ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ベトナム初の神戸牛飼育、畑違いの男たちの挑戦

2014/07/13 08:32 JST配信
(C) Tuoi Tre
(C) Tuoi Tre 写真の拡大
(C) Tuoi Tre
(C) Tuoi Tre 写真の拡大

 朝9時、中部高原地方ラムドン省にある牧場は、シンフォニーの穏やかな音色に包まれる。100頭の真っ黒な牛たちが寄り集まって、食事が運ばれてくるのを待っているようだ。飼育員の車がやってくると、牛たちは車の中に頭を入れたりして、とても人懐っこい。ベトナムで飼育されている牛と外見が全く違うこの牛たちは、ベトナムで育てられた「神戸牛」だ。

 ベトナム初となるこの神戸牛牧場を始めたのは、サコムバンク[STB](Sacom Bank)の元会長で発電や精糖事業を手掛けるタインタインコングループ(Thanh Thanh Cong Group)のダン・バン・タイン会長と、爪切り製造で有名なケムギア社(Kem Nghia)のグエン・ミン・トゥアン社長。きっかけとなったのは、彼らが日本に出張したときのこと。取引先との会食で神戸ビーフを口にし、そのあまりの美味しさに感動して、ベトナムで飼育することができないものかと考えた。ここから畑違いの彼らの挑戦が始まった。

 神戸牛をベトナムで育てるには、長年の経験を持つ飼育技術者の参画がどうしても必要になる。タイン会長とトゥアン会長は、日本の各神戸牛飼育施設を回り、2人の日本人技術者を説得して50%の出資を受け、2009年に「神戸牛ベトナム社」を設立した。

 現在、中部高原ラムドン省バオラム郡タンラック村の茶畑やコーヒー畑の間にある神戸牛牧場では、日本の神戸牛の「ハーフ」100頭の牛が育てられている。日本は現在、神戸牛子牛の輸出を認めていないため、米国から輸入した神戸牛の精子をベトナムの雌牛と交配させ、まず神戸牛の血を50%受け継ぐ「F1(交雑第1種)神戸牛」を誕生させた。

 今後、更に米国神戸牛の精子をF1神戸牛と掛け合わせ、神戸牛の血を75%受け継ぐ「F2神戸牛」を誕生させる予定だ。更に、米国神戸牛の精子をF2神戸牛と交配させれば、神戸牛の血をほぼ100%受け継ぐ「F3神戸牛」をベトナムで作り出せることになる。

 しかし、現在の頭数まで増やすのは簡単なことではなかった。神戸牛はベトナムの牛に比べて抵抗力がかなり弱いため、最初に飼育していたうちの2割は死んでしまったという。

前へ   1   2   次へ
[Tran Manh, Tuoi Tre, 10/07/2014 07:47 (GMT + 7) S].  © Viet-jo.com 2002-2025 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
大阪万博のベトナムパビリオン、南部解放記念日にオープン (6日)

 2025年大阪・関西万博のベトナムパビリオンが、南部解放・南北統一50周年(1975年4月30日~2025年4月30日)記念日に当たる4月30日にオープンし、5000人余りが来館した。  屋外LEDスクリーンでは、ダン・レ・...

ベトナム政治局、民間経済の発展を促進する決議を採択 (6日)

 ベトナム共産党トー・ラム書記長は4日、私的経済(民間セクター)の発展を促進する政治局の決議第68号-NQ/TWに署名した。  決議によると、1986年にドイモイ(刷新)政策が導入されてから40年近くを経て、ベトナ...

ビンズオン省:国内初となる国産技術の半導体工場が着工 (6日)

 地場CTグループ(CT Group)傘下のCTセミコンダクター(CT Semiconductor)はこのほど、東南部地方ビンズオン省で国内初となる国産技術による半導体チップ組立・テスト・梱包(ATP)工場の第2期を着工した。  同...

世界のベトナム人街を訪ねて【ロンドン編】 (4日)

(※本記事はVIETJOベトナムニュースのオリジナル記事です。) ロンドン:歌謡曲でムードたっぷり、街角カフェでベトナムコーヒーを1杯  国外に住むベトナム人、いわゆる越僑は、2024年

FPT、独IT企業を買収 欧州エネルギー分野の事業強化で (6日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)は5日、ドイツのエネルギー分野に特化したITコンサルティング企業「デイビッド・ラム・コンサルティング(David Lamm Consulting

ハティン省:ラオス・ベトナム国際港の第3埠頭が完成 (6日)

 ラオス・ベトナム国際港(Lao Viet International Port)はこのほど、北中部地方ハティン省キーアイン郡のブンアン経済区内でラオス・ベトナム国際港の第3埠頭の完成式典を開催した。  式典には、ベトナムの...

ビンファスト、都市型・スクールバス仕様の電動バスをお披露目 (6日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)は、電動ミニバス「ビンファストEB 6」を発表した。

ハイブリッドテクノロジーズ、地場を子会社化へ 合弁設立は中止 (6日)

 日本とベトナムのリソースを活用したハイブリッドなシステム開発を行う株式会社ハイブリッドテクノロジーズ(東京都中央区)は4月30日、ITコンサルティングやIT開発及びシステム導入支援を手掛ける地場NGSコンサ...

トランプ関税協議、ベトナムは7日に初の交渉セッション開始 (6日)

 ファム・ミン・チン首相は5日に開催された第15期(2021年~2026年任期)国会第9回会議の開幕式で、ベトナムが米国と相互関税問題に関する優先交渉対象6か国の1つとなっており、初の交渉セッションが7日に行われる...

ベトナム首脳ら、訪越のスリランカ大統領と会談 (6日)

 ルオン・クオン国家主席はハノイ市の国家主席府で5日、ベトナムを公式訪問中のスリランカのアヌラ・クマーラ・ディサナヤケ(Anura Kumara Dissanayaka)大統領と会談した。  今回の公式訪問は、ベトナム南部...

5連休中の交通事故件数268件、128人死亡・203人負傷 (6日)

 国家交通安全委員会によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月30日から5月4日までの5連休中に全国で発生した交通事故件数は前年比▲22.7%減(▲79件)の268件、死亡者数は同▲7.2%減(▲10人)の...

5連休の観光客数1050万人、ホーチミンが観光収入と訪問者数で首位 (6日)

 ベトナム国家観光局のデータ(速報)によると、4月30日の南部解放記念日と5月1日のメーデーに伴う4月30日から5月4日までの5連休中における全国の観光客数は、前年同期比+31.2%増の約1050万人となった。  連...

住友商事、子会社バンフォン・パワーの出資持分50%譲渡へ (6日)

 住友商事株式会社(東京都千代田区)は、同社100%子会社のバンフォン・パワー(Van Phong Power)の出資持分50%を第三者企業に譲渡することを決定した。譲渡の実行日は2026年度以降を予定している。  住友商...

西鉄、ロンアン省で約6000戸の分譲マンション開発に着手へ (6日)

 西日本鉄道株式会社(福岡県福岡市)は、地場不動産大手のナムロン投資[NLG](Nam Long Investment)及び株式会社海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN、東京都千代田区)と共同で進めて

4月製造業景況感PMI、再び50割れ (6日)

 米国のS&Pグローバル(S&P Global)が先般発表した2025年4月のベトナム・PMI(製造業購買担当者指数)は45.6となり、前月の50.5から▲4.9ポイント低下した。これは、2023年5月以来最も深刻な業況悪化を示している。 ...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2025 All Rights Reserved