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ベトナム経済を振り返る:国内総生産(GDP)成長率編 2023年版

2024/02/08 06:48 JST配信
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統計数字について  ベトナムにおける経済統計は、計画投資省傘下の統計総局(GSO)やベトナム国家銀行(中央銀行=SBV)の発表統計、更には世界銀行(WB)、アジア開発銀行(ADB)の発表に頼るところが大きい。しかしながら公式統計で捕捉している数字は、ベトナム国営企業群、上場企業群、外資系企業群が中心であり、ベトナム人民軍やベトナム人民公安の関連企業、自営業・個人事業主の経済活動まで十分捕捉されているとは言い難い。

 ベトナムの経済規模は公的機関が捕捉して発表している数値よりも実際にはもっと大きい。特に都市部においてはその乖離が顕著であることを念頭に置く必要がある。また、農村部における食料の自給自足も統計に反映されないため、1人当たりの国内総生産(GDP)が小さいわりに生活水準はそれほど低くない印象を受けるかもしれない。

 これに関連し、GSOは2019年12月、2010年~2017年のGDPの見直し結果を公表した。ベトナム人民軍やベトナム人民公安の関連企業など、これまで統計に含めていなかった対象を加えた結果、同期間のGDPは従来の統計結果を年平均で25.4%上回った。ベトナム政府はこうしたように、統計に含まれていなかった数々の経済主体のデータを反映させ、経済の実態を把握することで適切な政策を打ち出す方針だ。
 

マクロ経済:国内総生産(GDP)成長率

 ベトナム経済の成長を牽引してきたのが、1986年にスタートしたドイモイ(刷新)政策を背景に1990年代半ばから本格化した外国企業の受け入れと都市部の民間企業の成長であったことは言うまでもない。1997年にアジア通貨危機があったものの、1995年以降一貫して、外国からの直接投資(FDI)が農水産加工業・軽工業の成長を牽引し続けた。

 1995年の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟と米国との国交正常化の前後が第1次投資ブーム、2007年の世界貿易機構(WTO)加盟前後が第2次投資ブーム、そして2010年前後の円高の急進、および尖閣諸島問題が顕在化しチャイナリスクが強く意識されるようになった頃からが第3次投資ブームと呼ばれる。ベトナムはWTO加盟後も国際経済への統合を意欲的に推進し、日越経済連携協定(VJEPA、2009年発効)や、ベトナム韓国自由貿易協定(VKFTA、2015年発効)、ユーラシア経済連合(EAEU)とベトナム間の自由貿易協定(VN-EAEU FTA、2016年発効)、米国抜きの新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)である包括的および先進的な環太平洋パートナーシップ協定(TPP11=CPTPP、2019年発効)、ベトナムEU自由貿易協定(EVFTA、2020年発効)など複数の二国間・多国間の貿易協定を締結しており、これらも外資誘致の原動力になっている。

 農水産加工品や軽工業製品の輸出産業、輸出加工型産業の生産拡大と雇用促進によって、GDPは1990年代からこれまでに増加の一途を辿っている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、2020年と2021年のGDP成長率はそれぞれ+2.91%、+2.58%となり、以前から大幅に減速したものの、ベトナム政府による新型コロナの早期かつ効果的な封じ込め政策や経済振興策が功を奏しプラス成長を維持したことが評価できる。

 新型コロナの収束後、内需と輸出が力強く回復したことにより、2022年のGDP成長率は前年の+2.58%から+8.02%へと大幅に加速した。2023年のGDP成長率は+5.05%に減速したものの、引き続き高水準を達成した。

 2023年の名目GDP額は1京0222兆VND(約4140億USD)だったと推定される(GSOデータ)。全国人口(約1億人)に基づいた国民1人当たりのGDPは約4140USDとなった計算になる(為替レート: 1USD=24,702VND)。



 前述のように、国民1人当たりのGDPが小さいわりに生活水準はそれほど低くない。2022年における国民1人当たりの購買力平価(PPP=ある国である価格で買える商品が他国ならいくらで買えるかを示す交換レート)ベースのGDPは1万3461USDで、同年の国民1人当たりのGDP(4164USD)の3.2倍に相当し、東南アジア地域ではフィリピンを上回り、インドネシアを下回る水準となっている。

 ベトナム以外の東南アジア諸国は、◇シンガポール:12万7607USD、◇ブルネイ:6万9298USD、◇マレーシア:3万3525USD、◇タイ:2万0679USD、◇インドネシア:1万4658USD、◇フィリピン:1万0137USD、◇ラオス:9387USD、◇カンボジア:5355USD、◇ミャンマー:5020USD、◇東ティモール:4657USD。なお、日本は4万5584USDだった(WBデータ)。

 なお、ベトナムは2023年、主要な経済パートナーである米国と日本の大国2か国との関係をそれぞれ格上げし、包括的・戦略的パートナーシップを構築した。包括的・戦略的パートナーシップの締結により、長期的に相互に支援し、相互利益となるあらゆる分野で広範かつ包括的な協力を推進し、戦略的相互信頼を構築していく。2024年1月までに、ベトナムと包括的・戦略的パートナーシップを結んでいるのは、◇中国(2008年)、◇ロシア(2012年)、◇インド(2016年)、◇韓国(2022年)、◇米国(2023年9月)、◇日本(2023年11月)の6か国となっている。

[2024年2月6日 ベトジョーニュース A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
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