ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

カナダ:ミミズ採りで財を成す越僑たち

2006/08/01 07:17 JST配信

 カナダ最大の都市、トロントは「人種のモザイク」とも呼ばれる移民の多い街。ミミズ採りといえば、数十年前までは主にイタリアやポルトガルから移民してきたばかりの人々がする仕事であったが、今では中国、韓国、ベトナムといったアジア系移民の間で盛んに行われている。地元の越僑の間で有名なベトナム人医師の中には、医学生時代、週末にミミズ採りをして学費を稼いだ人も少なくないという。

 採ったミミズは、420匹を1瓶と数え、高い時は1瓶17~18カナダドル(約1700~1800円)、一番安い時でも1瓶8ドル(約800円)で売れる。名人になると一晩で60~70瓶、普通の人でも40瓶程度は捕獲でき、つまりたった一晩の収穫で数万円を稼げるということになる。

 とはいえ、やはり楽に稼げる商売があるはずもなく、実際ミミズ採りは実に厳しい作業だ。ミミズの「シーズン」は春から秋までのおよそ8ヶ月。しかしミミズが採れるのは一シーズン中100日程度で、1匹も収穫がない日もある。作業は深夜、日が昇るまで、ミミズが地上に出てくる雨の日や空気が湿った日に行われる。額にライト、頭には小さな傘、採ったミミズを詰める瓶を入れたリュックを肩に担ぎ、手袋をし、何枚もの衣服を重ね着した上にカッパを着て雨と寒さに備える。長靴を履いた片方の足にミミズを入れるバケツ、もう片方の足には捕獲時のすべり止め用のふすま(小麦の皮のくず)が入ったバケツをくくりつけ、一晩中腰をかがめてミミズを探すのだ。

 最近はシステム化されていて、仲介業者が農場主に年間数千ドルを支払い、ミミズを採らせてくれる農場を確保している。業者は毎日こまめに天気予報をチェックして、ミミズが出そうな日になるとミミズハンターたちに召集をかけ、農場まで送迎するという手はずになっている。それにしても、ミミズがなぜこれほどまでに高値で売れるのか。実はミミズハンターや業者ですら、採ったミミズが何に利用されているのかはっきりとは知らないのだが、「化粧品の原料や魚の餌として北米の企業などに売られている」というもっぱらの噂だ。

 ミミズ採りには辛抱強さが求められるせいか、男性より女性の方がうまいという。暗闇でライトの光を頼りにミミズを探す彼女たちの耳には、ミミズ採りの稼ぎで買ったダイヤモンドのイヤリングが光り輝いていた。

[2006年7月23日 Thanh Nien紙 電子版].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ハノイ:トゥーリエン橋を着工、投資総額1100億円 (6:08)

 ハノイ市人民委員会は19日、同市ドンアイン郡ドンホイ村(xa Dong Hoi, huyen Dong Anh)で、トゥーリエン(Tu Lien)橋と両端の接続道路の建設工事を正式に着工した。着工式にはファム・ミン・チン首相も出席した...

「ナパーム弾の少女」のカメラマン、撮影者クレジット一時停止 (5:31)

 世界報道写真財団(World Press Photo Foundation)は16日、1973年の世界報道写真大賞とピューリッツァー賞を受賞したベトナム戦争の報道写真「戦争の恐怖」(別名「ナパーム弾の少女」)の撮影者として、ベトナム...

ベトナムの「低炭素米」500t、日本へ初輸出 (5:01)

 ベトナムの「低炭素米(low carbon rice)」が、今月中に日本市場へ出荷される。  ベトナム政府が進める「100万haの高品質・低炭素米計画」に基づき、2024年夏秋作から5省・市で生産が行われているもので、今...

村の皆で「共に働き、共に食べ、共に使う」、伝統を守る村の生活 (18日)

 午前5時。木魚の音が響くと、東北部地方タイグエン省タイグエン市ティンドゥック村の「タイハイ村」にある30軒の高床式住居に明かりが灯る。住民たちは身支度を済ませ、共同の台所に集まり朝食をとる。  「...

「ベトナムカルチャー&フードフェスティバル2025 in大阪」、6月.. (4:33)

 「ベトナムカルチャー&フードフェスティバル2025 in大阪」が、6月14日(土)・15日(日)の両日に大阪府の花博記念公園鶴見緑地で開催される。  開催時間は14日が10時00分から20時00分まで、15日が10時00分か...

第2フーミー橋~ロンタイン国際空港間の2層高架道路建設を計画 (3:27)

 ホーチミン市当局は、同市南部と東南部地方ドンナイ省ロンタイン郡(huyen Long Thanh)のロンタイン国際空港を結ぶ高架道路プロジェクト「第2フーミー橋~ロンタイン国際空港間高架道路」の実施に向けて計画を進...

ベトジェットエア、ハノイ~成都/西安線を7月就航 (2:28)

 格安航空会社(LCC)最大手ベトジェットエア[VJC](Vietjet Air)は7月、ハノイ市と中国の成都および西安を結ぶ直行便を就航する。  ハノイ~成都線は7月1日から週4往

主要上場企業30社の25年1~3月期業績 (20日)

 VN30インデックスを構成する主要上場企業30社全ての2025年1~3月期財務諸表が出揃った。  同期の30社の売上高合計は前年同期比+21.4%増の475兆9690億VND(約2兆6600億円)、税引後利益合計は同+17.2%増の84...

4月の新車販売台数統計、1~4月期の販売台数上位20ブランド (20日)

 ベトナム自動車工業会(VAMA)の発表によると、2025年4月におけるVAMA加盟企業とVAMA非加盟企業を合わせた新車販売台数(TCモーターおよびビンファスト=VinFast含まず)は前月比▲7%減、前年同月比では+21%増の2万...

スタートアップ法人税、最初2年間は免除 民間経済発展で特別政策 (20日)

 国会は17日、民間経済の発展を促進するためのメカニズムおよび特別政策に関する決議第198号/2025/QH15を採択した。投資環境の改善やスタートアップ・イノベーション企業の支援において、画期的な転換点となるこ...

リエンクオン国際空港、滑走路改修で6か月閉鎖の可能性 (20日)

 南中部高原地方ラムドン省人民委員会によると、同省にあるリエンクオン国際空港が滑走路および誘導路の改修のため、約6か月にわたり運用が一時停止となる見通しだ。改修プロジェクトの投資総額は1兆0450億VND(...

韓国インプラントメーカー、ホーチミンに法人設立 直営店も運営へ (20日)

 韓国のインプラントメーカーであるデンティス(Dentis)はこのほど、ホーチミン市にベトナム法人を設立した。  現地法人は手始めに、インプラントだけでなく動揺度の測定器や無痛麻酔など、デンティスによる...

越政府、トランプ氏一族企業のゴルフ場・都市区複合施設案件を承認 (20日)

 チャン・ホン・ハー副首相はこのほど、北部紅河デルタ地方フンイエン省で計画されているゴルフ場・都市区複合施設開発プロジェクトに関する投資方針を承認した。  同プロジェクトは、ドナルド・トランプ米...

FPTジャパン、群馬にモビリティDXハブ開設 日本国内18拠点目 (20日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)は13日、群馬県高崎市で「FPT群馬モビリティDXハブ」の開設

ビンEVタクシー、ラオスで配車プラットフォーム運用開始 (20日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製の電気自動車(EV)・電動バイクのレンタカー・タクシー会社であるグリーン・スマート・

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved