ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

FLC系列企業の詐欺事件の二審裁判開始、元会長「重篤」で出廷せず

2025/03/26 05:01 JST配信
(C) markettimes
(C) markettimes
  • 株価操作・架空増資に関する詐欺事件
  • 被告50人全員が一審判決を不服として控訴
  • 元会長は入院中で重篤な状態、出廷せず

FLCグループ[FLC](FLC Group)と、FLCファロス建設[ROS](FLC Faros)など系列企業における株価操作・架空増資に関する詐欺事件で、ハノイ市上級人民裁判所は25日、二審裁判を始めた。

 同事件では被告50人全員が一審判決を不服として控訴した。主犯格のFLC元会長チン・バン・クエット被告(男・50歳)は公安省傘下の第198病院に入院中で重篤な状態にあるため、出廷していない。同病院によると、クエット被告は結核、胃炎、急性腎不全などの重い病気を患っており、人工呼吸器の装着による治療が必要で、死亡リスクも高いという。

 同事件では、クエット被告の指導のもと、ROSが架空増資を実施。ROSがホーチミン証券取引所(HSX)への上場を果たした後、同被告らが投資家にROS株を売りさばき、3兆6210億VND(約210億円)を騙し取った。株式市場の監視役を務める国家証券委員会(SSC)とHSXの元幹部らは、ROSの架空増資と違法上場を認識していたにもかかわらず、見て見ぬふりをしていた。

 株価操作の行為に関して同被告らは、複数の法人・個人名義の証券取引口座合わせて500件を介し、◇FLC、◇FLCストーン鉱産投資[AMD](FLC Stone Mining And Investment)、◇BOS証券[ART](BOS Securities)、◇FLC採鉱投資・資産管理[GAB](FLC Mining Investment & Asset Management)、◇HAI農薬[HAI](HAI Agrochem)の5銘柄の株価操作を実施し、7230億VND(約42億円)の不正利益を得ていた。

 一審裁判では、クエット被告が詐欺・資産横領罪と株価操作罪に問われ、禁固21年(詐欺・資産横領罪で18年、株価操作罪で3年)の判決を言い渡された。民事賠償について裁判所は、同被告らからROS株を直接的に取得した投資家を「被害者」、直接的には取得しなかったものの株式取引などを介してROS株を取得した投資家を「関連する権利と義務を持つ者」と認定した。

 裁判所はこれを踏まえ、同被告らに対し、「被害者」と「関連する権利と義務を持つ者」が現在も保有しているROS株について、「被害者」に1株につき7215VND(約42円)、「関連する権利と義務を持つ者」に1株につき5466VND(約32円)の賠償金を支払うよう命じた。合わせて1兆3640億VND(約80億円)の賠償を支払うことになっている。

 クエット被告とその家族は、二審裁判が始まる前に計9700億VND(約57億円)を納付した。

 なお、AMD、HAI、GAB、FLC、ARTの5銘柄の株価操作の行為については、裁判所は一審裁判で、投資家の損害請求を確定する根拠はないとの判断を示し、クエット被告らが得た不正利益6840億VND(約40億円)は国が没収することとした。

[Markettimes 11:03 25/03/2025, A].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
7~9月の国内スマホ市場、サムスンが首位維持 アップルが3位転落 (5:24)

 英国の市場調査会社オムディア(Omdia)が先般発表した2025年7~9月のベトナム国内のスマートフォン市場に関する統計によると、韓国サムスン(Samsung)がシェア29%で首位を維持した。  一方、中国シャオミ(Xi...

ホーチミン:通貨の歴史をたどる展覧会、26年4月末まで開催中 (4:14)

 ベトナム国家銀行(中央銀行)第2地区支店(8 Vo Van Kiet, phuong Sai Gon, TP. Ho ChiMinh)は、1875年以降のベトナム通貨の歴史をたどる展覧会を開催している。展覧会は11月22日から2026年4月末までの毎週末に、...

エアプサン、釜山~ハノイ線を年末に運航再開 コロナ禍で運航停止 (3:07)

 韓国の格安航空会社(LCC)エアプサン(Air Busan)は、釜山~ハノイ線を約6年ぶりに運航再開すると発表した。2025年12月31日から2026年3月1日まで、週4便(水・木・土・日)の不定期便として運航する。  機材は...

ホーチミンの市場とともに生きる:バンコー市場 (23日)

 ホーチミン市のめまぐるしく変わりゆく街並みの中で、バンコー市場(cho Ban Co)は、記憶の断片のようにひっそりと存在している。商人たちは日々、市場で商売を続けている。まるで、1束の野菜が、1kgの玉ネギが...

アテックと地場VTI、戦略的パートナーシップ締結 自動車産業革新 (2:58)

 制御ソフトウェア開発・機械設計・電子設計・電気設計・通信およびネットワーク構築などを手掛ける株式会社アテック(愛知県名古屋市)と、ITサービスを中心に事業を展開する地場VTIグループ(ハノイ市)は10月24日...

中部の豪雨・土砂崩れ、死者・行方不明者が102人に増加 (24日)

 農業環境省の23日午後6時付の速報によると、中部地域の豪雨と土砂崩れによる死者・行方不明者数は102人となっている。被害額は13兆VND(約774億円)超と見込まれており、現在も多くの家屋が浸水し、各地の道路が...

米国のベトナム人留学生数が過去最多に、出身国別で世界トップ5 (24日)

 米国への留学生数に関する調査を実施しているIIE(米国国際教育研究所)が先般発表した最新レポート「オープン・ドアーズ2025(Open Doors 2025)」によると、ベトナム

掃除を巡って喧嘩、日本人の男を傷害罪で起訴 被害者は2日後死亡 (24日)

 ホーチミン市人民検察院は、日本人のK・N被告(男・33歳)に対して傷害罪で起訴状を発行した。同被告は、部屋の掃除を巡って口論となった末に、同居人を殴って死亡させたとして、傷害罪に問われている。  K・...

働きがいのある在ベトナム企業ベスト100、ユニリーバが2年連続1位 (24日)

 ベトナム最大の企業管理職向けソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を運営するアンファベ(Anphabe)は19日、「働きがいのある在ベトナム企

ベトテル、UAEに駐在員事務所を開設 (24日)

 国防省傘下の携帯通信大手ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は19日、アラブ首長国連邦(UAE)に駐在員事務所を開設した。  UAEの駐在員事務所は、国際的なパートナーとの接点を増やし、協力・...

越韓の国会議長が会談、30年までに貿易額1500億USD目指す (24日)

 チャン・タイン・マン国会議長は20日、ベトナムを公式訪問した韓国のウ・ウォンシク(禹元植)国会議長と会談した。  両議長はこの席で、1992年の国交樹立以来、両国関係が良好に発展していることに満足の意...

高層マンションのロビーに放置された荷物から腐乱死体発見 (24日)

 ホーチミン市警察は、同市タインミータイ街区(旧ビンタイン区)にある高層マンションのロビーに放置された荷物から男性の腐乱死体が見つかった事件について、死体遺棄事件とみて捜査を進めており、荷物を放置し...

メルセデス・ベンツ、ベトナムで初のPHEVモデルを発売 (24日)

 メルセデス・ベンツ・ベトナム(Mercedes-Benz Vietnam=MBV)は、同社として国内初となるプラグインハイブリッド車(PHEV)「GLE 400e 4MATIC」を正式発表した。競合モデルは、レクサス(Lexus)の「RX 500h」やボル...

ベトナムの7~9月GDP成長率でASEAN主要国トップ、タイの7倍 (24日)

 ベトナムの国内総生産(GDP)成長率は、東南アジア主要6か国=ASEAN6(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)で最も高く、タイの約7倍となった。  ベトナムの2025年7~9月のGD...

ベトジェットエア、ハノイ~広島線を増便 12月20日から (24日)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は12月20日より、ハノイ市と広島県を結ぶ直行便を現在の週3往復(火・木・日)から週4往復(火・木・土・日)に増便する。

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved