ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【後編】

2019/08/18 05:00 JST配信
(C) Miwa.A
(C) Miwa.A 写真の拡大
この記事に関連するおすすめの記事

元日本代表監督トルシエ氏(現U-19ベトナム代表監督)、日本サッカー殿堂入り

第2回「ベトナム日本国際ユースカップ U-13」開催記念、トルシエ監督&井尻監督によるスペシャル対談

AFC U-19選手権予選がホーチミンで開催、影山ジャパンがトルシエベトナムと激突

U-16日越国際交流サッカー大会、ベトナムPVFの壮行会を日本大使館で開催

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【中編】

<明日は明日の試合がある>フィリップ・トルシエ(元サッカー日本代表監督) ベトナムで育成世代にサッカー全力指導中【前編】

森に帰ったゾウ~ベトナム最後のゾウたち~【後編】

インタビュー後記


(C) Miwa.A

実際にお会いしたトルシエ氏は、紳士だった。185cmと背が高く、スポーツマンらしい明るさと、勝負の世界で戦い抜いてきた人ならではのオーラがある。取材の日、時間通りに到着したのに、事前に来ていた私に待たせたことを詫び、長いインタビューの間、あらゆる質問に嫌な顔一つせずに、丁寧に答えてくれた。

 「自分の運の良さは試合に使うので、宝くじも賭けゲームも一切しない」し、孤児院などへの多くの寄付活動や、チャリティイベント参加もできる限りしている。「スポーツの世界ではもともと誰もがアマチュアで、有名選手や監督にあこがれ、目標にしている。私自身もそうでした。だから見られる立場にある人間は、子供たちの夢を裏切らない義務があります」と語る。全ては記せなかったが、真面目でまっすぐな人柄が伝わってくる話が数多くあった。

 質問をすると、意図をすぐに読み取り、例え話などを取り入れながら、とてもわかりやすく答えてくれる。同時に、誇張の全くない自然体であることも驚きだった。長い間文化も言葉も異なる外国で、自分の意図を正確に相手に伝えようと努めてきたせいだろうか、伝達力がとても高く、また伝えるだけでなく、聴こうとする。インタビュアーである私や、偶然居合わせたフランス人青年にも、なぜハノイにいるのか、これについてはどう思うか、など様々な素朴な質問を問いかけ、真剣に耳を傾ける。

 話を伺っていたハノイのカフェでは、「もしやあなたは、フィリップ・トルシエさんではないですか?」と見知らぬコートジボワール人の男性が興奮した様子で歩み寄ってきた。私に、「マダム!この人がどんなにすごい人かご存知ですか!皆この人を今も尊敬していますよ!コートジボワールのサッカーを作ったのは、この人なんです!」と大変な勢いで話しだした。トルシエ氏は嫌がるそぶりもなく、男性が語る30年前の試合の詳細(前半で誰誰がシュートを入れて、それを誰がとめて等々)に耳を傾けていた。「最初はまさにライオンの調教師でしたね、選手たちは気を抜いたらいつでも襲い掛かって来そうな緊張感があった(笑)」「そうでしょう、そうでしょう、なのにあなたは彼らの信頼を得て、白い魔術師と言われるまでになったのですからね」等々の昔話の後、トルシエ氏は「ところであなたは今ハノイで何をしているのですか」と逆に彼に質問し、返事に感心したりもしていた。



(C) Miwa.A
 

「この人はコートジボワールでも協会上層部を怒らせ、W杯予選の最中に解任されました。でもファンは皆わかっていましたよ、彼がどれだけ本気で私たちの国を強くしようと力を尽くしていたか。あの時、彼が代表監督を続けてくれていれば私たちはW杯に出られた、と今でも皆思っている。それから後のある試合の後、スタンド中が立ち上がりトルシエ元監督へのスタンディングオベーションとなった光景は、今思い出しても鳥肌が立ちます。2006年、2010年になっても、代表監督に戻ってきてほしいという声が上がりました」。 (コートジボワールのエルベ氏談) エルベ氏は、ワインの名前がコートジボワールのチームASECの練習場“ソルベニ”だと知ると、「信じられない」と目を見開いた。

前へ   1   2   3   4   次へ
© Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
この記事に関連するおすすめの記事
新着ニュース一覧
第15期第7回国会、5月20日開幕 法案の審議予定を調整 (15:54)

 国会常務委員会は20日、第15期(2021年~2026年任期)国会の第7回会議の会期を5月20日から6月8日までと6月17日から6月28日までの2期に分けて開催することを決定した。  国会常務委員会は、2024年法律・法令作...

台湾の自転車製造大手ジャイアント、ビンズオン省に新工場建設 (15:23)

 台湾の大手自転車製造メーカーのジャイアント(Giant)は22日、ベトナム事業拡大を目的に、1億2000万USD(約186億円)を追加投資し、新工場を建設する計画を発表した。  新工場は、東南部地方ビンズオン省の第3...

タカラレーベンとフジタ、ハイフォンの分譲マンションを竣工 (15:06)

 MIRARTHホールディングス株式会社(東京都千代田区)のグループ会社である株式会社タカラレーベン(東京都千代田区)と株式会社フジタ(東京都渋谷区)は、北部紅河デルタ地方ハイフォン市において共同で開発中の分譲...

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚 (21日)

 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている。一見、ポーさんが自分の子供をあやしているのかと思いきや、実はこの子供はポーさんの「孫」だ。  ...

ダナン空港、スマートターミナル開発へ FPTソフトウェアと提携 (14:19)

 南中部沿岸地方ダナン市ダナン国際空港の国際線ターミナルを運営するダナン国際ターミナル投資開発(Da Nang International Terminal Investment and Operation=AHT)は22日、ベトナムを代表するIT最大手

政府、違法漁業と闘う行動計画を公布 (13:29)

 政府は22日、違法・無報告・無規制漁業(IUU漁業)と闘うための行動計画に関する決議第52号/NQ-CPを公布した。  この行動計画は、IUU漁業と闘うことの役割と重要性に対する認識に大きな変化をもたらし、それ...

韓国の留学生数・特別活動ビザ取得者数、国籍別でベトナム人が最多 (13:03)

 韓国法務省出入国・外国人政策本部はこのほど、「出入国・外国人政策統計月報」を発表した。  3月末時点での韓国在留外国人は259万4936人で、前年同期比+11.1%増加した。うち90日以上滞在し、外国人登録を...

チン首相、ASEAN未来フォーラムで演説 「5つの強化」を提案 (6:31)

 ファム・ミン・チン首相はハノイ市で23日、「ASEAN未来フォーラム(ASEAN Future Forum=AFF)」の開会セッションでスピーチを行った。  チン首相は、地域や国家間の競争がますます熾烈化していることは、地...

ビンファスト、ECサイトのチョトットとEV販売で提携 (6:10)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下の電気自動車(EV)メーカーであるビンファスト(VinFast)と、個人間取引専用の電子商取引(C2C-EC)サイトを運営する

ソンラ省:モックチャウ観光区、国家観光区に認定 (5:31)

 文化スポーツ観光省は22日、西北部地方ソンラ省のモックチャウ(Moc Chau)観光区を国家観光区に認定することを決定した。  モックチャウ国家観光区の面積は同省モックチャウ郡(huyen Moc Chau)とバンホー郡(...

ランソン省:フウギ国境ゲート~チーラン間高速道路が着工 (5:14)

 東北部地方ランソン省人民委員会は21日、南北高速道路東側路線建設工事の一部となるフウギ国境ゲート~チーラン間高速道路案件の着工式を開催した。  着工式には、ファム・ミン・チン首相も出席した。 ...

ハノイ:身分証明アプリ「VNeID」活用、司法履歴書を試験発行 (4:23)

 ハノイ市司法局は4月22日から6月22日まで、電子身分証明アプリ「VNeID」を活用して司法履歴書(無犯罪証明書)を試験的に発行する。  公安省社会秩序行政管理警察局と司法省国家犯罪記録センターが2023年12月...

ナレッジクリエーションテクノロジーとリッケイ、合弁会社を設立 (4:02)

 ICTシステムソリューション開発などを手掛ける株式会社ナレッジクリエーションテクノロジー(KCT、東京都千代田区)は、ベトナムのIT・ソフトウェア大手のリッケイソフト(Rikkeisoft、ハノイ市)の日本法人である...

コドモンとSanAn Solutionsが業務提携、日越の保育・教育DX推進 (3:48)

 保育・教育施設向けICTサービスや保育者向け研修サービスなどを提供する株式会社コドモン(東京都港区)と、教育ソリューションの企画・開発・販売などを手掛ける株式会社SanAn Solutions(ハノイ市)は、日本とベ...

ハウスクリーニングのKIREI produce、ベトナム進出 業界初 (2:39)

 ハウスクリーニング「おそうじ革命」を展開する株式会社KIREI produce(東京都港区)は、業界初となる海外展開を開始した。最初の展開国はベトナムで、22日にハノイ市でサービスを開始した。  同社はベトナム...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved