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株式会社日立製作所(東京都千代田区)は、ベトナム郵便総公社(ベトナムポスト=Vietnam Post)およびベトナムの消費者金融機関であるベトクレジット(VietCredit Finance Company)と、ベトナムでの新たな金融サービスの確立に向けて協業を開始する。
エンドユーザーとベトクレジットのオペレーターをビデオ通話でつないで個人ローンの申込・契約などを可能にする日立のタブレット型自動契約端末「C-ACM」をベトナムポストの40拠点で5月より導入する。今後、ベトナム全国に展開するベトナムポストの各拠点に同サービスを拡大していくことを目指す。
ベトナムポストは国営企業として、政府の方針に基づき積極的にデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しており、2017年には日立との協業による非現金サービスの提供を開始した。また、ベトクレジットと日立は、2020年6月より「C-ACM」の取り組みを開始し、両社で効果検証を重ねてきた。
今回、日立の持つ日本の金融機関向けチャネルシステムの豊富な構築実績によるノウハウと、ベトナムポストの全国63省・市にわたる大規模な拠点ネットワーク、さらにはベトクレジットの市場ニーズに応えた金融商品を組み合わせた新たな金融サービスを確立し、これまで金融サービスが行き届いていなかった農村部をはじめとする地方にも都市部と同等の便利で質の高いサービスを提供するなど、ベトナムの社会課題の解決に取り組む。
具体的には、ベトナムポストの拠点に「C-ACM」を設置し、ローンの申し込み受け付けから契約までを可能にするサービスをベトクレジットが提供する。申し込み時は、タブレット端末の通話機能を使い、エンドユーザーとベトクレジットのオペレーターをつなぎ、タブレットで撮影した本人確認書類から申込情報の確認・修正をオペレーターがその場で実施することができ、書類の再提出などの手戻りの発生を防ぐ。
また、審査では、稀な事象の発生を予測できる日立の人工知能「Hitachi AI Technology/Prediction of Rare Case(AT/PRC)」を活用し、審査スキルの属人化を防ぐとともに、より精緻な審査が可能になるため貸出限度額の引き上げにつなげることも期待できる。さらに、「C-ACM」の「Re-Entry機能」により再来店後も途中からの申し込み手続きが可能となる。
なお、今回の協業において、「C-ACM」の開発・運用は、日立のベトナム現地法人である日立アジア(ベトナム)(Hitachi Asia (Vietnam))が対応する。
今後、ベトナムポストとベトクレジットの両社が提供する商品・サービスを連携した新たなビジネスの展開など、協業をさらに加速する。将来的には、個人ローンだけでなく、保険をはじめとするその他の金融サービスや公共サービスなどへの対応、さらにはすでに展開しているベトナムポストの非現金サービスとの連携も検討する。