ホーチミン市警察は5日、市内の複数の銀行やホテルに爆弾を仕掛けられたくなければ金を払えと恐喝行為を繰り返していたとして、同市5区在住のボー・アイン・トゥアン(22歳・男)容疑者を逮捕したと明らかにした。
この事件は、4月17日に市内のドンア(東亜)銀行とベトナム外商銀行(ベトコムバンク)の支店に、10万米ドル(約1000万円)を指定口座に送金しなければ爆弾を仕掛けるというメールが送り付けられたことを発端とする。さらに4月23日から5月6日にかけて、市内の高級ホテル3カ所(ニューワールド、レジェンドサイゴン、カラベル)にも同様のメールが送り付けられた。実際にレジェンドサイゴンでは手製爆発物が1階トイレ付近で発見されている。
これらの銀行やホテルから通報を受けた警察は、インターネット各社と協力の上、このメールの送り主がホーチミン市5区にいる可能性を突き止めた。警察は犯人をおびき出すため、レジェンドサイゴンの担当者と協力し現金の受け渡しを設定、5月18日に受け渡し場所に現れたトゥアン容疑者の身柄を確保することに成功した。同容疑者の自宅からは、実際に爆発物を作るための材料が発見された。
トゥアン容疑者は、犯行の動機として自身と家族に多額の借金があり金に困っていたと供述している。また、同容疑者は捜査のかく乱を狙って恐喝メールを外国のプロバイダを経由して送信していた。さらに同容疑者は爆発物の作り方をインターネットのウエブサイトで知ったと話しているため、ホーチミン市警察はこうしたサイトの削除を情報通信省に提案した。