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在外ベトナム人企業家協会のピーター・ホン常任副会長によれば、現在、世界各国で約550万人のベトナム人が暮らしており、このうち20%以上が定年を迎えているか、間もなく迎えるという。
その多くがベトナムに帰国し、生活を送り、投資を行い、自分のルーツとつながりたいと望んでいる。協会の内部調査によれば、オーストラリアでは約35万人の越僑が暮らしているが、このうち約17万人が老後に帰国を希望していることが分かった。
米国ウェストバージニア大学で社会福祉学分野の修士号を取得したドアン・ティ・ゴック氏は、多くの越僑が老後に母国への帰国を選択する理由として、以下の3つを挙げている。
第1に、「落葉帰根」の心理で、母国語を話し、郷土料理を食べ、同じ文化を共有するコミュニティの中で暮らしたいという渇望がある。
第2に、ベトナムはインフラや利便性が日に日に発展しつつあり、現代的なライフスタイルを享受できる一方、海外よりも生活費が安いことがある。
第3に、医療費、特に慢性疾患の医療費は、海外では保険があっても非常に高額であるのに対し、ベトナムでは多くの専門的な医療サービスが低コストで利用でき、アクセスもしやすいことがある。
「ベトナムには親孝行や高齢者を敬う文化があります。多くの越僑は、家族の中で役割を持ち、子供や孫に話を聞いてもらい、尊重されたいと願っています」とゴック氏は語る。
ナンシー・ホンさん(女性・73歳)とキエン・トゥオンさん(男性・78歳)の夫婦は、もともとベトナムで老人ホームへの入居は計画していなかった。夫婦は1978年に米国へ移住し、定年後はたびたび親族を訪ねてベトナムに帰国していた。
しかし、2024年末の帰国中、トゥオンさんのパーキンソン病が急に悪化し、徐々に歩行が困難になっていった。米国で暮らし続けるなら老人ホームに入居しなければならず、月8000USD(約118万円)の費用がかかる。