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口で絵を描く枯葉剤被害者の青年「人生は自分の手の中にある」

2019/12/08 05:09 JST配信
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 チャウさんは逆境を乗り越えて自分の計画を実現し、恵まれない人々に希望の光を与え 、社会にも貢献している。こうした取り組みによってチャウさんは特別な存在となり、地場大手飲料メーカーのタンヒエップファット社(Tan Hiep Phat)の副社長であるチャン・ウエン・フオン氏の目に留まった。あるプログラムでチャウさんのアトリエを訪れた際、フオン副社長はチャウさんが作り出す鮮やかな色使いに魅了された。

 フオン副社長は、チャウさんの苦難の人生が「暗い色」だったとすると、逆に彼の作品は彼の楽観的で充実した生き方を体現するように鮮やかな色遣いで描かれているのだと話す。チャウさんは20年間にわたり芸術に専念し、様々な素材を組み合わせて個性的な作品を生み出してきた。ルールを壊し、不可能だと思われていた限界を超えたのだ。

 2018年にフォーブスブックス(ForbesBooks)より出版されたフオン副社長の著書「Competing With Giants」にも、同様の内容が書かれている。大きな夢を持ち、夢を叶えるために毎日行動するということが大切なのだ、と。この著書の中でフオン副社長は、ベトナムの民間企業が「不可能を可能にする」という話、そしてタンヒエップファット社を100年続くベトナムのブランドにする、という野望を書いている。

 チャウさんは、何もないところから自分で生計を立て、自分でカフェを立ち上げ、アイデアを探す旅にも行くようになった。また、助けを必要とする人々がたくさんいることに気づいてからは、慈善活動の資金を集めるために作品を競売にかけている。

 枯葉剤の被害者として、チャウさんは同じような境遇の人々の痛みや、社会の中での劣等感が理解できる。そんなチャウさんは、2016年に米国ニューヨークの国連本部で開催された第9回障害者権利条約締結国会合にも参加した。

 この5年近くの間に、チャウさんは米国、カナダ、フランス、日本で行われた国際展覧会に100点以上の絵画を展示してきた。出展した作品はすぐに完売し、その売上金は慈善基金に寄付している。彼は米国にアトリエを開く予定で、作品を世界に広げ、いつの日か米国の博物館に自分の作品が展示されることを夢見ている。

 チャウさんは夢を叶えるためにたゆまぬ努力をし、人生に美しい物語を描き続けている。

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