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JFEスチール株式会社(東京都千代田区)は、ベトナムの鋼構造技術者を育成し、現地の社会インフラの発展に貢献することを目的として、経済産業省が所管する民間技術協力機関である海外産業人材育成協会(AOTS)の補助金により、ベトナム土木工学専門国立大学(NUCE)とベトナム国家大学ホーチミン市工科大学(HCMUT)の2校で2016年度から2019年度までの4年間にわたり、鋼構造に関する寄付講座を実施してきた。このたび、同講座がNUCEの正式カリキュラムとして開講された。
JFEスチールは2012年度より、NUCEとHCMUTとともに鋼構造に関する共同研究を進めており、短工期対応が可能であること、デザイン性の高さ、耐震性の高さなど、鋼構造の優位性をPRしてきた。
2017年2月に開講した寄付講座では、各大学で毎年約30人の学生や大学講師を対象に30講義以上を実施し、4年間で延べ約300人が受講した。日本がベトナムで行っている政府開発援助(ODA)プロジェクトの紹介をはじめ、鋼構造建築物・鋼製橋梁の設計技術や要素技術の紹介・演習、JFEスチールがベトナムで出資する企業の工場見学会などを実施。講座終了後には、各大学から大学講師を日本に招き、継続的な講座開設に向けた講師育成も図ってきた。
2020年度からは、NUCEで寄付講座の内容を組みこんだ講義が正式カリキュラムとして開講されることとなった。この講義は、寄付講座を通じて育成された若手教員によって運営され、毎年150人ほどの履修者が見込まれている。
HCMUTでも同様に寄付講座の正式カリキュラム化を推進しており、関係機関の承認が得られ次第、新たな講義が開講される予定。