ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

新型コロナ禍、初めて迎える家族離れ離れのテト

2021/02/07 05:25 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

 タインホア省に移って家族3人で暮らしていたティンさんだが、息子が4歳になると、幼稚園に通わせるために故郷にいる母方の祖父母に息子を預けることにした。1年のうち、家族が長い時間を一緒に過ごせるのは、夏休みとテト休みだけだ。

 ティンさんは今年、旧暦12月28日(新暦2月9日)に帰省するつもりだった。例年は父親が桃やキンカンの木を買い、母親が子供に新しい服を買う。しかし今年はテトの訪れととともに新型コロナも「訪れ」、夫妻の帰省は叶わない。「自宅はテトの準備を整えていますが、心は全くテトの気分じゃありません」とティンさんは悲しげに笑った。

 それでも、ティンさんは前向きに考えるようにし、落ち込んでいる妻にも励ましの声をかけている。「幸い、故郷も私が今いる所も、危険な地域には含まれていません。たくさんの家族が隔離のために離れ離れになっていて、それでも皆、乗り越えていますから」。

 ティンさんは、息子を元気付けるため、両親に頼んで代わりにテトの買い物をしてもらい、さらに大晦日にはオンラインで家族皆で一緒に新年を迎えるつもりだ。


 ミン・ドゥックさんとフエン・ミーさんの夫婦は、家族が感染流行地域のハイズオン省チーリン市にいるため、テトに実家へ帰ることができなくなった。ドゥックさんの母親はチーリン市内の小学校の教員で、多くの生徒や保護者と接触するため、近しい人が感染すれば、ドゥックさんの母親も接触者(F1)になる可能性がある。チーリン市も封鎖されている。

 ベトナムで56日ぶりの市中感染が発表された1月28日の朝、メディアで報じられる前にドゥックさんは家族から市中感染のことを聞いた。20日前にチーリン市の実家を訪れたばかりだったドゥックさんは、すぐに退社し、自宅隔離に入った。妻のミーさんは少し前に大きな手術を受けたばかりだったこともあり、ドゥックさんの心は妻と両親に対する心配でいっぱいだった。

 チーリン市で市中感染が発生したことを知ると、ミーさんはすぐにマスクや手指消毒剤、免疫を高める薬などをオンラインで購入し、チーリン市の自宅で隔離中の夫の両親のもとへ送った。母親がストレスを感じていることを知り、ドゥックさんは時々電話をかけて励ました。また、ドゥックさん夫婦も健康申告を行い、両親と同じく21日間の自宅隔離を受けることになった。

 市中感染の拡大は、すなわちミーさんが初めてテトを夫の実家で迎える計画が白紙になったということでもあった。ハノイ市で生まれ育ったミーさんは、田舎でテトを迎えたことがなく、ミーさんが2歳のときに両親も離婚しているため、夫の実家で、家族皆で過ごすテトを楽しみにしていた。

 夫婦は1か月前からテトに何を買うか話し合い、ミーさんはたくさんの菊の花を買って庭を黄色一色にしたいと語っていた。一方、ドゥックさんの両親も、テトに帰省する息子夫婦をもてなすため、自宅で鶏や野菜を育てて準備していた。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 05:10 03/02/2021, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
ウズベキスタン航空、タシケント~ニャチャン線を5月5日就航 (4:19)

 ウズベキスタンの国営航空会社であるウズベキスタン航空(Uzbekistan Airways)は5月5日、ウズベキスタンの首都タシケントと南中部沿岸地方カインホア省ニャチャン市(カムラン国際空港)を結ぶ直行便を就航する。 ...

システムエグゼベトナム、ダナンに新オフィスを開設 (3:02)

 システムインテグレーション事業などを手掛ける株式会社システムエグゼ(東京都中央区)のグループ会社であるシステムエグゼベトナム(SYSTEMEXE VIETNAM)は、ベトナムで4つ目となる新たなオフィスを南中部沿岸地...

ウェビナー「ベトナム国別ビジネス勉強会」、5月31日開催 (2:54)

 日本貿易振興機構(ジェトロ)横浜と神奈川産業振興センター(KIP)、神奈川県は、5月31日(金)の日本時間13時45分から16時15分まで、ウェビナー「ベトナム国別ビジネス勉強会」をオンラインで開催する。  ウェ...

10代で結婚、30代で孫の世話…連鎖する児童婚 (21日)

 他に人のいない家の中で、タオ・バン・ポーさん(男性・36歳)が子供をあやして泣き止ませようとしている。一見、ポーさんが自分の子供をあやしているのかと思いきや、実はこの子供はポーさんの「孫」だ。  ...

2024年土地法の7月1日前倒し施行、国会に提案へ (25日)

 司法省は23日、2024年土地法(改正土地法)の第252条を改正・補足する国会決議草案を受領したと発表した。第252条は、土地法の施行日を2025年1月1日から2024年7月1日に変更することを規定している。  2024年...

ハノイ、家屋識別番号を利用した火災警報アプリを試験導入へ (25日)

 ハノイ市人民委員会は、家屋などの識別番号を利用した火災警報アプリを試験導入する計画を発表した。  アプリには、建物の建設許可に関連する情報、防火システムの審査・検収状況、消防活動を監視するため...

ヤオコー、ベトナム市場に参入 地場企業に出資・業務支援 (25日)

 スーパーマーケット事業を手掛ける株式会社ヤオコー(埼玉県川越市)は、 今後の成長戦略の布石として地場企業に出資・業務支援を行い、ベトナム市場に参入する。  具体的には、食品スーパーマーケット事業を...

スタンチャート銀、ベトナムの24年GDP成長率予想+6%に下方修正 (25日)

 英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank)はこのほど発表したベトナムのマクロ経済に関する最新レポートの中で、2024年におけるベトナムの国内総生産(GDP)成長率予想を前回レポートの+6.7%か...

ビンファスト、米国のディーラー12社と代理店契約締結 (25日)

 地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社である電気自動車(EV)メーカーのビンファストオート(VinFast Auto)は23日、米国のディーラー12社との間で代

FPT、米エヌビディアとAIファクトリー開発などで協力 覚書締結 (25日)

 ベトナムを代表する情報技術(IT)最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)はハノイ市で23日、米国のグラフィックスプロセッサ・半導体大手のエヌビディア・コーポレーション(NVIDIA

イエンバイ省:セメント工場の10人死傷事故、従業員1人を逮捕 (25日)

 西北部地方イエンバイ省イエンビン郡(huyen Yen Binh)にあるイエンバイセメント鉱産[YBC](Yen Bai Cement And Minerals)のセメント工場で22日に発生した深刻な労働災害に関連し、イ

栃木県、ハノイに「とちぎベトナムサポートハブ」を開設 (25日)

 栃木県は、ハノイ市に「とちぎベトナムサポートハブ(とちぎハブ)」を開設し、24日より活動を開始した。  とちぎハブは、県内事業者のベトナムにおける販路開拓、事業所設置、インバウンド誘客、高度外国人...

FPTジャパンと大末建設、建設業DX化推進でパートナーシップ契約 (25日)

 ベトナムIT最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)グループの日本法人FPTジャパンホールディングス株式会社(東京都港区)の子会社であるFPTソフトウェアジャパン株式会社(FPTジャ

金属プレス加工の河政工業、バクニン省に子会社を設立 (25日)

 金属プレス加工や部品組み立てなどを手掛ける河政工業株式会社(東京都葛飾区)は、北部紅河デルタ地方バクニン省に子会社を設立した。  子会社「河政工業ベトナム(KAWAMASA INDUSTRY VIETNAM)」は、ダイドン...

第15期第7回国会、5月20日開幕 法案の審議予定を調整 (24日)

 国会常務委員会は20日、第15期(2021年~2026年任期)国会の第7回会議の会期を5月20日から6月8日までと6月17日から6月28日までの2期に分けて開催することを決定した。  国会常務委員会は、2024年法律・法令作...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved