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脳死の息子の臓器提供、見知らぬ4人に「母」と呼ばれる女性

2019/07/21 05:49 JST配信
(C) vnexpress
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臓器提供を受けた人たちの中でも、ガンさんはハウさんに特別な思い入れがある。手術の前、ハウさんは8年間も腎不全を患っており、継続的に透析を受けなければならなかった。腎臓移植後、健康状態が安定すると、ハウさんはクオンさんと一緒に臓器提供者を探そうと試みたが、病院側の規則により、提供者の情報を得ることができなかった。

 しかし驚いたことに、2017年中旬にあるテレビ番組の企画でガンさんに連絡を取ることができたのだ。ハウさんは、「初めて母に会ったとき、話し方や身振りに以前どこかで会ったような馴染みと温かさを感じ、強い愛情と親しみを感じました」と話す。

 ここ2年間のテト(旧正月)に、ハウさんはガンさんを自分の家に招いている。新しい腎臓のおかげでハウさんは健康になり、バイクの運転の練習も始めた。「初めて母をバイクに乗せたとき、私は道の真ん中で転倒してしまいました。母は相当痛かったでしょうに、私を見て笑い出しました。今では運転も上達し、母が来るとバイクで街のあちこちに連れて出かけることができるようになりました」とハウさん。

 他の人たちも定期的にガンさんを訪ねている。毎年、バンさんの命日である7月27日には5人揃ってガンさんの家を訪ね、恩人であるバンさんに線香を手向け、皆で食事をしている。

 国立臓器移植調整センターの書類保管室には、2016年に提出された、全ての臓器について自発的に提供する意思を示したガンさんの書類がある。「16歳の少女が腎臓移植の日を待たずに永遠にこの世を去ってしまったことを知り、ずっと後悔しています。もしもっと早くそのことを知っていたら、私は自分の腎臓の1つを彼女にあげたかった。もう遅いですが、そういった機会が他の多くの人に与えられることを願っています」とガンさんは語った。

 国立臓器移植調整センターによると、臓器提供の登録者数は年々増加しており、これまでにその数は2万3000人を超えている。しかしながら、2018年における死後の臓器提供者数は依然として少なく、わずか10例ほどにすぎないという。

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