メコンデルタ地方キエンザン省ゾンジエン郡では、夏休みの間、小学校の先生にも子供たち同様2000問の算数の問題を解くようにとの決定が出され、先生らは困惑している。
この決定は昨年4・5年生に対して行われたテストの結果がすべて平均を下回ったことを受けたもの。同郡教育訓練局は、夏休みに1~5年生の児童に与えた算数の練習問題と同じものを解いて、その解答を7月15日までに提出するよう、同郡の先生約1000人に義務付けた。先生のスキル向上が狙いという。
しかし問題の量が非常に多く、教師の知性に対する侮辱とも受け取られている。ある教師は「教育訓練局の決定にわれわれは首をかしげている。単純な計算問題を大量に解かせて何になるんだ。もっと重要な問題に注力すべきなのに」と話し、夏休みになっても問題を解くのに時間を取られて他に何もできないでいるという。宿題が多すぎるため、夫や子供らに問題を解くのを手伝ってもらっている女教師もいる。
教師らの不満の声を受けて、同省教育訓練局のル・バン・ニュット局長は13日、郡当局に「決定の意図は分かるが拙速過ぎる」と中止を呼びかけた。これに対し同郡教育訓練局のチャン・バン・ディエン局長は、決定の欠点を認め「代わりの対策を見つける」と語った。