遺骨DNA鑑定、新研究室が開所 米国援助 (15日)

 ベトナム科学技術研究所(VAST)傘下のDNA鑑定センターに、米国の援助により先進的な機器や技術を導入した新たな研究室が設置され、このほど開所式が行われた。  開所式には、マーク・ナッパー駐ベトナム米国...

ベトナムの「ロト6」で過去最高の当選額、賞金19.3億円 (15日)

 財政省傘下のベトナムコンピュータ宝くじ社(ベトロト=Vietlott)は、12日に行われた数字選択式宝くじ「パワー6/55(Power 6/55)」の抽選で特賞(Jackpot 1賞)の当選者が出たと発表した。  今回の当選番号は「...

ホーチミン市、ズン元首相の長男ギ氏を党機関委書記に任命 (15日)

 国家構造スリム化の一環として、7月1日に旧ビンズオン省と旧バリア・ブンタウ省の2省を吸収合併した新ホーチミン市の共産党機関委員会は9日に開いた会議で、新ホーチミン市共産党機関委員会(2020~2025年任期)...

ハイブリッドテクノロジーズ、ジンアースと業務提携 (15日)

 日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドなシステム開発を行う株式会社ハイブリッドテクノロジーズ(東京都中央区)と同社グループは、SES事業やITインフラ構築事業などを展開する株式会社ジンアース(東...

ハノイ:26年7月から環状1号線内でガソリンバイクを全面禁止へ (15日)

 ベトナム政府は、大気汚染の深刻化に対応するため、2026年7月1日以降、ハノイ市の環状1号線内でガソリンを燃料とする二輪車(バイク・モペット)の通行を全面禁止する方針を打ち出した。これは、ファム・ミン・チ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved