ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

電球工場大火災、企業の情報捏造判明―「水俣病」の不安も

2019/09/10 05:14 JST配信
イメージ写真
イメージ写真 写真の拡大.

 ハノイ市タインスアン区タインスアンチュン街区(phuong Thanh Xuan Trung)にあるランドン電球・魔法瓶[RAL](Rang Dong Light Source And Vacuum Flask=RALACO)の工場で8月28日に発生した大規模火災に伴う有害物質放出の懸念について、同社が情報を捏造していたことが分かった。

 同社は火災発生直後、「2016年以降は液体水銀の使用を停止し、代わりにアマルガム(水銀と他の金属との合金)を使用している」と発表した。

 しかし、資源環境省傘下の環境総局による調査の結果、同社はアマルガムより毒性が高い液体水銀を引き続き使用していたことを認めた。

 この火災で、液体水銀を使用した蛍光灯48万本、電球形蛍光灯160万個、タングステン白熱電球200万個などが焼失し、同工場から約15.1~27.2kgの水銀が放出されたと見られている。

 また、ハノイ市の対応も問題になっている。同市当局は、火災発生時から1週間後の9月5日になってようやく原因や被害、是正方法などに関する会合を開いた。報道陣の同会合への参加も制限されていたという。

 こうした中、ハディン街区(phuong Ha Dinh)人民委員会は火災発生直後に、火災現場を中心とする半径500m圏内で栽培された野菜・果物および露天の貯水容器で保管されていた水を処分し、火災によって発生したすすの付着した衣類や家財、壁、植物を洗い流すよう、住民らに資料を配って対策を呼びかけていた。

 ハディン街区人民委員会の迅速な対応は専門家から評価されたが、タインスアン区人民委員会は「(ハディン街区人民委員会は)権限外のことをした。誤報を流して市民に不安をもたらした」として、資料を回収させるとともに、これに関わった幹部を戒告処分とした。一方、タインスアン区人民委員会が情報を隠蔽したとして、責任を追及する意見も出ている。

 資源環境省によると、今回の有害物質の放出により、同工場の外壁フェンスから半径500m圏内に住む住民が水銀汚染の影響を受けると予想される。これを受けて、影響地域に住む多くの市民は自宅から避難している。

 なお、今回の大火災が将来的に水俣病(水銀による中毒性中枢神経系疾患)を引き起こすのではないかと懸念し、是正の徹底を促す声があがっている。

[VnExpress 00:05 9/9/2019 / Tien Phong 06:58 09/09/2019 / Zing 09/2019, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
省・市合併の国会決議公表、書記長「効率性の高い行政体制目指す」 (6:42)

 ベトナムは、7月1日から34省・市の新体制を導入する。  省・市合併やそれに伴う人事再編に関する国会決議が6月30日に公表された。トー・ラム書記長は、ホーチミン市で開催された公表式典に出席し、スピーチ...

ダナン国際花火大会、ベトナムチームが初の決勝進出 (6:02)

 南中部沿岸地方ダナン市で5月31日から開催されている「ダナン国際花火大会2025(DIFF 2025)」で、ベトナムチームが初の決勝進出を果たした。  決勝に進出したのは、国防省国防産業総局傘下の花火メーカーで...

ベトナム航空、韓国農水産食品流通公社と提携 韓国食品の機内食も (5:31)

 ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)はこのほど、韓国農水産食品流通公社(Korea Agro-Fisheries & Food Trade Corporation=aT)との間で、韓国食品の東南アジアにおける輸出拡大に

8人兄弟の学者一族「グエン・ラン家」、故クオン氏を偲ぶ【後編】 (6/29)

 ベトナムを代表する考古学者・人類学者で、音楽家としても知られるグエン・ラン・クオン(Nguyen Lan Cuong)氏が2025年5月6日、ハノイ市のベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学)医科薬科大学附属病院で死去...

PVパワー、第4ニョンチャックLNG火力発電所を試運転 (5:02)

 ペトロベトナムグループ(Vietnam National Oil and Gas Group=PVN)傘下の発電会社大手PVパワー[POW](PV Power)は26日、第4ニョンチャック液化天然ガス(LNG)火力発電所を国家電力網

ビンズオン上下水道環境、廃棄物発電所の建設に着手 (4:20)

 東南部地方ビンズオン省に拠点を置く大手給水会社ビンズオン上下水道環境[BWE](Biwase)は6月26日、東南部地方ビンズオン省の廃棄物処理施設で廃棄物発電所の建設に着手した。

ベトジェット、タインホア省発着の3路線を運航 ビン空港の閉鎖中 (4:12)

 北中部地方ゲアン省のビン国際空港が滑走路・誘導路改修工事に伴い7月1日から12月31日まで一時閉鎖することを受け、格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は

森永乳業、ベトナムの幼稚園に給食調理施設を寄贈 第3期始動へ (3:21)

 森永乳業株式会社(東京都港区)と国際NGOワールド・ビジョン・ジャパン(WVJ)は、2023年5月に開始した西北部地方ディエンビエン省トゥアンザオ郡での幼稚園給食支援プログラム「Smiles & Health for Children」の...

工務店の素朴屋、ホーチミンにショールームを開業 (2:54)

 日本国内外の住宅および店舗などの新築・増改築、古民家再生、物販・飲食事業を手掛ける素朴屋株式会社(山梨県北杜市)と、農林水産物(木材・竹・籐を除く)および家畜の卸売などを行うオリエント・ファイブ・ベ...

ノイバイ空港で旅客機同士が接触、パイロット4人の業務停止 (6/30)

 ハノイ市ノイバイ国際空港で27日午後、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)の離陸待ちの旅客機2機が接触事故を起こし、4人のパイロットが一時的に飛行業務から外された。

第15期第9回会議が閉幕、法律34本可決・決議14本採択 (6/30)

 5月5日に開幕した第15期(2021年~2026年任期)国会の第9回会議が27日に閉幕した。今国会では34本の法律を可決し、14本の決議を採択した。  ブー・ミン・トゥアン国会官房副長官は27日、第9回会議の結果を発...

ビンファスト、ハティン省で国内2か所目のEV工場を竣工 (6/30)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は29日、北中部地方ハティン省で国内2か所目、世界では5か

国会、国際金融センター向け優遇措置に関する決議採択 (6/30)

 国会は27日、ホーチミン市と南中部沿岸地方ダナン市に設立される国際金融センターに関する特別政策を定めた決議を賛成多数で採択した。同決議は9月1日に施行される。  同2都市に設立される国際金融センター...

ベトナム企業の6割が見通しを楽観、4割強が海外展開を計画 (6/30)

 シンガポール系ユナイテッド・オーバーシーズ銀行(UOB)のベトナム法人、UOBベトナム(UOB Vietnam)が発表した「2025年の企業展望調査」によると、ベトナム企業の約60%が今後1年間のビジネス見通しを楽観視して...

韓国石油公社、ベトナム沖15-1鉱区の鉱業権を25年延長 (6/30)

 韓国石油公社(Korea National Oil)はこのほど、韓国で原油の元売りなどを手掛けるSKイノベーション(SK Innovation)の子会社で石油開発事業を手掛けるSKアースオン(SK earthon)などと共に、ペトロベトナムグルー...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved