ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

新型コロナ検査キットの価格水増し、メーカー社長と疾病管制センター所長を逮捕

2021/12/21 06:41 JST配信 (2021/12/21 10:15 JST最終更新)
(C) tuoitre
(C) tuoitre 写真の拡大.

 地場ベトアー・テクノロジー・コーポレーション(Viet A Technology Corporation、ホーチミン市)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行に便乗して地方自治体の医療当局と結託し、新型コロナウイルス検査キットの価格を水増しした事件で、公安省傘下の捜査警察機関は17日、証拠をつかんだ上で刑事事件として立件したことを明らかにした。最高人民検察院が起訴を決定した。

 警察はこれに先立つ10日、ハノイ市、ホーチミン市、北部紅河デルタ地方ハイズオン省、北中部地方ゲアン省、同トゥアティエン・フエ省、東南部地方ビンズオン省、南部メコンデルタ地方ロンアン省、同カントー市の8省・市の複数の場所の立ち入り検査を一斉に実施し、30人以上の取り調べを開始した。

 これまでに同事件に関与した7人が容疑者として起訴された。7人には、ベトアー社のファン・クオック・ベト社長(男)とハイズオン省疾病管制センター(CDCハイズオン)のファム・ズイ・トゥエン所長が含まれる。

 捜査結果によると、ベトアー社は新型コロナウイルス検査キット「LightPower iVA SARS-CoV-2 1st RT-rPCR」を製造し、2020年4月に保健省から流通認可を取得した。これまでに全国63省・市のうち62省・市の疾病管制センターや医療施設に製品を納入し、売上高は4兆VND(約198億円)に上った。

 ベトアー社は検査キットの製造に用いられる原材料や機械設備の価格を水増しする形で生産コストを詐称し、検査キットを1製品当たり47万VND(約2330円)という不当な高値で販売していた。同社はこの価格に同意した見返りとして、疾病管制センターや医療施設の長に賄賂を渡していた。

 中でも、ベトアー社はCDCハイズオンとの間で総額1510億VND(約7億5000万円)の新型コロナウイルス検査キット購買契約を締結し、その見返りとしてCDCハイズオンのトゥエン所長に300億VND(約1億5000万円)の賄賂を渡したことが確認された。

 容疑者らは刑事法第222条に触れ、「競売入札に関する規定に違反し甚大な被害をもたらした容疑」で捜査を受けている。

 なお、2020年4月に世界保健機関(WHO)が「LightPower iVA SARS-CoV-2 1st RT-rPCR」に対し、WHO緊急時使用リスト(The WHO Emergency Use Listing=EUL)の基準を満たしていると認定したことが大々的に報じられたが、今回の事件を受けて改訂され、現在は「認定されていない」と報じられている。

【関連記事】

新型コロナ検査キット価格水増し事件、ハイズオン省トップを逮捕 容疑者90人以上に (2022/09/20)
ベトアー社への3等労働勲章授与取り消し、検査キット価格水増しで (2022/06/27)
ダナン市疾病管制センター所長が逮捕、新型コロナ検査キット汚職事件に関与 (2022/06/22)
新型コロナ検査キットの価格水増し事件、容疑者60人以上に 元大臣2人も (2022/06/13)
ハノイ市人民委前主席と前保健相を逮捕 (2022/06/08)
ハノイ市人民委主席と保健相に党除名処分、新型コロナ対策で深刻な違反 (2022/06/08)
新型コロナ検査キットの価格水増し事件、ドンタップ省疾病管制センター所長を新たに逮捕 (2022/05/23)
ハノイ市人民委員会主席と保健相の処分を要請、中央監査委員会 (2022/05/20)

[Tuoi Tre 11:35 20/12/2021, 08:02 19/12/2021, 11:35 20/12/2021 / Cafef 23:57 18/12/2021, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
地場CTグループ、ASEAN最大級の低空経済センターを建設へ (14:29)

 地場CTグループ(CT Group)はこのほど、低空経済(Low Altitude Economy=LAE)の中核拠点となるセンターへの投資計画を発表した。  同センターの投資総額は約6兆VND(約360億円)、延べ床面積は約50万m2で、ホ...

ホーチミン市初の自転車専用レーンが完成、12月31日に運用開始 (14:18)

 ホーチミン市ビンチュン街区(旧トゥードゥック市)のマイチート(Mai Chi Tho)通りに建設されていた自転車専用レーンが約2か月の工期を経て完成し、12月31日に運用を開始した。同市では初の自転車専用レーンとな...

クリエイト・キャピタル、ソブリンAIデータセンター網構築へ (13:50)

 クリエイト・キャピタルベトナム[CRC](Create Capital Vietnam)と米国サンフランシスコに拠点を構えるハイメーカー(HAIMAKER)は、ベトナム国内で総出力100MW規模のソブリン人工知能

ホーチミンのベンタイン市場で半世紀以上愛されるチェー店 (28日)

 チュオン・ティ・トゥエット・チンさん(女性・63歳)は、7~8歳のころからホーチミン市のベンタイン市場で母親のチェー(ベトナム風ぜんざい)の屋台を手伝っていた。そして、50年以上にわたり市場に身を置き、母...

未成年犯罪者に電子監視装置の装着義務、新政令 (13:05)

 未成年犯罪者に対する電子監視措置と社会復帰支援を規定する政令第333号/2025/ND-CPでは、未成年者が罪を犯した場合、電子監視装置の装着を義務付けると規定している。  同政令は2026年1月1日に施行される...

通話アプリ「Zalo」、利用規約改定で批判相次ぐ 当局が調査へ (6:56)

 商工省傘下の国家競争委員会は29日、通話やメッセージング、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のマルチプラットフォーム「ザロ(Zalo)」を運営する地場総合インターネットメディア運営大手

25年外交総括、経済外交で協定など約350件合意 (6:22)

 国際情勢が不安定化する中、ベトナムの経済外交は2025年に約350件の協定・コミットメントに合意した。これは、29日にハノイ市で開かれた2025年外交分野総括会議で発表されたもの。会議にはファム・ミン・チン首...

地場スタートアップのサオラテック、ドローンでの輸送実証に成功 (5:56)

 ドローン技術を手掛ける地場スタートアップのサオラテック(Saolatek)は29日、携帯端末販売を展開するジードンベト・テクノロジー(Di Dong Viet Technology)と連携し、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHT...

農業環境省、農産物トレーサビリティシステムをお披露目 (5:40)

 農業環境省はこのほど、ベトナム農産物トレーサビリティシステムのお披露目式典を開催した。同システムは、農林水産物の生産・加工・輸送・流通のすべての過程で原産地情報の記録・管理・検索を可能にするデジ...

日本のベトナム人新規入国者数、25年1~6月期は17万人 (4:19)

 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年1~6月期における外国人入国者数及び日本人出国者数等に関する統計によると、同期の日本におけるベトナム人新規入国者数は前年同期比+1.3%増の16万9931人で、構...

日本の在留ベトナム人数66万人で過去最高更新、国籍別2位 (3:57)

 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年6月末時点における在留外国人数に関する統計によると、同時点の日本における在留ベトナム人数は66万0483人で、2024年末時点と比べて+4.1%増加し、過去最高を更新...

日本のベトナム人不法残留者数、国籍別で最多 半年で▲8.6%減 (2:07)

 日本の法務省出入国在留管理庁が発表した2025年7月1日時点における不法残留者数に関する統計によると、同時点の日本におけるベトナム人不法残留者数は1万3070人で、2025年1月1日時点と比べて▲8.6%減少した。 ...

電子労働契約に法的枠組み、26年から適用 人的資源管理のDX加速 (30日)

 政府はこのほど、電子労働契約に関する政令第337号/2025/ND-CP(2026年1月1日施行)を公布した。これにより、デジタル環境における労働契約の締結・履行に法的根拠が整備され、人事管理のデジタルトランスフォー...

ビンEVタクシー、都市部向け小型EVバン配車サービス開始 (30日)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM

ホーチミン:第4トゥーティエム橋建設を承認、投資総額300億円 (30日)

 ホーチミン市人民評議会は、第4トゥーティエム橋案件の投資方針を承認した。同案件は、投資総額5兆0630億VND(約300億円)超で、市南部と中心部、アンカイン街区(旧トゥードゥック市)にあるトゥーティエム新都市...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved