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南部メコンデルタ地方カントー市ニンキエウ街区在住のチュオン・クアン・タイさん(男性・43歳)とホー・ゴック・トゥイさん(女性・40歳)の夫婦は、2025年9月2日の建国記念日80周年を祝うため、カントー市からハノイ市まで約2000kmの道のりを自転車で縦断した。これは、英雄烈士への感謝と、心からの愛国心を表すためのものだった。
秋の気配が漂うハノイ市では、建国記念日を祝って金星紅旗が旧市街の通りを埋め尽くしていた。そんな中、タイさんとトゥイさんは、自転車での長い長い旅を終えて、首都の地を踏んだ。
額には汗がにじみ、手は古びた自転車のハンドルをしっかりと握りしめていた。しかし、2人の目は輝いていた。それは、神聖な旅を終えたという、ただそれだけの理由からだった。
2人は7月22日にカントー市を出発し、8月27日にハノイ市に到着した。
この1か月余りの間、2人は共に自転車でベトナムを縦断した。焼けつくような日差し、嵐、洪水の中、険しい峠を越えてきた。何かを征服するためでも、誇示するためでもない。家族の願いを叶えるため、英雄烈士への感謝を表すため、そして、9月2日の建国記念日を自分たちなりの方法で祝うためだった。
トゥイさんはこう話す。「祖母は抗戦中に幹部をかくまっていて、叔父は傷病兵、伯母は連絡係だったんです。祖母は以前、ホー・チ・ミン廟を訪れたいと願っていましたが、機会ができた時にはもう身体が弱っていて行けずじまいでした。今は叔父も伯母も70歳を超えています。だから、私たちが代わりに行って、家族を代表してその願いを叶えようと思ったんです」。
この旅は、ちょうど2人の結婚15周年とも重なった。2人は観光や保養の代わりに、烈士墓地や歴史遺跡区、英雄記念碑を巡り、線香を供え、追悼し、感謝の意を表すため、自らの脚と心で国を体感する旅を選んだのだった。