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多くの在外ベトナム大使館・領事館で料金の水増し請求を行っていることが、被害を受けた多くのベトナム人の告発で明らかになった。
米グーグル(Google)の技術者として働くベトナム人のD・N・Tさんが実施した独自調査によると、2019年1月1日から11月1日までの約10か月の間に、170人以上が在外ベトナム大使館・領事館でパスポートの発行などの手続きを行う際に規定以上の料金を請求されたという。
水増し請求された総額は1万USD(約109万円)以上で、1人当たりの被害額は約60USD(約6500円)。
在外ベトナム大使館・領事館がベトナム国民に請求する料金は、財政省の通達第264号/2016/TT-BTCで明確に規定されており、在外ベトナム大使館・領事館は館内で料金を公表しなければならないことになっている。
しかし、この規定は厳守されていないのが現状だ。違反が最も多かった在サンフランシスコ・ベトナム領事館と在ワシントンDC・ベトナム大使館では、現行規定で70USD(約7600円)とされているパスポート発行料金を、その2.4倍に当たる170USD(約1万8500円)で水増し請求していた。
また、在ソウル・ベトナム大使館でパスポートと出生証明書を発行した際に57万ウォン(約500USD=約5万5000円)を徴収されたとの報告もある。現行規定では、パスポートが70USD、出生証明書が5USD(約550円)の計75USD(約8200円)が本来の発行料金だ。
さらに、料金納付後も領収書の発行を断られたり、領収書に担当者名や金額が記載されていなかったりするケースも多い。大使館・領事館の幹部から「袖の下」を要求されたとして、被害に遭った人々が外務省領事局に告発しているが、納得のいく回答が返ってくることはないという。