ホーチミン市10区にあるチャン・ニャン・トン市場では、毎朝8時になると同市場の管理委員が各店を回り、いわゆる「所場代」を1日あたり1~2万ドン(約75~150円)を徴収する。その名目はとりあえず、市場使用料、ゴミ代、コミッション料などと呼ばれてはいるが、業種や店の規模によって納める金額は異なり、当然のごとく領収書類などは一切発行されない。例えば、店の面積が同じ2軒の肉屋でも、一方は2万ドン、もう一方はその半額しか納めていなかったり、日によって金額が違ったりというように、まったくの気分次第なのである。
この「所場代」は、一応市場のある地元行政組織である第2地区の規定により、市場が徴収後に同地区の人民委員会へ納めている合法料金だ。しかし、徴収する金額が一定でないなど、管理はいい加減で、実際に徴収されたお金がどこに流れていくかは不透明だ。