ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

タンロン遺跡の発掘調査、最新の成果を報告

2015/12/16 14:41 JST配信
(C) hoangthanhthanglong
(C) hoangthanhthanglong

 ハノイ市バーディン区の世界文化遺産タンロン城王宮跡(タンロン遺跡)で14日、2015年度敬天正殿(chinh dieh Kinh Thien)区域発掘調査結果予備報告会議が開催され、タンロン・ハノイ遺産保存センター及びベトナム考古学研究所は、新たに発見された遺構や遺物など最新の成果について報告した。

 2015年度は、正殿の城門である端門(Doan Mon、正殿の城門)の北側、黎(レ)朝(1428~1527年、1532~1789年)以降の正殿である敬天正殿の西南部分に当たる地区(総面積約1000m2)で発掘調査を行った。敬天正殿は現在、龍が飾られた階段しか残存していないが、かつては階段の上に李(リー)朝(1009~1225年)や陳(チャン)朝(1225~1400年)の宮殿の基礎の上に築いた正殿があった。現在の建物は、フランス植民地時代にフランスが建てたものだ。

 ベトナム考古学会のトン・チュン・ティン会長によると、今年度までの調査で黎朝時代の敬天正殿の謁見場や壁、廊下といった構造が明らかになった。また、端門の外部で数年前に発見された李朝の巨大水路についても新たな知見が加わったほか、陳朝の花壇跡なども発見されている。

 同会議で歴史科学会のファン・フイ・レ会長は、2011年から2015年までの5年間における発掘調査をまとめると共に、今後の研究方針を定めるべきとし、敬天正殿の空間復元に向けた研究を含めて総体的且つ長期的な計画を立てる必要があると述べた。

 同遺跡は、大羅(ダイラ、8~9世紀)から丁(ディン)朝(966~980年)、前黎(レ)朝(980~1009年)、李朝、陳朝、黎朝、莫(マク)朝(1527~1677年)、阮(グエン)朝(1802~1945年)の各時代の10世紀以上にわたる文化層が重なり合っている。現在までに行われた発掘調査では発掘坑の深さが5mに達した地点もあり、当時の様子を物語る様々な遺構や遺物が出土している。

【関連記事】

歴史学者ファン・フイ・レ氏に最後の別れ、元国家主席ら葬儀参列 (2018/06/28)
歴史学者のファン・フイ・レ氏が死去、福岡アジア文化賞受賞 (2018/06/26)
新国会議事堂に「地下博物館」、タンロン遺跡の遺構・遺物を展示 (2016/05/24)
ハノイ市、タンロン遺跡の遺物638点をホーチミン市に寄贈 (2015/09/30)
新国会議事堂地下にタンロン遺跡の遺構・遺物を展示へ (2015/09/07)
タンロン遺跡で李朝時代の宗教建築遺構を発見、考古学者ら保護求める (2014/11/04)
新国会議事堂を10月から試運用、タンロン遺跡管理問題は解決せず (2014/08/13)
ユネスコ、タンロン遺跡での違法建設に対する説明を要求 (2014/08/05)

[Kim Yen, Trung tam bao ton di san Thang Long - Ha Noi, 14/12/2015 09:24, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
国会、人口法を可決 第2子出産で産休延長・社会住宅優先 (6:21)

 国会は10日、人口法を賛成多数で可決した。同法は8章・30条で構成され、2026年7月1日に施行される。  同法には、代替出生率(長期的に現在の人口規模を維持できる出生率)の維持を目的とした複数の措置が盛り...

ドンナイ省:メトロ1号線のロンタイン空港延伸、投資総額3600億円 (6:15)

 東南部地方ドンナイ省人民評議会は10日、ホーチミン市都市鉄道(メトロ)1号線(ベンタイン~スオイティエン間)を同省の新行政センターおよび建設中のロンタイン国際空港まで延伸する計画を承認した。  ドンナ...

ホーチミン:聖母マリア教会の新しい十字架が到着、聖別の儀式 (5:23)

 ホーチミン市のドゥックバー(聖母マリア)教会で8日、同市大司教区のグエン・ナン大司教が、新しい2本の十字架の聖別の儀式を執り行った。これにより、教会修復事業の最も重要な項目の1つがほぼ完了したことにな...

車いすでピックルボールに打ち込む人々 (7日)

 グエン・バン・フアンさん(男性・40歳)は毎週、東北部地方クアンニン省からハノイ市まで100km以上の道のりを三輪バイクで走り、ピックルボールに打ち込んでいる。フアンさんにとって、ピックルボールは障がいへ...

伊ピアジオ、ベトナムでのバイク累計生産200万台突破 (5:08)

 イタリアのバイク・自動車メーカーであるピアジオ(Piaggio)の現地子会社ピアジオ・ベトナム(Piaggio Vietnam)は、2007年の進出から18年で、ベトナムにおけるバイクの累計生産台数が200万台に達したと発表した。...

ハロン湾クルーズ、世界的アワードで2年連続受賞 (4:58)

 2025年度の「ワールド・クルーズ・アワード(World Cruise Awards=WCA)」がこのほど発表され、東北部地方クアンニン省に本社を置くベトトゥアン運輸(Viet Thuan)が運航する「グランド・パイオニアクルーズ(Gran...

ベトジェットエア、12月12日限定で運賃100%割引キャンペーン (4:07)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は、12月12日(金)のベトナム時間午前0時から23時までの1日限定で、すべてのベトナム国内線と国際線の航空券を対象に、

ベトジェットエア、ホーチミン~マニラ線をデイリー運航に (3:37)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は12月19日、ホーチミン市とフィリピンのマニラを結ぶ直行便を増便し、デイリー運航とする。  出発時

ワークアカデミー、HUTECH大学などと教育・人材育成で協力 (2:26)

 大学授業運営や資格講座運営などの教育サービスを展開する株式会社ワークアカデミー(大阪府大阪市)は11月28日、ホーチミン市技術大学(HUTECH)およびゴエン・ビジネス・トレーニング(GOEN Business Training)と...

国会、改正税務管理法を可決 課税方式を定額から売上ベースに (10日)

 国会は10日、改正税務管理法を賛成多数で可決した。同法は9章・53条で構成され、2026年7月1日に施行する。ただし、一部の規定は2026年1月1日に前倒しで施行する。  同法では、適用対象を拡大し、ベトナムで...

フーコック国際空港、26年年初からサングループが運営引継ぎ (10日)

 観光不動産開発を手掛けるサングループ(Sun Group)傘下のサン空港社(SAC)は、フーコック国際空港(南部メコンデルタ地方アンザン省フーコック島)におけるベトナム空港社[ACV](Airpor

インボイス不発行の罰金額を規定、26年1月施行の新政令 (10日)

 税務・インボイスに関する行政処分を規定した政令第125号/2020/ND-CPの一部を改正・補足する政令第310号/2025/ND-CP(2026年1月16日施行)では、税務・インボイス違反に対する処分内容が更新される。  新政令...

THACOと韓国現代ロテムが戦略提携、高速鉄道車両の国内生産で (10日)

 地場系コングロマリット(複合企業)チュオンハイグループ(Truong Hai Group=THACO)は4日、鉄道車両や軍用兵器等を生産している韓国の現代ロテム(ヒョンデロテム=Hyundai Rotem)との間で、ベトナムの高速鉄道お...

電動車両の充電サービス向け電気料金、最大25円/kWhに (10日)

 商工省はこのほど、電動車両の充電サービスに対する小売電気料金の規定を盛り込んだ通達第60号/2025/TT-BCTを発出した。同通達は、一部条項を除き即日施行された。  電動車両の充電サービスに対する小売電...

ベトナム・カンボジア首相が会談、新たな国際国境検問所も開通 (10日)

 ファム・ミン・チン首相とカンボジアのフン・マネット首相は8日、タンナム(ベトナム南部地方タイニン省)・メウンチェイ(カンボジア南部プレイベン州)国際国境検問所の開通式の共同主宰に合わせて、会談を行った...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved