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ベトナム人の女性観光客が英国・ヨーク市で今月6日から行方不明になっていた事件について、市警察は女性の失踪に関与した疑いで容疑者10人を逮捕したことを明らかにした。行方が分からなくなっていたのは、北中部地方クアンビン省出身のレ・ティ・ジエウ・リンさん(16歳)。リンさんは英語が話せず、英国への渡航経験もなく、何らかの事件に巻き込まれたものと心配されていたが、行方不明となってから6日後の12日に警察に無事保護された。
行方不明について最初に届け出たのは、リンさんが参加したツアーを手配し、自らツアーガイドを務めていたトラベル・プラス(Travel Plus、本拠地ホーチミン市)のグエン・バー・タイン・トゥン氏で、在英国ベトナム大使館にショッピング中のツアー客の行方が分からなくなったと報告した。
トゥン氏よると、リンさんとその母親だと語るグエン・ティ・イエン・クエンさん(47歳)の2人は、同社が催行した今月1日からの9泊10日の英国ツアーに参加した。2人は同社を通すことなく、英国の入国ビザを自分たちで取得。ツアーの参加者は、ガイドと客を合わせて9人だった。
4日にツアーでリバプール市を訪れた際、クエンさんが「リンがここに住む身内と遊びに行きたがっている」として、ガイドのトゥン氏に自由行動の許可を求めたが、トゥン氏は同意しなかった。その後、6日午後4時~5時ごろ、ツアー客がヨーク市中心部でショッピングしている間に、リンさんの姿がなくなった。警察の捜査では、アジア系の20歳ぐらいの男性とリンさんが一緒に道を歩いていたことが確認されている。
さらにその後の捜査で、母親だと語っていたクエンさんは、実はリンさんの母親ではないことも明らかになった。クアンビン省ボーチャック郡ハイチャック村(xa Hai Trach)に住む本当の母親のダン・ティ・フオンさんは12日、同村人民委員会に報告書を提出しており、この中で「娘は身内の自宅を訪れただけで、誘拐されたわけではない」と主張している。
なお、リンさんは既に学校に通ってはおらず、ツアー参加前は出稼ぎのため、ホーチミン市に住んでいたという。ツアー費用の7500万VND(約34万円)は家族の貯蓄から支払ったとのこと。今回の事件については、関係者の証言にあいまいな部分が多く、英国警察が10人もの容疑者を逮捕して取り調べる大ごとに発展した。ホーチミン市観光局は、南部公安省対外治安局および同市公安局に公文書を送付して必要な対策を取るよう求めている。