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FLC元会長に禁固21年の判決、株価操作・架空増資の詐欺事件で

2024/08/06 17:45 JST配信
  • ハノイ市人民裁判所、被告50人に有罪判決
  • FLC元会長、詐欺・資産横領と株価操作
  • 家族・身内7人、禁固4~14年の判決

FLCグループ[FLC](FLC Group)と、FLCファロス建設[ROS](FLC Faros)など系列企業における株価操作・架空増資に関する詐欺事件で、ハノイ市人民裁判所は5日、50人の被告に有罪判決を下した。

 同事件では、主犯格のFLC元会長チン・バン・クエット被告(男・49歳)の指導のもと、ROSが架空増資を実施。ROSがホーチミン証券取引所(HSX)への上場を果たした後、クエット元会長らが投資家にROS株を売りさばき、3兆6210億VND(約210億円)を騙し取った。株式市場の監視役を務める国家証券委員会(SSC)とHSXの幹部らは、ROSの架空増資と違法上場を認識していたにもかかわらず、見て見ぬふりをしていた。

 株価操作の行為に関してクエット被告らは、複数の法人・個人名義の証券取引口座合わせて500件を介し、◇FLC、◇FLCストーン鉱産投資[AMD](FLC Stone Mining And Investment)、◇BOS証券[ART](BOS Securities)、◇FLC採鉱投資・資産管理[GAB](FLC Mining Investment & Asset Management)、◇HAI農薬[HAI](HAI Agrochem)の5銘柄の株価操作を実施し、7230億VND(約42億円)の不正利益を得ていた。

 主犯格のクエット被告は詐欺・資産横領罪と株価操作罪に問われ、禁固21年(詐欺・資産横領罪で18年、株価操作罪で3年)の判決を言い渡された。

 クエット被告の実妹2人を含む家族と身内合わせて7人も、詐欺・資産横領罪と株価操作罪に問われ、禁固4~14年の判決だった。

 他の被告42人について、株価操作罪に問われていた被告13人は執行猶予付き禁固1年3か月~禁固2年、詐欺・資産横領罪に問われていた被告22人は禁固4~7年を言い渡された。

 また、HSX元職員で公務執行上の職権乱用罪に問われていた被告4人は執行猶予付き禁固3年~禁固6年6か月の判決を下された。このうち、HSXのチャン・ダック・シン元会長は禁固6年6か月、レ・ハイ・チャー元社長は禁固5年の判決だった。

 さらに、SSC傘下の公開会社監督局とSSC傘下ベトナム証券保管センター(VSD)の元職員で、情報隠蔽罪に問われていた被告3人は執行猶予付き禁固1年6か月~禁固3年の判決を受けた。

 民事賠償について裁判所は、クエット被告らからROS株を直接的に取得した投資家を「被害者」、直接的には取得しなかったものの株式取引などを介してROS株を取得した投資家を「関連する権利と義務を持つ者」と認定した。

 裁判所はこれを踏まえ、クエット被告らに対し、「被害者」と「関連する権利と義務を持つ者」が現在も保有しているROS株について、「被害者」に1株につき7215VND(約42円)、「関連する権利と義務を持つ者」に1株につき5466VND(約32円)の賠償金を支払うよう命じた。

 AMD、HAI、GAB、FLC、ARTの5銘柄の株価操作の行為については、裁判所は、投資家の損害請求を確定する根拠はないとの判断を示し、クエット被告らが得た不正利益6840億VND(約39億5000万円)は国が没収することとした。

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