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【第62回】ベトナム人はECで何を買っているのか?

2023/04/24 14:00 ICT配信

ベトナムのオンラインショッピング業界は増加傾向にあり、小売業界全体を上回るペースで成長しています。今回は、ホーチミンとハノイで定期的にオンラインショッピング利用者を対象に、よく利用するカテゴリーやECショップなどを理解するための調査を行いました。

Shopeeがダントツの人気

人気のあるECショップを見てみると、Shopeeが最も人気がありLazadaがそれに続いています。またこういった巨大ECプラットフォームだけでなく、Facebookなどから商品を購入するソーシャルコマースの人気が高いのがベトナムの特長です。ソーシャルコマースにおいては、ベトナムの中小企業や個人が商品を販売する際に人気のあるFacebookだけでなく、TikTokでのEC購入も人気があり、Facebookに続くオンラインソーシャルコマースチャネルとなっています。

価格・情報(レビュー)・商品の豊富さがECの購入理由

ベトナム人がオンラインで購入する理由は、価格やプロモーションの良さ、情報(レビュー)の良さ、商品の豊富さなどが挙げられます。ShopeeやLazadaのECプラットフォームは、価格や商品の豊富さ・配送などのサービスの良さが優れているといった特長があります。ソーシャルコマースはFacebookなどからチャットで直接買い物できる使いやすさが、The Gioi Di DongやDien May Xanhなどのような特定業種を扱うECサイトは、カスタマーサポートが優れていると考えられています。

美容・健康・ファッションでの高いEC利用率

それではどのような商品がECでよく購入されているのでしょうか?ECサイトでの購入行動をカテゴリー別に見てみると、美容・健康・ファッションのカテゴリーがオンラインでよく購入されていることがわかります。回答者の38%が美容・健康商品の主な購入チャネルとしてオンラインを挙げており、ファッションも同比率で32%となっています。

用途によって利用チャネルを使い分け

また、ECの定期的な利用者は、カテゴリーによって購入先を使い分けるなどスマートな購入を行なっています。ベビー商品・ファッション・美容健康などの分野の購入はECプラットフォームの利用が高く、ファッション・美容健康についてはソーシャルコマースも併用されています。一方、IT・電化製品・食品などに関してはそれぞれの専門のオンラインショップを利用していることがわかります。それぞれのカテゴリーで人気があるのは、ITはThe Gioi Di Dong、家電はDien May Xanh、食品はBach Hoa Xanhです。

これらのデータからECへの依存度と利用ショップの傾向を整理すると下記のようになります。ファッション・美容健康の分野は、ECの利用が進んでいるカテゴリーであり、ECプラットフォームとソーシャルコマースが利用されています。一方で、食品と家電は、まだECに依存するには至っていません。これらの分野ではECをする場合でも、専門店での買い物を好む傾向があります。

オンラインショッピングの利用者が、カテゴリーによって異なる行動をとるのには下記のような理由が考えられます。

  • 価格設定: 家電やITは大きな買い物になるため、より慎重に購入が検討されます。情報収集はインターネットに頼るものの、購入は大手小売店で・・という方が殆どです。
  • 鮮度とタイミング: 食品カテゴリーにおけるECを利用しない主な理由と考えられます。自分の目で見極めて・・という考えを持つ顧客が多い点や「今すぐ使いたい」という場合が多く、配送がネックになっています。
  • 商品の多様性: 特にファッションや美容健康分野に当てはまります。商品が多種多様で、大きな店でもすべてを紹介することはできません。ネットで自分に合った魅力的な商品を見つける楽しみが浸透しています。
  • 情報: 正しい買い物を行うためにレビューなどの情報が重要になっています。家電やITの場合は、テクノロジーのカバー領域が広く主体的に理解するには難易度が高いため、専門家の声を店舗で聞きたいという需要があります。一方、健康や美容の分野では、マーケティング的な情報が多く一人ひとりのニーズが異なるため、レビューという形で信頼できる消費者の客観的な声を求める傾向が強くあります。

オンラインショッピングは著しい成長を遂げている一方で、まだいくつかの障壁が残されています。とはいえ、数年前まではベトナムの人々が化粧品をオンラインで購入することは限定だったように、テクノロジーとマーケティングによって数年後には大きくECの利用が変化している可能性は高いと思います。オンライン市場の普及率は今よりもより高くなり、ベトナムの人々がより便宜性を求めるように変化していくのではないでしょうか?

著者紹介
株式会社Asia Plus代表取締役社長 黒川賢吾

株式会社Asia Plus ( www.asia-plus.net )代表取締役社長。
NTT、ソニー、ユニクロにて海外マーケティングを担当。
2014年にAsia Plusを設立しベトナムマーケットリサーチサービス
「Q&Me( www.qandme.net )」を展開中


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