ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

オンライン学習のため4G電波探し道路沿いに「書斎」を建築したモン族の学生

2020/05/03 05:55 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

 それからユーチューブ(YouTube)で小屋の設置の方法を学んだ。小屋を建てる場所は道路の路面から1.2m低く、その下には石とトウモロコシ畑がある。直径15cmの木の棒12本と、木の板8枚をもらい、まずトウモロコシ畑に4本の柱を立て、根本を石で囲んで固めた。残りの木の棒8本は小屋の枠に使い、ワイヤーとネジでしっかりと固定した。

 友人の手を借りながら、2枚のビニールシートで屋根を覆うと、小屋の形ができた。電気を引くため、200m離れた自宅からコードを伸ばした。コードの一部は人に借り、一部は購入した。

 こうして面積約15m2の小屋が完成した。サーさんは「6~7人は寝られますよ」と自信満々だ。

 その日の夜、早速サーさんと友人は質を試すためできたばかりの小屋で寝てみた。夜中に大雨が降ったが、2枚のビニールシートからは雨漏りがし、中にいると濡れてしまった。翌日、サーさんは再び市場に出向き、ビニールシートをもう1枚購入して屋根を覆った。

 「今では中にいても、大雨も嵐も心配ありませんよ」。ただしサーさんいわく、この小屋はあくまでも勉強する時のためのものであり、残りの時間は自宅に帰り、両親の畑を手伝っているのだという。

 この道路沿いの小屋は、多くの人々から注目を集めている。「サー、何をしているんだ?トウモロコシでも置いておくのか?」と色々な人がモン族の言葉で尋ねるが、サーさんは「勉強のためです」と答える。それでも人々は、なぜ勉強をするためだけに小屋まで建てなければならないのかと不思議がった。

 モン族の青年がオンライン学習のために小屋を建てたという話は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でも関心を集め、数百件もシェアされた。サーさんは、そう遠くないうちにスンクア村落のような高地でもWi-Fiが繋がり、こうした小屋を建てなくてもいいようになればと期待を寄せた。

 小屋ができた後、サーさんは公共管理クラスの50人の学生とともに最初のオンラインクラスに参加した。机は古い木の板で作ったものだ。そして、他の学生がノートパソコンを机に置いてクラスに参加するのと違い、サーさんはやっと拾った4Gに繋がった携帯電話を握りしめていた。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 06:01 07/04/2020, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
2024年土地法の7月1日前倒し施行、国会に提案へ (25日)

 司法省は23日、2024年土地法(改正土地法)の第252条を改正・補足する国会決議草案を受領したと発表した。第252条は、土地法の施行日を2025年1月1日から2024年7月1日に変更することを規定している。  2024年...

ハノイ、家屋識別番号を利用した火災警報アプリを試験導入へ (25日)

 ハノイ市人民委員会は、家屋などの識別番号を利用した火災警報アプリを試験導入する計画を発表した。  アプリには、建物の建設許可に関連する情報、防火システムの審査・検収状況、消防活動を監視するため...

ヤオコー、ベトナム市場に参入 地場企業に出資・業務支援 (25日)

 スーパーマーケット事業を手掛ける株式会社ヤオコー(埼玉県川越市)は、 今後の成長戦略の布石として地場企業に出資・業務支援を行い、ベトナム市場に参入する。  具体的には、食品スーパーマーケット事業を...

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚 (21日)

 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている。一見、ポーさんが自分の子供をあやしているのかと思いきや、実はこの子供はポーさんの「孫」だ。  ...

スタンチャート銀、ベトナムの24年GDP成長率予想+6%に下方修正 (25日)

 英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)はこのほど発表したベトナムのマクロ経済に関する最新レポートの中で、2024年におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.7%か...

ビンファスト、米国のディーラー12社と代理店契約締結 (25日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社である電気自動車(EV)メーカーのビンファストオート(VinFast Auto)は23日、米国のディーラー12社との間で代

FPT、米エヌビディアとAIファクトリー開発などで協力 覚書締結 (25日)

 ベトナムを代表する情報技術(IT)最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はハノイ市で23日、米国のグラフィックスプロセッサ・半導体大手のエヌビディア・コーポレーション(NVIDIA

イエンバイ省:セメント工場の10人死傷事故、従業員1人を逮捕 (25日)

 西北部地方イエンバイ省イエンビン郡(huyen Yen Binh)にあるイエンバイセメント鉱産[YBC](Yen Bai Cement And Minerals)のセメント工場で22日に発生した深刻な労働災害に関連し、イ

栃木県、ハノイに「とちぎベトナムサポートハブ」を開設 (25日)

 栃木県は、ハノイ市に「とちぎベトナムサポートハブ(とちぎハブ)」を開設し、24日より活動を開始した。  とちぎハブは、県内事業者のベトナムにおける販路開拓、事業所設置、インバウンド誘客、高度外国人...

FPTジャパンと大末建設、建設業DX化推進でパートナーシップ契約 (25日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)の子会社であるFPTソフトウェアジャパン株式会社(FPTジャ

金属プレス加工の河政工業、バクニン省に子会社を設立 (25日)

 金属プレス加工や部品組み立てなどを手掛ける河政工業株式会社(東京都葛飾区)は、北部紅河デルタ地方バクニン省に子会社を設立した。  子会社「河政工業ベトナム(KAWAMASA INDUSTRY VIETNAM)」は、ダイドン...

第15期第7回国会、5月20日開幕 法案の審議予定を調整 (24日)

 国会常務委員会は20日、第15期(2021年~2026年任期)国会の第7回会議の会期を5月20日から6月8日までと6月17日から6月28日までの2期に分けて開催することを決定した。  国会常務委員会は、2024年法律・法令作...

台湾の自転車製造大手ジャイアント、ビンズオン省に新工場建設 (24日)

 台湾の大手自転車製造メーカーのジャイアント(Giant)は22日、ベトナム事業拡大を目的に、1億2000万USD(約186億円)を追加投資し、新工場を建設する計画を発表した。  新工場は、東南部地方ビンズオン省の第3...

タカラレーベンとフジタ、ハイフォンの分譲マンションを竣工 (24日)

 MIRARTHホールディングス株式会社(東京都千代田区)のグループ会社である株式会社タカラレーベン(東京都千代田区)と株式会社フジタ(東京都渋谷区)は、北部紅河デルタ地方ハイフォン市において共同で開発中の分譲...

ダナン空港、スマートターミナル開発へ FPTソフトウェアと提携 (24日)

 南中部沿岸地方ダナン市ダナン国際空港の国際線ターミナルを運営するダナン国際ターミナル投資開発(Da Nang International Terminal Investment and Operation=AHT)は22日、ベトナムを代表するIT最大手

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved