ホーチミン市警察は8日、オーストラリア越僑の男性を拉致(らち)し、身代金を奪おうとした5人組を逮捕したと発表した。逮捕されたのはいずれも同市ゴーバップ区在住の21~36歳の男5人で、このうち2人は前科持ちだった。
調べによると、この5人組は6月上旬にHという男の紹介で知り合った女にオーストラリア越僑のTNさん(33歳)から4万5000米ドル(約480万円)の借金を取り立てることに成功すれば、半額を報酬として渡すとの話を持ちかけられたという。
5人組はHと共謀して、6月22日午後9時半ごろ市内のチュオンソン通りを歩いていたTNさんを短銃で脅して近くのカフェに連れ込んだ。その後、連絡を受けた女がやって来て「借金を返さなければ殺す」と脅迫したが、TNさん自身には支払い能力がないことが判明したため、犯人グループはTNさんの家族に電話をして60億ドン(約3900万円)の身代金を要求した。これに対し家族は支払いを2回に分けることを提案し、翌23日に4400米ドル(約47万円)と11億ドン(約700万円)と金(きん)を支払った。TNさんはこの時解放された。
2回目の支払い日であった7月7日深夜、犯人グループは待ち合わせ場所を何度も変えて捜査のかく乱を狙ったが、受け渡しの最中に捜査員に現行犯逮捕された。