ベトナムニュース総合情報サイトVIETJO [ベトジョー]
 ようこそ ゲスト様 

ウクライナの戦地に留まったベトナム人の300日【前編】

2023/01/01 10:16 JST配信
(C) dantri
(C) dantri

 その日の朝、トゥアンさんは早起きして市場に出勤する準備をしていた。しかし、外で絶え間なく鳴り響く爆発音に、何かがおかしいと感じた。それでも、家を出る前にトゥアンさんは妻を安心させようと「ただのごみ収集車の音だよ」とヤナさんに声をかけた。

 自宅から10kmほど離れた市場に向かう途中、トゥアンさんはたくさんの車が行き交うのを目にしながらも、何が起こっているのか理解できなかった。すべてのガソリンスタンドはごった返し、市場に着いてからも、人はいても誰も商売を始めようとしていなかった。

 大きな爆発音を立て続けに聞いて、その場に居合わせた人々は手足が震えた。空中には白い煙が切れ間なく現れ、トゥアンさんの携帯電話の着信音も鳴り続けた。「状況はどう?」「我々の市場は大丈夫?」と、次から次へと連絡が入った。

 ハルキウとロシアのベルゴロドとの間の距離は50kmほどと遠くなく、さらに視界が開けた土地であることから爆発音もはっきりと聞こえ、攻撃の様子も明らかに感じとれた。

 状況を理解したトゥアンさんは、不測の事態に備えてすぐに自宅に戻った。市場の管理委員会も、安全を確保して帰宅するよう呼びかけ、セキュリティ部門が引き続き市場に残り、市場の状況を人々に伝えることになった。

 しかし、その後の数日間は、誰も商売のことを考える気分になれなかった。そして、ウクライナに居住する多くのウクライナ人やベトナム人が、国外退避を始めた。ロシア軍が国境地帯に侵入し、多くの人々がパニックに陥り、逃げる人が増えるほどトゥアンさん一家も混乱した。

 トゥアンさんは、妻と2つの選択肢について話し合った。1つ目は家族全員で退避すること、2つ目は家族全員で留まること。どちらにしても、家族が離れ離れになるという選択肢はなかった。最終的に、当時治安部隊で働いていた息子のため、家族全員でウクライナに留まることに決めた。

前へ   1   2   3   次へ
[Dan Tri 26/12/2022, A].  © Viet-jo.com 2002-2026 All Rights Reserved. 
※VIETJOベトナムニュースは上記の各ソースを参考に記事を編集・制作しています。 免責事項
新着ニュース一覧
国家サイバー認証基盤を整備、SNSユーザーの本人確認を義務化 (16:19)

 ベトナム共産党書記局は、サイバー空間の安全確保について、全政治体制と国民全体に関わる重要かつ緊急の任務と位置付け、サイバーセキュリティ、情報保護、データ安全の確保などを強化する指示第57号-CT/TWを...

2月施行の新規定、外為市場の取り締まり強化など (15:07)

 2月に施行される新規定7本をまとめて紹介する。 1.外国船舶の国内海上輸送の規制を強化  建設省の通達第41号/2025/TT-BXD(2026

ハノイ:市中心部で高層化推進、「集約・緑化」モデル導入 (14:12)

 ハノイ市人民評議会は27日、100年の長期ビジョンを掲げる首都都市計画の主要内容を盛り込んだ決議を採択した。  市は、都市構造を再編し、建築密度を抑えつつ建物の高層化を進め、緑地空間の拡充と文化遺産...

ホーチミンの市場とともに生きる:ダイクアンミン市場 (25日)

 ホーチミン市旧5区(現在のチョロン街区)にあるダイクアンミン市場(cho Dai Quang Minh)は、別名「ダイクアンミン商業センター(trung tam thuong mai Dai Quang Minh)」とも呼ばれている。この市場は、かつては...

ビンG、スーパーアプリ「V-App」公開 主要サービスを統合 (13:40)

 不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)子会社のビンスマート・フューチャー(VinSmart Future=VSF)は29日、VICの主要サービスを統合したスーパーアプリ「

保健省傘下の栄養研究所、栄養情報ポータルサイトを開設 (13:20)

 保健省傘下の栄養研究所は28日、国家栄養情報ポータルサイト「ベトナム栄養ポータル(Vietnam Nutrition Portal)」<https://viendinhduong.vn>の開設式典を開催した。  同ポータルサイトは

ベトナム、AI活用でアジア太平洋地域をリード メタ報告 (6:51)

 米メタ(Meta)が発表した2026年のソーシャルメディア動向レポートによると、ベトナムはアジア太平洋地域でソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)と人工知能(AI)の活用が最も進んでいる市場の一つで、中小...

ベトナムとEU、包括的・戦略的パートナーシップへ関係格上げ (6:28)

 ルオン・クオン国家主席はハノイ市で29日、ベトナムを訪問している欧州連合(EU)のアントニオ・コスタ欧州理事会議長と会談した。双方はこの席で、関係を包括的・戦略的パートナーシップへ格上げすることで一致...

中国語人材の需要が日本語人材の2.4倍に、高給提示も (5:55)

 ベトナムの労働市場では、中国語を使える人材の価値が急速に高まっている。企業は同等の職種でも中国語の対応が可能な人材に高給を提示しており、中国語人材の求人件数と給与水準はともに日本語人材や韓国語人...

アンザン省の「オケオ・バテ考古遺跡区」、世界遺産に登録申請へ (5:18)

 マイ・バン・チン副首相は、南部メコンデルタ地方アンザン省の「オケオ・バテ考古遺跡区」の科学的資料を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に送付し、世界遺産への登録を申請することに同意した。  チン副首...

北陸電力、ベトナムで合弁会社を設立へ 再エネ事業に参画 (4:58)

 北陸電力株式会社(富山県富山市)は、ベトナムにおける水力発電事業をはじめとする再生可能エネルギー事業への参画を目的として、パートナー事業者とベトナムに合弁会社を設立することを決定した。  パート...

ミスミ、越中の製造拠点に約20億円投資 データセンター需要に対応 (4:45)

 ファクトリーオートメーション(FA)や金型部品などの事業を手掛ける株式会社ミスミグループ本社(東京都千代田区)は29日、生成人工知能(AI)の世界的普及に伴い急拡大するデータセンター市場向け製造装置に用いら...

ブライセン、フエ大学傘下科学大学とAI研究・開発で産学連携 (3:47)

 サプライチェーンマネジメントやシステムエンジニアリング、データエンジニアリングなどの事業を手掛ける株式会社ブライセン(東京都中央区)およびブライセンベトナム(BRYCEN Vietnam、北中部地方フエ市)は、フ...

「ベトナム旧正月フェスティバルin福岡」、1月31日から開催 (2:46)

 「2026ベトナム旧正月フェスティバルin福岡」が、1月31日(土)と2月1日(日)の両日に福岡・県営天神中央公園で開催される。  開催場所は西中洲エリア貴賓館前広場、開催時間は1月31日が11時30分から20時まで...

特別ビザ免除制度を本格展開へ、政府が実施計画を公布 (29日)

 グエン・ホア・ビン第一副首相は、経済・社会発展に資する特別優遇対象の外国人に対する期限付き査証(ビザ)免除制度を規定する政令第221号/2025/ND-CPを円滑に実施するための計画に関する首相決定第161号/QD-TT...

©VIETJO ベトナムニュース 2002-2026 All Rights Reserved