ハノイ市警察は20日、貿易会社の取締役会議長を脅迫し財産を奪おうとした男9人を現行犯逮捕するとともに、この事件の首謀者として税関総局職員チャン・ホン・ナム(37歳・男)を逮捕したと発表した。
ベトナム投資貿易建設工業株式会社のレ・チュン・ヒエウ議長は18日、ハノイ市内の食堂で昼食を取っていたところ、10人ほどの男たちに突然取り囲まれタクシーに乗るよう強制された。男たちはヒエウさんをカラオケ店に連れて行き、殴る蹴るの暴行を加えて25億ドン(約1220万円)の借用書を書かせ、さらに1億ドン(約50万円)を前払いしなければ、脚を切り落とし家族にも危害を加えると脅迫した。
いったん解放されたヒエウさんは警察に通報、同日午後11時に男たちが指定したカフェに現金7000万ドン(約34万円)を持参し引き渡したところに、張り込んでいた警察官が踏み込み男9人を現行犯逮捕した。
警察の取り調べに対し、男らは今回の犯行の首謀者は税関総局職員のチャン・ホン・ナムで、今月16日にヒエウさんから金を奪うよう頼まれたと証言。逮捕されたナム容疑者は、ヒエウさんのビジネスに40億ドン(約1950万円)を出資したが、ヒエウさんが赤字を理由に返済の要求に応じないため知り合いのやくざに金を奪うよう依頼したと供述した。