ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

「象の足」と共に生きる女性、母親としての願い

2022/03/27 10:35 JST配信
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大
(C) vnexpress
(C) vnexpress 写真の拡大

 新型コロナ禍になり自宅でオンライン学習をしなければならず、親戚が2人にスマートフォンをくれたものの、1台を交代で使うため、1人が授業を受けている間はもう1人は休まなければならなかった。

 数か月後、姉のキム・アインさんの学校がアインさん家族の状況を知り、パソコンを貸してくれたため、姉妹は2人とも休むことなく授業に参加することができるようになった。

 姉妹は13歳と9歳になっても未だに新品の服を着たことがなく、制服も含め、いつも寄付してもらった物を着ている。2人の服に穴が開いているのを見たティンさんは何度も市場に服を見に行ったが、その値段が10回分の食費と同じだったため、ため息をついて何も買わずに帰宅した。

 暑い夏の午後には、親子は誘い合ってよく木陰に座って涼んでいる。姉妹は水蒸気を噴出するミスト扇風機を夢見たことがあるが、その電気代を計算したティンさんは「誰かがミスト扇風機をくれたとしても、電気代がかかるから使うつもりはないわよ」と舌打ち交じりに伝えたのだった。

 ティンさんは、金欠で苦労しながらも近所の人に借金をする必要がほとんどないことを誇りに思っている。ティンさんは自分の病状をわかっており、どれだけ生きられるかもわからないため、誰からも借金はしたくないのだ。「もし自分が死んでしまっても、子供2人はまだ小さくて借金を返すことができず、申し訳ないですから」とティンさんは語る。

 村落長のグエン・ティ・ホアさんによると、ティンさん家族は村の中でも特に困難な状況にある家庭だという。2017年にアンビエン村の女性協会と祖国戦線が共同でティンさん家族への寄付金を呼びかけ、老朽化した広さ20m2の家の修理とベッド、椅子、テーブルなどを購入してくれた。それ以来、ティンさん家族は雨が降るたびに家の中を行ったり来たりして雨水を集める必要がなくなった。

 新型コロナ禍のこの2年間、ティンさんはハノイ市の病院を受診することがほとんどできず、足が痛んだり発熱したりした時には自分で薬を買って飲んでいる。ティンさんの1番の心配事は、病気が進行し悪化しているものの治療のためのお金はなく、子供たちが孤児になってしまうかもしれないということだ。

 「もし奇跡が起こるなら、2人が学業を途中でやめざるを得なくなることのないよう、2人を育てていくための健康な身体がほしいです」と、ティンさんは胸の内を明かした。

前へ   1   2   3   次へ
[VnExpress 07:00 22/02/2022, A].  © Viet-jo.com 2002-2024 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
日系飲食FC展開の地場ロータス、シンガ系投資ファンドと資本提携 (19日)

 食品製造や飲食店経営などを手掛ける地場企業のロータスグループ(Lotus Group)はこのほど、シンガポールを拠点とする東南アジアの女性起業家を対象としたジェンダー投資ファンドであるビーコンファンド(Beacon ...

プラップジャパン子会社、ベトナム現地法人を設立へ (19日)

 総合PR会社の株式会社プラップジャパン(東京都港区)の連結子会社であるプラップポインツ・シンガポール(PRAP POINTS Singapore、シンガポール)は、マーケティング・PR業務における制作を行う子会社として、ベト...

三菱食品、ベトナムの輸入食品小売スタートアップに出資 (19日)

 三菱食品株式会社(東京都文京区)は、ベトナムで輸入食品専門小売店を展開するスタートアップ企業であるホームファーム・ホールディング(Homefarm Holding、ハノイ市)の第三者割当増資引受による出資を行った。 ...

1本の親指で生み出すメロディ、事故から再起した音楽家 (14日)

 南中部沿岸地方クアンナム省在住のチャン・ビン・フオンさん(男性・32歳)は、もともと楽器の演奏者だったが、7年前に事故に遭って四肢が麻痺し、今は手の1本の親指しか動かすことができない。  フオンさん...

外務省、国連人権理事会のUPRで政府報告書 国連機関には反論 (19日)

 ベトナム外務省は15日、記者会見を開き、国連人権理事会の第4回UPR(普遍的定期的審査)の政府報告書を発表した。UPRは全ての国連加盟国が互いに人権状況を審査し合う制度で、約4年半に1度のペースで全ての国が審...

仏高級ジュエラーのショーメ、ハノイにベトナム1号店オープン (19日)

 フランス・パリに本拠を置く高級ジュエリーブランドのショーメ(Chaumet)は14日、ハノイ市ホアンキエム区リーダオタイン(Ly Dao Thanh)通り12番地にベトナム1号店をオープンした  ショーメは1780年創業のジ...

ハノイ:12歳少女が帝王切開で出産、近所の男性から性的虐待 (19日)

 ハノイ市タインチ郡在住の12歳の少女Yさん(仮名)は妊娠38週目を迎え、4月17日に帝王切開で赤ちゃんを出産した。家族はYさんが近所に住む男性から複数回にわたり性的虐待を受けて妊娠したとしている。  Yさ...

韓国の八道、タイニン省で工場竣工 ラーメンや飲料水など生産 (19日)

 韓国の食品大手である八道(Paldo)はこのほど、東南部地方タイニン省で建設していたベトナムの第2工場を竣工した。  タイニン工場の敷地面積は3万3920m2、延べ面積は1万2506m2。インスタント麺をはじめとし...

サムソナイト、ホーチミンに東南アジア最大規模の旗艦店オープン (19日)

 スーツケースやバックパックのサムソナイト(Samsonite)は、ホーチミン市1区ドンコイ通り(Dong Khoi)にある商業施設「ビンコムセンター・ドンコイ(Vincom Center Dong Khoi)」内にフラッグシップ店(旗艦店)をオ...

第175軍医病院、ベトナム初の国際外傷救急訓練センターを開設 (19日)

 国防省傘下の第175軍医病院(ホーチミン市ゴーバップ区)は15日、国防省、公安省、在ホーチミン米国総領事館の代表者の立会いのもと、ベトナム初の国際外傷救急訓練センター(International Trauma Life Support T...

23年行政改革指数、クアンニン省と司法省が首位 (19日)

 政府の行政改革指導委員会は17日、全国63省・市と17の中央省庁を対象とした「2023年行政改革指数(PAR INDEX)」を発表した。地方別では100点満点中92.18点の東北部地方クアンニン省が2年連続で首位を維持した。...

ザロペイとロッテファイナンス、後払いサービスで提携 (19日)

 地場総合インターネットメディア運営大手VNGコーポレーション[VNZ](VNG Corporation)の傘下でモバイル決済アプリ「ザロペイ(ZaloPay)」を運営するジオン(Zion)は16日、韓国ロッテグ

3月の訪日ベトナム人6.74万人、2か月連続で単月過去最高 (19日)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した統計によると、2024年3月の訪日ベトナム人の数は前年同月比+25.6%増の6万7400人で、2か月連続で単月として過去最高を記録した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行以前の2...

韓国ロッテレンタル、3大都市で運転手付きレンタカーサービス開始 (19日)

 韓国のレンタカー大手ロッテレンタルは15日、ハノイ市、ホーチミン市、南中部沿岸地方ダナン市の3都市でドライバー付きレンタカーサービスを開始した。  3都市における空港とホテル間の移動を、ドライバー...

米ウォーバーグ・ピンカス、スエンアー病院に出資 (19日)

 地場スエンアー病院投資(Trans-Asia Hospital Investment、ホーチミン市)はこのほど、米プライベートエクイティ投資会社ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)との間で提携契約を締結した。  これにより...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2024 All Rights Reserved